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2017年10月24日

アジア美容業界国別オンライントレンド分析
<前編---英語圏・韓国>

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■アジア向け化粧品販売・ヘアケア販売で、勝機をつかむ!
前回の記事「アジアにおける国別化粧品輸入傾向を徹底比較!」の内容からも、ここ数年、日本の化粧品業界が一体となって訪日外国人(インバウンド)の需要を取り込んで成長を実現してきた結果、特にアジアでは日本ブランドの化粧品は質が高いというイメージがすでに定着していることが分かります。つまり国内市場がシュリンクしていく中にあっても、しっかりと市場を分析してアジア向け化粧品販売・ヘアケア販売に舵取りすることで、勝機をつかめるはずです。

そこで今回から2回にわたり、今後のアジアにおけるwebマーケティング戦略のヒントとするべく、コスメ関連のwebサイト(英語ページ)における輸入元やサイトの訪問者の傾向、コスメ関連のキーワードが出現する主要なSNSとその割合を分析していきたいと思います。なお今回も、記事内での「アジア」は香港、インドネシア、韓国、タイを対象にしています。

■英語圏では、年齢にかかわらずスマホでコスメ関連の情報を検索している
今回は、グローバル企業として知名度が高い化粧品メーカーの中でも、多言語に対応し各国での認知度も高く訪問者数が比較的多い「エスティローダー」のサイトを基準に分析してみました。

まずは、同サイトへの流入元の傾向を見ていきましょう。最も多かったのが検索エンジンから(Search)の45.46%、次がブックマークやURLの打ち込み(Direct)で31.25%。以降はほぼ横並びという結果でした。対象国はアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、シンガポール、マレーシア(以降、英語圏と表記)で、国によって数値は若干変動があります。

年齢の割合はアンノウン(不明)が多いものの、それ以外が3%と2%なので、若者から65歳以上まで年齢による偏りなくサイトを見に来ていることが分かります。英語圏では“美に対する意識”が年齢に左右されないということでしょう。

デバイスによる傾向も調べてみました。すると90%以上がモバイル(Mobile=スマホ)で、4%がPC(Desktop)、6%がタブレット(Tablet)という結果に。ネットサーフィンをしている人が20人いるとすると、PCで見ている人は1人しかいない計算です。

この“PCで見ている人”は、帰宅後の自宅ではなく日中の仕事中に見ているのではないでしょうか。この結果を見て私は「PCから見ている人が比較的多いな」と感じました。現代はそれほど、モバイルでサイトを閲覧している人が多いのです(ちなみにタブレットはモバイルサイトで表示されているケースが多いです)。

■英語圏ではスキンケアの需要が高まっている
下の円グラフは、英語圏を対象に、化粧品(コスメ)の中でも「ヘアケア、ヘアカラー、ヘアスタイリング、スキンケア、パーマ」という単語での検索回数がどれくらいあったのかを調べたものです。

一番多かったのは「スキンケア」の49%で、ほぼ半数を占めました。そして「ヘアカラー」が27%、「ヘアケア」が18%……と続きます。

かつては素顔が想像できなくなるほどバッチリメイクをして「盛ってナンボ!」というような風潮でしたが、ここ数年は特に欧米諸国(英語圏)でのスキンケアの需要が高まっており、エスティローダーのCEOも「化粧品=スキンケア商品、という感覚になってきている」、「スキンケアをちゃんとすることこそメイクアップだ」と話されています(私もまさにその通りだと思います)。

特に英語圏の先進国では、スキンケアの需要が高まっている背景に、健康や食べ物に対する意識の高まりがあると思われます。“スキンケア”という言葉には、化粧品を塗るだけでなく体の内側からケアすることも含まれると認識されてきいているのでしょう。ヨガなども含め、それらがすべて「化粧」の一環になってきているようです。

■英語圏で新規参入するなら「パーマ」がねらい目
下図は、英語圏において、検索エンジンマーケティングをした時のキーワード(ヘアケア、ヘアカラー、ヘアスタイリング、スキンケア、パーマ)のクリック単価(CPC)と、競合(どれくらいそのキーワードが買われているか)のデータを可視化したものです。円の面積が大きいほど検索ボリュームが大きく、右へ行くほど競合が多く、上へ行くほどクリック単価が高くなります。

これを見ると、「スキンケア」は一番競合が多い=人気が高く(検索ボリュームがあり)、クリック単価も高くなっています。つまり「スキンケア」のビジネスを英語圏で新たに展開していくのは、かなり厳しいでしょう。

「ヘアカラー」と「ヘアケア」は、検索ボリュームがそこそこあり、検索ボリューム的にはあまり違いはありませんが、クリック単価で見ると「ヘアカラー」のほうが100円以上高いのが分かります。しかしどちらも競合は比較的少ない。これは「ヘアカラー」のサービスとしての単価が高く、クリック単価が高くてもビジネスをやっていける商材であることが関係しているかもしれません。「ヘアケア」もそれに近いイメージなのでしょう。

検索ボリュームが圧倒的に少ない「ヘアスタイリング」については、競合はあまりいないものの、「パーマ」よりもクリック単価は高いという状態です。

以上の内容から、もしこの中で新規参入しようとするなら、競合がほとんどいなくてクリック単価も低く、それでいて検索ボリュームはそれなりにある「パーマ」が良さそうです。

■英語圏ではInstagramが一人勝ち! Redditの動向も注視
英語圏を対象にヘアケア系のブランド名やコスメ関連のキーワードが出現しているSNSを見てみましょう。下の一覧は、出現数が多い順に並べたものです。

最も多いのはInstagramの45%で、1人勝ちですね。写真メインのSNSなので、髪型やメイクについて投稿しやすいのが要因かもしれません。Twitterもそこそこ多くて30%。それをYouTubeとRedditの6%が追っています。

注目はRedditですが、これは「米国版2ちゃんねる」と評されることもある質問形式のSNSで、ここ最近スゴイ勢いでユーザーが増えているので、今後はシェアががらりと変わるかもしれません。

■韓国では、若者がスマホでコスメ関連の情報を検索している
次に、アジアの美容大国・韓国について分析していきましょう。下のグラフもエスティローダーのサイトで計測したものですが、韓国もやはり検索エンジンからの流入率が高く、約8割とダントツです。SNSなどで紹介された記事などのリンクをたどってサイトを訪れる人も多いようですね。

またサイトを見に来ている人の年齢を調べてみると、英語圏では年齢にほとんど差がありませんでしたが、韓国では若い人が顕著に多くなっています(アジアでは、むしろこれが普通でしょう)。

デバイスによる傾向も英語圏と同様に調べてみました。するとPCが英語圏よりも少し多く12%、モバイルが85%という結果に。やはり韓国でも、ほとんどの人がスマホでサイトを閲覧しているようです。

■韓国の若者は“見た目重視”だが、ヘアケアへの興味は薄い?
下の円グラフは、韓国を対象に、化粧品(コスメ)の中でも「ヘアケア、ヘアカラー、ヘアスタイリング、スキンケア、パーマ」という単語での検索回数がどれくらいあったのかを調べたものです。

韓国もやはり「スキンケア」の需要は高く38%でしたが、英語圏よりは少なくなっています。

特徴的なのは、英語圏では1%しかなかった「ヘアスタイリング」が韓国では最も多く43%を占めていたこと。また逆に、英語圏で高まりつつある「ヘアケア」への意識は薄く、たったの2%でした。“見た目重視”で美の基準がしっかりと定まっている一方で、根本的なケアにはあまり興味がないようです。

■韓国でも「パーマ」に勝機あり!?
英語圏と同様、検索エンジンマーケティングをした時のキーワードのクリック単価(CPC)と、競合のデータも可視化してみました。

これを見ると、最も検索ボリュームが大きく競合も多い「ヘアスタイリング」は、英語圏と比較するとクリック単価が10分の1程度とかなり安くなっています。最もクリック単価の高い「スキンケア」でも50円ほどで、需要(検索ボリューム)は大きいのに英語圏よりも競合が少なくなっています。また「ヘアスタイリング」は、圧倒的多数の企業が競合として存在し、商品がたくさん出ていることが分かります。

ちなみに韓国でもやはり「パーマ」は、それなりに検索ボリュームがありながらもクリック単価が安く、しかも競合が少ないので、ビジネスチャンスは「パーマ」関連にあると言えるでしょう。

■韓国のSNSはやはりNAVERが強い
最後に、韓国でヘアケア系のブランド名やコスメ関連のキーワードが出現しているSNSを出現数が多い順に並べた一覧を見てみましょう。

こちらも英語圏と同じようにInstagramが27%と最も多く、Twitterも25%と同じくらいという結果になりました。ただしLINEでお馴染みのNAVERの人気がとても高く、「NAVER cafe」(cafe.naver.com)と「NAVER ブログ」(blog.naver.com)、「知識 iN」(kin.naver.com)を合わせると37%となり、TwitterやInstagramを余裕で抜いてダントツの割合になりますから、これは侮れません。

次回は<後編—タイ・インドネシア・香港>をお届けします。こちらもお見逃しなく!


本田 斉大 / Masahiro Honda
1987年大阪生まれ。同志社大学統計科学研究室学士課程卒業後、
SIerに入社。システムエンジニアとして大手化粧品会社の
ECサイト運用保守に携わる。ECサイトのポイント戦略とO2O
マーケティング戦略を学び、後に株式会社インフォキュービック
ジャパンに入社。中小企業から大企業における、国内&国外向けの
多くのアカウント運用を通じ、海外向け配信のポテンシャルと
可能性の大きさを知る。現Digital Marketing Teamの事業部長として
SEM事業の再建と海外向け配信に特化したチーム育成と体制の強化、
海外メディア開拓に従事する。

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執筆者プロフィール


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インフォキュービック・ジャパン  広報担当

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