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2020年09月30日

東南アジアにおけるSNS市場の変化
最新トレンド「チャットアプリマーケティング」

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今回は東南アジア主要6カ国(タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン)におけるSNSマーケティング施策における各国の特徴や、市場変化など東南アジアにおける最新トレンドについて解説します。東南アジアでビジネスを展開したいと考えているもしくは既に展開しているがどういったマーケティング方法が有用かわからないといった方の少しでもお役に立てば幸いです。

 

東南アジアビジネスに必要不可欠なSNSと各国の特徴

まずは東南アジア市場を知るために、主要6カ国でのインターネットの状況と最新のSNSの使用状況を見ていきます。比較しやすくするために、日本も表に含めています。
以下は、HootsuiteによるDigital Report 2020のデータをもとに弊社で作成した資料です。

 SNS利用人数

日本ではアクティブSNSユーザーの割合は、総人口に対して65%となっています。
これを基準と考えると、インドネシア以外の国ではアクティブSNSユーザー数の割合は日本よりも高く、タイ・マレーシア・シンガポールでは総人口の約80%もの人がSNSを使用しています。
タイ・マレーシア・フィリピンに関しては、インターネットユーザーの割合とアクティブSNSユーザーの割合がほぼ同率であるため、インターネット使用者はほぼ全員SNSを使用していることになります。

インドネシアは、東南アジアの中でも圧倒的に人口が多く、インターネットユーザーの割合が64%、アクティブSNSユーザーの割合が59%と、割合だけに注目するとまだまだ低いですが、月間160Mの人がSNSを使用し、毎年12Mもの人が新たに使い始めているため大きなポテンシャルがあります。

SNSの使用時間

1日にSNSに費やす平均時間は、日本では45分に対し、東南アジアすべての国で2時間以上の使用が見られます。
特にフィリピンとインドネシアでは脅威の3時間半!
これだけの長い時間ソーシャルメディアに触れていることを考えると、ソーシャルメディア上でのコンテンツがユーザーの企業の印象に大きな影響を与えているといえます。企業サイトを作りこんだりするよりもSNS運用や広告でコンテンツを作り込みSNSでのアプローチを重要視すべきだと言えるでしょう。

POINT

SNS利用人数が右肩上がり。
SNSの使用時間が日本の4倍にも上る東南アジアでは、企業イメージはSNS上で作ることが最優先!

 

東南アジアで人気のSNS媒体


check Facebook

日本ではビジネス利用のみの印象が強いFacebookですが、東南アジアではすべての国で80%以上もの人が使用するほど生活に欠かせない媒体となっています。特にタイ、ベトナム、フィリピンではネット利用者の90%以上の人がFacebookを使用しているほどFacebook大国です。
携帯キャリアが安価で、しかも無制限に特定のSNSサービスを利用できるプランを提供している国が多いことが利用者を押し上げている要因のひとつと言えます。

SNSをビジネスで活用している割合は、日本ではわずか15%に対して、東南アジアでは平均50~60%と高水準でSNSの積極的なビジネス活用が顕著になっています。東南アジアにおいては、プライベートとビジネスの明確な線引きはあまり無く、プライベートの時間にFacebookを通してオンラインレッスンを行ったり、オンラインショッピングを楽しんだり、ビジネスプラットフォームとして中古品を個人間で売り買いしたりなどシームレスに使用されています。

東南アジアにおいて、Facebookをマーケティングに活用しやすい理由は「エンゲージメントの高さ」にあるといえます。
日本ではFacebookの投稿や、広告に対して平均2回/月のエンゲージメントを行うと調査結果が出ていますが、上記の国々では平均12回/月のエンゲージメントをするようです。特にタイやフィリピンでは平均17回/月と最も高く、施策をしっかりと打てば響くマーケットと言えます。反応が得られやすく施策のA/Bテストもしやすいと感じています。

check YouTube

日本では、最も使用率が高いYouTubeは東南アジアでもかなり高い使用率を誇ります。日本では、芸能人が続々とYouTube進出しており拍車がかかっているタイミングですが、東南アジアでも負けず劣らずユーザーを集めています。特に、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールではFacebookよりも使用率が高い、又は同等の水準となっており、ネット人口の85%以上が使用していることになります。

東南アジアでは「テレビ×SNS」として、テレビ番組と連動してYouTubeが活用されることも多いそうです。

check Instagram

FacebookとYouTubeには劣りますが、Instagramも多く使用されているSNSのうちの1つです。タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールでは第3位にユーザー数が多い媒体となっています。

日本と同じように東南アジアでもInstagramの映え文化が人気で、フォトジェニックでどちらかというと非日常的な一コマを強調する側面が強いです。東南アジアでのInstagramのユーザー層はかなり若いため(10代が多い)、企業マーケティングに使用する場合は、その年齢層に合った内容やキャンペーンをするようにしましょう。

Facebook広告をする際に、一緒にInstagramにも出稿するお客様が多いのですが、ベトナムだけInstagramでリーチが出ないので、とても興味深いです。ベトナムでは、InstagramではなくZaloというベトナム発のSNSが使われています。後程、「Zalo」については説明します。

インドネシアでは、インスタグラマーは”セレブグラム”というインドネシア独自のSNSの概念があります。「セレブグラム」という言葉は“セレブなインスタグラマー”を差しています。インスタグラマーの上位層は「ザ・お金持ち」といって分かりやすいお金持ちの写真をコンテンツとして投稿する傾向があるそうです。

check Zalo

ベトナムでは、ベトナム発のSNS「Zalo」が2番目に多く使用されています。Zaloは、音声通話、チャット、ライブ配信、ニュースフィードはもちろん、音声メッセージの送信やショッピング、乗車券・交通券予約、宿泊予約、銀行、各種料金(水道料金、電気料金、インターネット)支払い機能も無料で使用できます。ベトナム人は音声でコミュニケーションをとることが好まれる傾向にあるそうで、「5分間の音声メッセージを高速で送る」という独自機能は最大の強みといえます。この機能のおかげで、スマホで文字を入力することが苦手そうな人、例えば高齢者でも気楽に使うことができるSNSとなっています。

また、ZaloはPC版のアプリも提供しており、仕事で利用する人の割合が高いようです。ZaloのPC版アプリでのやりとりの内容は、他の携帯端末などと同期されるため、社内だけでなく他社と協力してプロジェクトを行う際にも気軽に使える連絡手段として活用されています。

一億人超えのユーザー数を誇るSNS『Zalo』とは?

check コンテンツ

これらすべての媒体において、インフルエンサーマーケティングが東南アジアにおいて最も効果的な方法の一つと言われています。
ニーズが多様化する今、各々の分野に精通したインフルエンサーを起用することで、企業はターゲットのユーザーに直接アプローチすることができます。

Di-marketing社が行ったベトナム人を対象にした調査によると、「インフルエンサーの広告を見た後、同じ商品を購入したことがありますか」という質問に対して、72%ものユーザーが「はい」と答えたそうです。また、回答者の61%はインフルエンサーがPRする商品に興味を持ち、インフルエンサーが出る広告の商品は信頼性が高いと答えているそうです。他の国でも同様な結果がでており、インフルエンサーをポジティブに捉える傾向があるため、東南アジアではインフルエンサーマーケティングは検討すべき効果的な施策と言えます。

POINT

東南アジアでのSNSマーケティングは“Facebook”と“YouTube”、そして”インフルエンサーマーケティング”

 

東南アジアにおける新型コロナの影響と市場変化

東南アジアで最も使われているSNS媒体や利用時間の説明をしてきましたが、これらに新型コロナはどう影響し変化したのでしょうか。

Gushcloud Internationalの調査によると、東南アジアユーザーは新型コロナウイルスの影響により在宅時間が長くなったことでSNSの使用時間も長くなったと63%が回答しています。また、58%の人がインフルエンサーによるコンテンツに触れる機会も同時に多くなったと回答しています。

企業とのコラボコンテンツを見る機会が増えることでネガティブ印象は増えそうですが、実際にはインフルエンサーコンテンツが増えることに対し、ネガティブなイメージを抱いている人はわずか19%のみで、他の大多数は実際に商品購入を検討したりする際に大変役立ったとポジティブに回答しています。このことからも東南アジア人にとって、これまで同様インフルエンサーを使用したマーケティングは効果的であり続けていることは分かります。

しかし、現在インフルエンサーが使用する媒体自体に少し変化が出てきています。同社の調査によると新型コロナの影響で東南アジアのインフルエンサー達も同様に在宅時間が多くなり、既に紹介したTop3のメジャーなSNS以外の新しいプラットフォーム、例えば、TikTokやFacebookのLivestreaming、Twitch、Podcastなどを開拓し始めているといいます。

現状ではFacebookとYouTubeが2強ですが、今後別の媒体が大きく伸びる可能性があります。また、インフルエンサーマーケティングのコンテンツの内容は、コロナ前は販促に繋げるものが多かったですが、例えばソーシャルディスタンスの重要性を解いたり、外出自粛を呼び掛けたり、家でできるエキササイズを紹介したりと、コロナと通して影響力のある人の責任が問われ、いわゆる社会にとって良いコンテンツ(Good for social)を発信するように社会から求められるように変化しています。

 

東南アジアの最新トレンド
SNSから1対1のチャットアプリマーケティングへ

東南アジアでビジネスをしていくにあたって、SNSマーケティングは外せません。しかし、日々東南アジアにおける動向を調査している筆者は、今後はSNSよりも「チャットアプリ」にも注目すべきと考えています。

Businessinsider.comによると2017年の時点で「チャットアプリのユーザー数はソーシャルアプリのユーザー数を超えた」というデータが出ています。これに伴いSNSを活用したマーケティングやSNSページから「遷移することなく購入できるEC手法」から今後は1対1の「よりパーソナライズドされたチャットアプリ」でのマーケティングにトレンドが移っていくように思います。

Facebook社も「Instagram Shopping」やFacebookの「Shopping機能」をリリースしましたが、将来的にはメッセンジャーがカスタマーサービスを担いメッセージ内で購入まで可能にすると発表しているように、ECの最終的な購買ポイントがメッセンジャーでという事例も多く出てきています。カスタマーサービスにおけるチャット対応は必須となりつつあります。東南アジアは日本と違って、若者の人口が多いため購買力がある20代30代そして今後の購買層となる10代はEコマースとの親和性が高くなっているため今後チャットアプリでのマーケティングは必須と言えます。

各国で異なる様々なチャットアプリ

日本でもっとも使用されているメッセージアプリはLINEで、ユーザー数は8,000万人にも上り、日本人の3人に2人が使う今や無くてはならない媒体です。LINE公式アカウント等で、ビジネス向けのサービスも充実しており、クレジットカード、コンビニエンスストア、提携銀行と連携したLINE Payで決済も可能になっています。

東南アジアでは、どのようなチャットアプリが使用されているでしょうか?
興味深いのは、東南アジアで使用されているSNSはFacebookとYouTubeの2強でしたが、隣国同士であるにもかかわらずメインで使用されているチャットアプリは各国様々であるということです。

【タイ】

タイは日本の影響が大きいためか、LINEを主に使用しています。ネットユーザー全体の84%もの利用率です。LINEがタイで普及した背景としては、タイの交通カードとLINE Payとの連携ができるようになったことがいつの要因と言われています。

例えばタイでは、販売者がインスタグラムに商品の写真を投稿し、その写真を見つけた消費者はLineを使って販売者に問い合わせることができるという例もあります。

【フィリピン・ベトナム】

フィリピン、ベトナムではFacebook Messengerが主要で使われています。
英語が公用語の一つであるためか米国アプリの影響が大きいようです。ベトナムに関しては、現状Top2のユーザー数を誇る「Zalo」の使用率が数年後にはFacebook Messengerを抜くと言われています。ベトナム人の84%は商品やサービスをインターネットで調べて購入するとのことで、そのうち59%はスマフォで購入した経験があります。商品についての問い合わせやカートなどのECサイトに必要な機能がZaloでは整っているためチャットアプリ内でのマーケティングが有効です。

【インドネシア、シンガポール、マレーシア】

インドネシア、シンガポール、マレーシアでは「Whatapp」が主要で使われています。これらの国では、Facebookの普及率は大変高いのに対して、Facebook Messengerの普及率は約60%前後に留まっているという特徴があります。インドネシアではプライベートチャットだけでなく、企業や店舗のカスタマーサポートにまでWhatsAppが使用されています。少し前まではインドネシアでは「ブラックベリーメッセンジャー(BBM)」がメインで使用されていましたが、現在ではWhatsAppに取って代わられたようです。
日本人のほとんどの人の携帯にLINEが入っているように、インドネシア人の携帯にはほぼ確実にWhatsAppアプリがダウンロードされています。カスタマーサポートや予約対応などでWhatsAppを活用している事例が多く出てきています。

POINT

主要なSNSマーケティングにさらに今後1対1のよりパーソナライズドされたチャットアプリでのマーケティングも盛んになってくると予想されている。

 

まとめ

今後も東南アジアではSNS利用者が増加傾向であり、Facebook・YouTubeは現在2強であること。コロナの影響でTikTokやLivestreamingなどの媒体へインフルエンサー進出が進み、またコンテンツ内容もエンターテイメント重視ではなく社会へ有用なコンテンツへ移行していること。SNSマーケティングと同様にチャットアプリマーケティングも重要視しておくべきこと。これらについてお話しました。

今度東南アジアをターゲットとする場合、SNS運用や広告で獲得してきたユーザーをチャットアプリに流し、チャットボットを使用したone to one のコミュニケーションによるパーソナライズドされた方法で刈り取っていく。こういった方法が効果的です。

 

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執筆者プロフィール


Kaita

宇佐美 海太 マーケティング部マネージャー

弊社の「デジタル x アナログマーケティング、コーポレートブランディング」を統括しています。東京生まれ、南欧育ち。ヨーロッパの生活は1年だけですが、人生が劇的に変わりました。自分を育ててくれた"日本と世界"への感謝を胸に、「日本と世界をつなげること」が生涯のテーマです。趣味はプロレス鑑賞・料理です。