グローバルYouTubeマーケティング必勝法
~成果に繋がる8つのキーポイント~
2021年4月7日、世界経済フォーラム(World Economic Forum)が「グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット」をオンラインで開催、YouTubeのCEO Susan Wojcicki氏が登壇し世界を魅了する動画プラットフォームとしてYouTubeの取り組みやアルゴリズム、政府の動画取り締まりについてなどの見解を述べました。
2005年に創業者であるジョード・カリム氏が投稿した「Me at the Zoo」から始まった動画ウェブサイトは、初めて動画が投稿されてから16年、巨大動画共有プラットフォームへと成長しました。
最新の統計によると2021年において世界中に20億人以上のユーザーが存在し、それぞれのユーザーは少なくとも月に1回以上はYouTubeサイトにログインすると定義されています。このユーザー数という指標において、YouTubeよりも上位に位置するのはFacebookだけです。さらに付け加えると、WhatsAppの自動再生機能を用いるとGoogleアカウントを使用せずにYouTubeを視聴できるため、表に現れない実際のYouTube閲覧数はもっと高いのではないかと言われています。(ちなみに、WhatsAppのユーザー数は世界中で20億人。)
<YouTubeに初めて投稿された動画>
世界中を横断するYouTubeは、数えきれないほどのマーケティング機会を創出しています。そのため、YouTubeを効果的に活用して日本から海外に向けたデジタルマーケティング施策に取り入れることは企業を成長させるための大切な第一歩になるでしょう。
しかしながら、毎分500時間以上の動画がアップロードされている現在。せっかく動画を作成してYouTubeに投稿してもすぐに多くの動画に埋もれてしまい、動画マーケティングに取り組む多くの企業やクリエイターが早々に諦めてしまうケースが多いようです。そう、効果的なYouTubeマーケティングは、やはり簡単ではないのです。
そこで今回は、海外ユーザーに自社の魅力を届けるための「YouTube海外マーケティングの極意」をご紹介します!
Step 1 : ビジネスアカウントを開設する
通常YouTube動画を作成する際は、Googleの個人アカウントが割り当てられます。この時、個人の名前でログインをしてYouTubeのアカウントを取得する方は多いでしょう。これでも間違いではないですし動画をアップロードすることは可能です。
しかし、個人的な動画ではなくビジネスの動画をアップする場合は「(企業の)ブランドアカウント」を開設しましょう。「ブランドアカウント」は社内の複数の方がアクセスすることができる他、複数のチャネルを開設することができます。ビジネス用にしておくだけで、効率良く動画を作成し編集ができるのでビジネスの成長に合わせても使いやすくなりオススメです。
「ブランドアカウントの開設」はこちらの記事をご覧ください。
Step 2 : 競合他社をYouTubeを調査する
ベンチマークする企業のYouTubeを分析することは、自社に不足している要素を洗い出すとともに、新しいコンテンツの切り口を見つけることに直結します。市場でどのような動画が人気なのか、どんな工夫をしているのか把握するのです。
まずは3~5の競合他社を見つけ、登録者数や視聴者数などの指標を調べるとともに、動画タイトルや説明(ディスクリプション)もチェックします。そして、コメントしている視聴者の声なども参考にして動画視聴者が求めるものを見つけましょう。この視聴者の声は、自分たちが動画コンテンツを作る際のエッセンスになります。
- どの動画が多くの視聴回数やエンゲージメントを獲得していますか?
- どういった検索キーワードを狙っていますか?
- 文章を通じて視聴者にどのような対応をしていますか?
- ディスクリプションのなかでウェブサイトにどうやって誘導していますか?
Step 3 : お気に入りのYouTubeチャンネルを見つけて、学ぶ
このチャンネルは「何だか見てしまう、魅力がある」という場合、そこに人の興味に訴えかけるなにかが存在します。自分でもついつい見てしまうYouTubeチャンネルにはどんな魅力があるのでしょうか? そして動画の作り方や見せ方に注目をして、どうして自分はこの動画に魅了されているのか、テクニックやフォーマットを少し分析してみましょう。
ちなみに、私のおすすめ動画をご共有します!
自社のサービスと全く関係のないチャンネルであったとしても、学べるテクニックはふんだんにあるでしょう。最新のトレンドYouTubeビデオも参考になります。
- 映像はどんなストーリー展開ですか?
- 動画の長さはどのぐらいですか?
- その動画からどんなメッセージを受け取りますか?
伝え方は様々ありますが、ユーモアを含め、魅力的なストーリーをもってメッセージを伝えましょう。
Step 4 : 動画を最適化して視聴回数を増やす
せっかく良い動画を作っても、観てもらえなければ意味がありません。
動画をいかに最適化して視聴回数を増やせるかは大きな目標でもあり、そのために対策する必要があります。動画の結果は「タイトルやキーワード、説明(ディスクリプション)」などさまざまな要素でランク付けされるなど、YouTubeのアルゴリズムが大きく関わってくるのです。
YouTubeで動画を視聴する人の多くは、YouTubeアルゴリズムによって評価された「おすすめ動画」を視聴しています。また、B2B企業の意思決定者の50.9%が商品やサービスに関する調査をYouTubeで行っています。
以下の視聴回数を増やすための方法を実行してみましょう。
- タイトルにキーワードは入っていますか?
- 目立つサムネイルですか?
- ディスクリプション(動画説明文)にキーワードを豊富に含めていますか?
- 「カード・終了画面・透かし機能」を追加していますか?
- 視聴者に「いいね」「共有」「チャンネル登録」を促していますか?
Step 5 : フォロワーを惹き付ける、YouTubeチャンネル最適化
ユーザーが自分の動画を見つけやすくするには、YouTubeチャンネルの最適化がポイントになります。視聴者が動画を観て満足することがフォローに繋がりますし、チャンネルのフォロワーが増えれば上位に表示されやすくなります。
<YouTube: digital marketing optimization >
まず、YouTubeのプロフィールを充実させ、重要なキーワードを豊富に入れたチャンネル概要を作成しましょう。その際に、チャンネルアイコンやチャンネルアートなど使える機能を駆使します。自分たちのウェブサイトへの導線はもちろんのこと、ソーシャルメディア・SNSへのリンクを追加すれば、興味を持ったユーザーがクリックしてくれる可能性は高くなります。さらに、次回動画の予告編を追加し、公開済動画を再生リストに整理するなど、フォロワーやユーザーに継続的に自分の動画を視聴してもらえるような工夫も大切です。
- チャンネルプロフィールは完成していますか?
- チャンネルの説明文は最適化されていますか?
- チャンネルアイコンはブランドコンセプトにマッチしていますか?
- 自社への誘導リンクや、ソーシャルメディア/SNSリンクは配置されていますか?
- 予告編動画は作っていますか?
- 公開動画の再生リストは整理されていますか?
- キャプションと翻訳を追加していますか?
Step 6 : YouTube広告を試す
YouTube広告を効果的に運用・配信することで、今までリーチすることができなかった海外ユーザーにも自社/自分の動画を視聴してもらうことができるでしょう。YouTubeの広告収入は2020年の第3四半期には50億ドル以上に達し、前年比32.4%の成長を見せました。
しかし、YouTube広告配信には費用がかかることに加えて、広告クリエイティブとして使用する動画のクオリティが低い場合、思うような成果が得られないことが起こります。YouTube広告を利用する場合には、海外デジタルマーケティングに精通した企業に一度相談しターゲットにローカライズした動画構成になっているかなどを確認した上で活用するのが望ましいでしょう。
Step 7 :YouTubeインフルエンサーとコラボレーションする
インフルエンサーとコラボレーションすることは、YouTubeでより多くの視聴者にリーチするための最善の方法の1つといえるでしょう。
YouTubeチャンネル登録者の60%は、お気に入りのクリエイター(インフルエンサー)の「買い物アドバイス」に従う傾向があると言われています。明確なキャンペーン目標を確立し、フォロワーが多いアカウントではなく、目標を達成するのに最適なインフルエンサーとコラボレーションを行いましょう。
世界で最も活用されている検索エンジン「Google」とYouTubeは、同じ米アルファベット社傘下のプラットフォームです。YouTubeコンテンツは、他の種類のソーシャルメディア・SNSやインフルエンサーコンテンツよりもGoogleの検索結果で上位に表示されます。YouTubeのインフルエンサーと協力して、特定の検索用語でより強力な視聴地盤を築くことができるでしょう。
Step 8 : データを分析して、適応する
視聴データの分析は、ビジネスチャンスを特定し顧客との接点であるYouTube動画の品質を向上させる上でとても重要な役割を果たします。
「データ主導の意思決定を行わない企業は、マーケティングROIの15%~20%の損失がある」と言われるほど、データ分析は的確なマーケティングに必要なことは言うまでもありません。
- その動画で何が起こったか(過去の視聴データの把握)
- 今何が起こっているのか(現在の視聴傾向の把握)
- 今後何が起こるのか(今後の視聴見込み数の推測)
- パフォーマンス向上のための注力ポイントの明確化
- (実施する場合)YouTube広告予算の合理化
YouTubeアナリティクスなどのデータ分析とともに、視聴者のコメントを解析し、さらに良い動画作成のために役立てて日々進化していきましょう!
企業が作成するべき「海外向けYouTube動画」の種類とは?
「お客様の声」
潜在顧客は、既に製品を試した人の声(口コミ・レビュー)を求めています。ウェブサイト上に存在するテキストベースの事例記事に比べて、動画コンテンツはレビュー内容を配信するために強力な影響力を持っています。
顧客の声は高価なグラフィックやアニメーションを含める必要がなく、シンプルな顧客の声を集めるだけで良いことも大きな利点の1つとなるでしょう。
新規顧客に対して自社のビジネスや商品を紹介するためには、「HowTo動画」は優れた方法の1つです。顧客に対しての認知度を高めるためによく使用されます。また、ソーシャルメディア・SNSやメールに添付するなど、他のマーケティング施策と組み合わせて幅広く活用することが可能です。
動画が取り扱うトピック・分野におけるリーダーや専門家へのインタビューは、企業の信頼性を高めることができます。
B2Bビジネスは、業界によっては、しばし閉鎖的な印象を生み出します。「企業の文化・ミッション・従業員の個性や価値観」を動画コンテンツとして創造することで、ブランド認知を高め、親しみを与え、顧客とのより良い関係構築をサポートしてくれるでしょう。
専門家会議や博覧会、展示会での様子は企業の信頼性や権威を高め、他社との差別化を行うことができるでしょう。
ウェビナーは、動画に期待できる効果が幅広いコンテンツです。「ブランド認知度の拡大」から「潜在顧客へのアプローチ」「商品購入への後押し」など、実質的にあらゆるマーケティング目標に対して活用することができます。ウェビナーは開催後もコンテンツとして再利用でき、ブログ投稿・ランディングページ・ソーシャルメディア/SNSへの投稿など他のマーケティング施策との連動性・ROIは特筆すべきものがあります。
まとめ
マーケティングチャネルの多様化が進んでいるなか、今後動画からウェブサイトへのトラフィックは増加していくだろうと言われています。ただYouTube動画を作成するだけでなく、海外ユーザー獲得に向けて適切なマーケティング戦略に紐付けることで、その効果は倍増するといえます。
海外ユーザーの心に響く動画コンテンツ制作やグローバル動画マーケティングにご興味がありましたら、ぜひ私達にご相談下さい!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。