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2022年04月20日

【2022年最新版】東南アジア・SNS市場の変化
~最新トレンドはSNSからチャットアプリへ~

東南アジアにおけるSNS市場の変化<br>最新トレンド「チャットアプリマーケティング」アイキャッチ画像

 

今回は東南アジア主要6カ国(タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン)におけるSNSマーケティング施策における各国の特徴や、コロナによって変化したSNS市場など東南アジアにおける2022年の最新データと共に最新SNSマーケティングのトレンドについて解説します!

東南アジアでビジネスを展開したいと考えているもしくは、既に展開しているがどういったマーケティング方法が有用かわからないといった方の少しでもお役に立てば幸いです。

 

目次

 

東南アジアビジネスに不可欠なSNSと各国の特徴

タイで人気のアプリ“Wongnai”って何?!

まずは東南アジア市場を知るために、主要6カ国でのインターネットの状況と最新のSNSの使用状況を見ていきます。比較しやすくするために、日本も含めています。以下は、Hootsuite「We are Social 2022」の最新データをもとに考察していきます。

ソーシャルメディアユーザーの割合

social media population south asia2022
<We are social 2022-ソーシャルメディアユーザー人口比率 赤枠は日本です。> 

日本の場合、人口1.25億人のうち94・0%がインターネットを利用し、81.1%がソーシャルメディアを利用しています。

以下はアジア主要6か国の人口に対するソーシャルメディアユーザーの比率が高い順に示したものです。

  1. マレーシア  人口:3298万人 ソーシャルメディアユーザー:91.7%
  2. シンガポール   人口:592万人 ソーシャルメディアユーザー:89.5%
  3. タイ   人口:7001万人 ソーシャルメディアユーザー:81.2%
  4. フィリピン   人口:1億1180万人 ソーシャルメディアユーザー:82.4%
  5. ベトナム   人口:9856万人 ソーシャルメディアユーザー:78.1%
  6. インドネシア   人口:2億7770万人 ソーシャルメディアユーザー:68.9%

ベトナムとインドネシア以外の国では、日本よりソーシャルメディアユーザーの割合は高く、マレーシアに至っては総人口に対するソーシャルメディアユーザーの割合はが、なんと「91.7%」と、世界第2位のユーザー数を誇っています。

インドネシアは東南アジアの中でも、圧倒的に人口が多く、2022年1月の時点で2億7770万人。さらに2021年~2022年の1年間で280万人増加(+1%)しています。ソーシャルメディアユーザーの比率は68.9%とまだまだ低いですが、インドネシアの人口の多さは、アメリカの次に多い、世界「第4位」に位置していることを忘れてはいけません。

POINT

現在、インドネシアにおけるインターネットユーザー数は2億470万人、ソーシャルメディアユーザーも1億9140万人存在していることを考慮すると、東南アジアの中でも非常に大きなポテンシャルのあるマーケットの1つであることが伺えます。

 

ソーシャルメディア利用時間


<We are social 2022-ソーシャルメディアの利用平均時間 – 赤枠は日本。見事に最下位!> 

東南アジアの人が1日にソーシャルメディアに費やす時間は非常に「長い」ことで知られています。日本は見事、最下位の平均利用時間は、1日「51分」!

(これでも2020年に比べて”6分”伸びました!「デジタル化、デジタル化」と言われていますが、世界的に見ても日本のソーシャルメディアの利用時間は圧倒的に「短い」ですね。)

以下はアジア主要6か国のソーシャルメディア利用平均時間が長い順に示したものです。

  1. フィリピン:4時間06分
  2. インドネシア:3時間17分
  3. マレーシア:3時間2分
  4. タイ:2時間59分
  5. シンガポール:2時間31分
  6. ベトナム:2時間28分

特に、フィリピン・インドネシア・マレーシアは脅威の3時間越え(ほぼタイも3時間)です。これだけ長い時間ソーシャルメディアに触れていることを考えると、ソーシャルメディア上でのコンテンツがユーザーに大きな影響を与えていると考えてよいでしょう。

このようなマーケットの場合、企業サイトを作り込んだりするよりも(回帰場所として企業サイトも重要ですが)、ソーシャルメディア運用や広告配信のコンテンツを作り込み、ソーシャルメディア上でのアプローチを重要視するべきであると考えます。

POINT

check 東南アジアにおけるソーシャルメディアの利用人数は右肩上がり

check ソーシャルメディアの「使用時間が日本の約4倍」にも上る東南アジアでは、企業イメージはソーシャルメディア上で作ることが最優先。

check これからデジタル施策をしたいと考えている企業は、まずソーシャルメディアからやってみる!

 

東南アジアで人気のソーシャルメディアは?

 Facebook

日本ではビジネス利用の印象が強いFacebookですが、東南アジアでは主要6か国全ての国で、生活に欠かせないプラットフォームとなっています。

特にタイ、ベトナム、フィリピンではネット利用者の90%以上の人がFacebookを使用しているほどFacebook大国なのです。携帯キャリアが安価で、しかも無制限に特定のソーシャルメディアを利用できるプランを提供している国が多いことが利用者を押し上げている要因のひとつと言えます。

以下はアジア主要6か国のフェイスブックユーザーを多い順に示したものです。

  1. インドネシア:1億2990万人
  2. フィリピン:8385万人
  3. ベトナム:7040万人
  4. タイ:5005万人
  5. マレーシア:2170万人
  6. シンガポール:355万人

 


<We are social 2022-ソーシャルメディアを仕事で利用する割合> 

またソーシャルメディアをビジネスで活用している割合は、日本ではわずか「6.5%」に対して、タイ・シンガポールを除く国では、「30%以上」の割合で仕事でも積極的なソーシャルメディアの活用が顕著にみられています。

一度東南アジアを訪れた方は容易に想像できるかと思いますが、東南アジアにおいては、プライベートとビジネスの明確な線引きはあまりありません。プライベートの時間にFacebookを通してオンラインレッスンを行ったり、オンラインショッピングを楽しんだり、ビジネスプラットフォームとして中古品を個人間で売り買いしたりなどシームレスに使用されています。

POINT

check 東南アジアにおけるFacebookのポテンシャルは高い!

東南アジアにおいて、Facebookをマーケティングに活用しやすい理由は「エンゲージメントの高さ」にあるといえます。日本ではFacebookの投稿や、広告に対して平均2回/月のエンゲージメントが得られるとの調査結果がありますが、東南アジアの国々では「平均12回/月のエンゲージメント」が得られるようです。

特にタイやフィリピンでは「平均17回/月」と最も高く、施策を戦略的にしっかりと打てば、「響く」マーケットと言えるでしょう。実際の施策をからも、反応が得られやすく施策のA/Bテストもしやすいと感じています。

 

 YouTube

日本でも多くのユーザーがいる「YouTube」は、東南アジアの国々でもかなり高い使用率を誇ります。特に、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールではFacebookよりも使用率が高い、又は同等の水準となっており、ネット人口の85%以上が使用していることになります。


<We are social 2022-YouTube広告でリーチできる割合> 

日本も多くのユーザーにYouTube広告でリーチできますが、やはり東南アジア主要6か国の多くもランクインしており、YouTubeのポテンシャルの高さを感じます。また、東南アジアでは「テレビ×SNS」として、テレビ番組と連動してYouTubeが活用されることも多いようです。

以下はアジア主要6か国のYouTubeユーザーを多い順に示したものです。

  1. インドネシア:1億3900万人
  2. ベトナム:6250万人
  3. フィリピン:5650万人
  4. タイ:4280万人
  5. マレーシア:2360万人
  6. シンガポール:508万人

 Instagram

Facebookには劣りますが、Instagramも東南アジアでは非常に多く利用されているソーシャルメディアの1つです。特にインドネシアでは人気が高く、WhatsAppに次ぐ2番目に多く利用されているソーシャルメディアであり、インターネットユーザーの84.8%がInstagramを利用しています。

マレーシア・フィリピン・シンガポールでは、3番目によく利用されるソーシャルメディアとなっています(タイ・ベトナムでは5番目)。


<We are social 2022 -インドネシアにおけるInstagramユーザーの割合> 

日本と同じように東南アジアでもInstagramの「映え文化」が若者に受け、フォトジェニックでどちらかというと非日常的な一コマを強調する側面が強い傾向にあります。東南アジアでのInstagramのユーザー層はかなり若いため(10代が多い)、企業マーケティングに使用する場合は、その年齢層に合った内容やキャンペーンをするようにしましょう。

POINT

check ベトナムはInstagramでリーチが出ない!

Facebook広告をする際に、Instagram広告も一緒に広告出稿を希望するお客様が多いのですが、実は「ベトナムだけInstagramでリーチが出ない傾向がある」ので、注意が必要です。(ベトナムでは、InstagramではなくZaloというベトナム発のSNSが多く利用されています。「Zalo」については、後ほど詳しくご説明します)

インドネシアでは、インスタグラマーは”セレブグラム”というインドネシア独自の概念が存在します。「セレブグラム」という言葉は“セレブなインスタグラマー”を差しています。インスタグラマーの上位層は「ザ・お金持ち」といって分かりやすいお金持ちの写真をコンテンツとして投稿する傾向があるようです。

 

zalo logo   Zalo

ベトナムでは、ベトナム発のソーシャルメディア「Zalo」が2番目に多く使用されています。Zaloは、2012年8月にリリースされて以来、コミュニケーションツールと情報の受発信の元として多くのベトナム人ユーザーに愛用されています。


<We are social 2022 -ベトナムで利用されているソーシャルメディア> 

機能は音声通話・チャット・ライブ配信・ニュースフィードはもちろん、音声メッセージの送信やショッピング・乗車・交通券予約・宿泊予約・銀行・各種料金(水道料金、電気料金、インターネット)支払い機能なども無料で使用できるソーシャルメディアです。また、東アジアで大手のECサイトLazadaと提携するなど、今でも日々成長をしています。

ベトナム人は音声でコミュニケーションをとることが好まれる傾向にあり、「5分間の音声メッセージを高速で送る」という独自機能は最大の強みといえます。(中国と似ていますね。)この機能のおかげで、スマホで文字を入力することが苦手そうな人、例えば高齢者でも気楽に使うことができ。

また、ZaloはPC版のアプリも提供しており、仕事で利用する人の割合が高いようです。ZaloのPC版アプリでのやりとりの内容は、他の携帯端末などと同期されるため、社内だけでなく他社と協力してプロジェクトを行う際にも気軽に使える連絡手段として活用されています。

一億人超えのユーザー数を誇るSNS『Zalo』とは?

 

新型コロナの影響とSNS市場の変化

東南アジアで最も使われているSNS媒体や利用時間の説明をしてきましたが、これらに新型コロナはどう影響し変化したのでしょうか。

Gushcloud Internationalの調査によると、東南アジアユーザーは新型コロナウイルスの影響により在宅時間が長くなったことで「ソーシャルメディアの使用時間が長くなった」と63%が回答しています。また、58%の人が「インフルエンサーによるコンテンツに触れる機会も同時に多くなった」と回答しています。

企業とのコラボコンテンツを見る機会が増えることでネガティブ印象は増えそうですが、実際にはインフルエンサーコンテンツが増えることに対し、ネガティブなイメージを抱いている人はわず「19%」のみで、他の大多数は「実際に商品購入を検討したりする際に大変役立った」とポジティブな回答しています。

このことからも東南アジア人にとって、これまで同様インフルエンサーを使用したマーケティングは効果的であると言えるでしょう。

変化するプラットフォームやコンテンツ

しかし、インフルエンサーが使用する媒体自体に少し変化が出てきているのも現状です。

同社の調査によると、新型コロナの影響で東南アジアのインフルエンサー達も同様に在宅時間が多くなり、既に紹介したメジャーなソーシャルメディア以外の新しいプラットフォーム、例えば、TikTokやFacebookのLivestreaming、Twitch、Podcastなどを開拓し始めていると言います。このように現状では「Facebookが東南アジアにおける最も強力なプラットフォーム」の1つと言えますが、今後「別の媒体が大きく伸びる可能性」もあることを忘れてはいけません。

また、インフルエンサーマーケティングのコンテンツの内容は、コロナ前は「販売促進」に繋げるものが多い傾向でした。しかし、新型コロナの影響によって「ソーシャルディスタンスの重要性を解説したり」、「外出自粛を呼び掛けるコンテンツ」や、「自宅でできるエキササイズ」を紹介したりと、コロナと通して『影響力のある人の責任』が問われるようになります。

コロナを機に、「販売促進」でなく、社会にとって良いコンテンツ、つまり『Good for Social』を発信するように求められるように変化してきています。

 

東南アジアの最新トレンド「SNS」から「チャットアプリ」へ

課題から導き出す海外向けソーシャルメディア運用における目標設定

冒頭でもお伝えした通り、東南アジアでビジネスをしていくにあたって、ソーシャルメディアマーケティングは外せません。しかし、日々東南アジアにおける動向を調査している筆者は、今後はソーシャルメディアと合わせて、「チャットアプリ」にも注目すべきと考えています。

Businessinsider.comによると2017年の時点で「チャットアプリのユーザー数は、ソーシャルアプリのユーザー数を超えた」というデータが出ています。これに伴い「SNSマーケティング」や「SNSページから遷移することなく購入できるEC手法」から、更に1歩進んだ、1対1の「よりパーソナライズドされたチャットアプリ」でのマーケティングにトレンドが移っていくように思います。

Facebook社も「Instagram Shopping」やFacebookの「Shopping機能」をリリースしましたが、将来的にはメッセンジャーがカスタマーサービスを担い、メッセージ内で購入まで可能にすると発表しています。実際にECの最終的な購買ポイントがメッセンジャーでという事例も、多く出てきています。また、カスタマーサービスにおけるチャット対応は必須となりつつあります。

東南アジアでは若者の人口減少が顕著な日本とは違い、若者の人口層が多く、今後も人口の増加が予想されています。つまり、非常に購買力がある20代30代そして、今後の購買層となる10代はEコマースとの親和性が高く、今後チャットアプリでのマーケティングは必須と言えるのではないでしょうか。

 

各国で異なる様々なチャットアプリ

日本でもっとも使用されているメッセージアプリはLINEで、ユーザー数は8900万人にも上り、日本人の3人に2人が利用するデジタルインフラの1つとなりました。

東南アジアでは、どのようなチャットアプリが使用されているでしょうか?詳しく見ていきます。

タイ

タイでは「Facebook」の利用率が93.3%と最も高いものの、「LINE」の利用率も変わらず92.2%と、Facebookとほぼ同等に多くのユーザーに利用されています。LINEがタイで普及した背景としては、タイの交通カードとLINE Payとの連携ができるようになったことが要因の1つと言われています。

フィリピン・ ベトナム

フィリピン:94.4%%、ベトナム:82.2%の割合で「Facebook Messenger」が主に利用されています。
英語が公用語の一つであるためか米国アプリの影響が大きいようです。

ベトナムでは、非常に多くのユーザー数を誇る「Zalo」の使用率が、数年後にはFacebook Messengerを抜くと言われています。商品についての問い合わせやカートなどのECサイトに必要な機能がZaloでは整っているためチャットアプリ内でのマーケティング施策が有効です。

インドネシア、 シンガポール、 マレーシア

インドネシア:88.7%、シンガポール:83.7%、マレーシア:93.2%の割合で、「Whatapp」が最も利用されています。また、Facebookの普及率は高いのに対して、Facebook Messengerの普及率は40%~60%程に留まっているという特徴があります。

インドネシアではプライベートチャットだけでなく、企業や店舗のカスタマーサポートにまでWhatsAppが使用されています。少し前まではインドネシアでは「ブラックベリーメッセンジャー(BBM)」がメインで使用されていましたが、現在ではWhatsAppに取って代わられたようです。

日本人のほとんどの人の携帯にLINEが入っているように、インドネシア人の携帯にはほぼ確実にWhatsAppアプリがダウンロードされています。カスタマーサポートや予約対応などでWhatsAppを活用している事例が多く出てきています。

POINT

checkチャットアプリを攻略も視野に

主要なSNSマーケティングにさらに今後1対1のよりパーソナライズドされたチャットアプリでのマーケティングも盛んになってくる可能性が大!

 

さいごに

今後も東南アジアではソーシャルメディア人口が増加する傾向にあります。新型コロナの影響でTikTokやLivestreamingなどの媒体へのインフルエンサー進出が進み、またコンテンツ内容もエンターテイメント重視ではなく「社会へ有用なコンテンツ」へ移行していることを忘れてはいけません。SNSマーケティングと同様にチャットアプリマーケティングも視野に入れておきましょう。

今度東南アジアをターゲットとする場合、SNS運用や広告で獲得してきたユーザーを、チャットアプリに流し、チャットボットを使用したOne to One のコミュニケーションによるパーソナライズドされた方法で刈り取っていく。こういった方法も検討する必要があるでしょう。

 

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

当社の「コンテンツマーケティング(企画・記事執筆)、メールマーケティング」を担当しています。オーストラリアの永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。「愛のあるコンテンツ作成」がモットーの一児の母です。趣味はランニング・ヨガ・料理・読書。