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理論的に学ぶ
2020年08月07日

海外向けSNS運用に向けた、7つのステップ

企業の「海外向けSNS戦略」策定に向けて 最初に行うべき大切な7つのステップ

インターネット環境が世界中で整いつつある昨今では、SNSは世界中にアピールできるツールの一つであり、うまく活用できれば、企業ブランディングや企業認知において非常に優れた成果を生み出すことができます。若者のデジタル化が進むにつれ、ソーシャルメディアを使った企業の情報発信は、顧客との繋がりを一層強くする大切なマーケティング施策の一つとなっています。

では、企業がソーシャルメディアを使って海外へ情報を発信する場合、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか?企業が海外向けにSNS運用を考えたとき、最初に行うべき大切な7つのステップをお伝えします。

ビジネス目標に合わせたゴールを設定

SMART目標

SNS運営における戦略を考える際には、まずはビジネスに合わせた目標を設定します。
目標を設定するときの重要なポイントは、「誰が見ても明確な目標であること」です。
目標を明確にすることによって戦略を評価することができますし、チームのモチベーションアップにもつながります。

明確な目標設定の枠組みとして「SMART目標」と呼ばれるものがあります。
SMART目標とは、以下の事柄を含んだ目標設定のことです。

  • Specific(具体的な)
  • Measurable(測定可能な)
  • Attainable(達成可能な)
  • Relevant(関連性のある)
  • Time-bound(期限付きの)

これら5つの単語の頭文字を取ってSMART目標と言われており、5つの要素を全て含むゴール設定を行う事で、ビジョンが明確化されブレないソーシャルメディア運営が出来るでしょう。

 

ユーザーを知る

目標設定が完了すれば、次はメインターゲットとなるユーザーについて考えていきます。
自社で運営するSNSの投稿の視聴者は誰で、何を見たいのかを知ることが重要なポイントとなります。
視聴者のニーズを知ることで、彼らが好むコンテンツを投稿し、顧客との関係構築に役立てましょう。ターゲットとなる仮想の視聴者(ペルソナ)が誰なのかを知るためには、以下の事柄について考えます。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 家庭環境
  • 世帯の平均所得
  • 趣味やライフスタイルなど

これらのことを意識して具体的なペルソナを設定すると、誰に向けて発信し、どのような投稿が喜ばれるのかが明確になります。またペルソナを設定する際は、その人の人物像が垣間見えるようなストーリー仕立て、考えてあげると良いでしょう。
ペルソナによってターゲットを明確にすることで、運用していくSNS、投稿内容や投稿する時間帯などのを決定します。

 

競合相手を知る

SNSを運用していくにあたっても、競合相手の分析は必要です。
競合相手がどのSNSを運用しているのか、どのような投稿内容なのか、フォロワーからどのようなリプライがあるのかなどを分析します。仮に競合他社の一つがFacebookを活用し圧倒的な人気を勝ち得ているのなら、TwitterやInstagramを選択するほうが賢明かもしれません。
ファンやフォロワーからのリプライは、顧客からどのようなニーズがあるのかを知る重要な手がかりの一つになります。

 

ソーシャルメディア分析

SNS運用の戦略において、どのソーシャルメディアを選択するかは非常に重要です。
目標やペルソナ、競合相手の動向、それぞれのSNSの特徴などによって、どのSNSを運用していくのか決定しましょう。
ここでは、SNS全体の分析と各種SNSの特徴について解説します。

全体

ソーシャルメディアはインターネットの発達に伴って利用者数がどんどん増加していき、今では企業と消費者との双方コミュニケーションの場として活用されています。SNS運用によって期待できるマーケティング効果は「認知」「興味・関心」「ファン化」「拡散」の4つです。
特に「拡散」からの「認知」は、SNSでは瞬間的な急速かつ世界規模の広範囲で行われます。
SNSは情報交換を中心とした交流の場として広く普及し、それによって消費者の行動も変化しています。

ターゲットとするユーザーの年代という切り口から見ても、好まれるソーシャルメディアや嗜好性は大きく変化します。企業メッセージをしっかり届けるためにも、ユーザーに最適なSNSを選定する必要があります。

下記ブログは世界のインターネットユーザーの「世代別嗜好性」を解説しています。ぜひ、ご参考にしてください。

世界のインターネットユーザー
「世代別嗜好性」解説

それでは次に、代表的なソーシャルメディアの特徴について解説していきます。
目標やペルソナ、競合相手などと照らし合わせながら、自社に合ったものを選択する参考にしていただけると幸いです。

Facebook-logo Facebook

ソーシャルメディアの先駆者といっても過言ではないFacebookは、世界中で活用され、月間アクティブユーザーが25億人と、世界で最も利用されているSNSです。
実名アカウントなので信頼性が高く、シェアしたときのコンバーション率が高いことが特徴です。
SNSの中では利用者の年齢層は高めで、30〜40代が多くなっています。
投稿内容も比較的ボリュームがあるコンテンツで、動画を活用して宣伝活動を行っている企業も多く見受けられます。

instagram-logo Instagram

Instagramは世界中でのユーザー数はFacebookよりも少ないですが、ここ数年で急速に人気が高まっているソーシャルメディアの一つです。現在のInstagramにおける月間アクティブアカウント数は10億人以上、1日のアクティブユーザー数は5億人以上、1日に投稿されるストーリーズは5億以上です。
InstagramはFacebookに比べて若年層の利用率が高く、10〜20代を中心に利用されています。
ストーリー機能に加えて、最近はEC向けのビジネスアカウントの開設が可能になりました。
写真や動画の投稿がメインなので、ビジュアル重視でオシャレな投稿をしている企業が成功している印象です。
拡散力は弱いものの、興味・関心やファン化の効果に大きく期待できるソーシャルメディアです。

twitter logo Twitter

毎日約1億5,000万人以上のアクティブユーザーからのアクセスを擁するTwitterは、2020年現在も最も注力すべきSNSの一つです。
Instagramと同様に10〜20代のユーザーが大半を占めています。
Twitterの一番の特徴は「拡散力」で、使い方によっては爆発的に広く認知されるかもしれません。
投稿内容も簡素なものが多く、フォロワーと距離が近く、コミュニケーションが取りやすいことが特徴のひとつです。

ほかにも最近はYouTubeやLinkedIn、Google+といった新しいソーシャルメディアが登場してきています。
年齢層や利用目的、特徴などに違いがあるので自社に合ったSNSを選んでください。
また、運用に慣れてきたら、1つだけではなく複数のSNSを運用することも効果的な戦略となるでしょう。

 

 運用するSNSに合わせた目標を設定する

フォロワーや、いいねの数などの数値は表面的な数値にしかすぎません。ユーザーがどのような行動をし、どのくらい興味を持ってもらえているかを分析し、追跡を行いましょう。

例えば、LinkedInを活用しWebサイトへの流入を促す場合はクリックスルーを測定します。
Instagramを活用したブランド認知を高める場合はストーリービューの数を追跡します。
Facebookの広告運用の場合はクリック単価(CPC)を指標にします。

このように、ビジネスに合わせたゴール設定から運用するSNSの目標数値を導き出し、全体的なマーケティング目標と一致させましょう。

 

投稿頻度を決める

運用していくSNSが決まれば、次は投稿頻度を考えていきます。
SNSに投稿するためにはコンテンツが必要なので、継続的に投稿するためにはコンテンツを生み出し続けることが求められます。
毎日投稿すると頻度を決めても、ネタ切れで投稿がストップしてしまうかもしれません。
投稿頻度を高くすることで、それを達成するために、質の低いコンテンツを投稿することも問題です。“継続的に質の高いコンテンツを生み出し続けられる頻度”を意識して投稿頻度を決めることが大切です。

ソーシャルメディアの運用に割くリソースの状況や競合相手の投稿頻度も考慮すると良いでしょう。
ただし、少なすぎる投稿頻度だとSNS上で影が薄い存在となってしまうので、最低でも週に3回の投稿をできるように運用体制を整えましょう。

 

投稿スケジュールを作成する

投稿頻度の決定と並行して、投稿スケジュールを作成します。
ペルソナのイメージを参考に、投稿する内容を曜日ごとに決めてみましょう。

スケジュールを立てることで、どれくらいの期間でコンテンツを作成しなければいけないかという目標が立てられます。また、決まった時間に投稿することで、投稿を見てくれるフォロワーの習慣として定着しやすくなるので、投稿時間を同じに定めましょう。

またソーシャルメディアへの投稿について、「80-20ルール」というものがあります。
これは、全体の投稿のうち80%を視聴者への情報提供や教育、娯楽といった内容に、残りの20%を自社の宣伝にするというルールで、SNSの運用に効果的だと言われています。
このルールにもとづくと、週5回の投稿なら自社の宣伝は1,2回にしておくことをおすすめします。

 

戦略を評価し、運用して調整する

ここまでSNS運用に関する戦略が決まれば、それを改めて評価して必要に応じて調整します。
まだ運用が始まっていない段階で評価するのは難しいかもしれませんが、新たに判明した調査結果やアイディアなどがあれば戦略を調整して仕上げましょう。

実際にSNSの運用が開始すれば、目標と照らし合わせて戦略がどのように機能したか評価することができます。
FacebookアナリティクスTwitterアナリティクスInstagramインサイトなど無料の分析ツールや有料ツールなどを使用し、パフォーマンスの分析を行います。自社のアカウント・サイトへのアクセス数や投稿のインプレッション率などを参照して、戦略を評価し改善点が考えられれば随時調整していきましょう。

SNSの運用では、戦略を立てたらそれをテストし、結果を評価して戦略を練り直し、また再びテストして再評価するといった繰り返しが重要です。
考え抜いた戦略に慢心することなく、必要に応じて臨機応変に戦略を組み立て直すようにしましょう。

 

まとめ

世界中で次々に新しいソーシャルメディアが誕生し、流れの変化の激しいソーシャルメディアの運用は正直いって時間と手間がかかる大変な作業です。しかし、ソーシャルメディアを効果的に活用し顧客との繋がりを保つことは今後世界で生き残るには必須となっています。顧客との信頼関係を構築するためにも、しっかりとSNS戦略を立て、計画的に運用していきましょう。

FacebookやInstagramは海外デジタルマーケティングにおいて必要不可欠ともいえる媒体です。SNSを活用したグローバルマーケティングでお困りのことがございましたら、ぜひ私たちにお申し付けください。

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吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。