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2023年11月16日

韓国で人気のSNS「カカオトーク」とは?
~LINEとの違い・便利機能・連携アプリを解説!~

韓国で人気のSNS、カカオトークとは?

こんにちは!韓国人スタッフのチェです。

日本でコミュニケーションツールとして良く使われているアプリと言えば、緑色の吹き出しがお馴染みの「LINE」ですよね。多くの方がご存知の通り「LINE」は、韓国最大のインターネット会社NAVERの100%子会社として日本で設立されました。

日本におけるLINEの月間ユーザー数は、8900万人を超え(2022年2月)、日本の人口に対して70.7%が利用しています。また、16歳~64歳のインターネットユーザーの「最も利用するソーシャルメディア」として、約80%近くの人がLINEを挙げるほど、日本人の多くはコミュニケーションツールの1つとしてLINEを日常的に利用しています。

しかし、実は、LINEの親会社がある韓国では、LINEのシェア率は年々下落していて、16歳~64歳のインターネットユーザーで、1か月にLINEを利用している人は18%程度にとどまっているのが現状です。韓国で「最もよく使うソーシャルメディアは?」の質問に「LINE」と回答した人は、たったの18%という結果に。


<We are social _Digital 2023 Southe Korea_カカオトークとの差は歴然です>

地理的距離も近く文化的に類似点も多い韓国ですが、日本とはソーシャルメディア・デジタル事情は大きく異なります。そんな韓国で最も利用されているソーシャルメディアは、黄色いマークが特徴の「カカオトーク」です。日本人にはあまり馴染みのないカカオトークですが、韓国ではLINEと同様に、日常的に利用するアプリの1つです。

今回は、韓国で絶大な人気を誇る「カカオトーク」の機能やLINEとの違いについて詳しくご紹介したいと思います。

目次

 

韓国で人気のSNS「カカオトーク」とは?

韓国メッセンジャーアプリ「カカオトーク」とは? ~「カカオトーク」の基本から番外編まで~_KV

「カカオトーク」はスマホ向け無料通話及びモバイルメッセンジャーアプリケーションとして2010年3月にリリースされました。カカオトークを開発した株式会社 iwelab は、2014年5月に韓国でポータルサイトNo.2の Daum と、2018年には LOEN と合併しています。

2014年5月の時点のカカオトークのダウンロード数は、5億件を突破し、2023年1月時点で月間アクティブユーザーは4760万人を超えています。韓国の人口が5178万人であることを考えると、およそ人口の約92%がカカオトークを利用している計算となります。

メッセージの一日平均送受信件数は110億件に上り、韓国のモバイルユーザーの多くがショートメッセージサービス(SMS)の代わりにカカオトークを利用しています。また、ユーザー数の割合は韓国国内と海外が約「8対2」の割合で、海外より韓国内で広く使用されています。

世界中で最も多くのユーザー数を抱えるFacebookですが、2023年1月の韓国のユーザー数は960万人、Instagramのユーザー数が1925万人であったことを考慮すると、カカオトークの人気がご理解いただけると思います。

 

ビジネスにカカオトークを活用するには?

カカオトークは、個人にはもちろんのこと、「企業⇔個人」のコミュニケーションツールとして、さまざまな機能を提供しています。

企業が韓国のユーザーと繋がる方法としては、カカオトークの「ビジネスアカウント」を立ち上げることができます。ビジネスアカウントを立ち上げることで、自動メッセージの送信やカスタマーサービスツールの設定など、企業とユーザーが繋がるための多数の機能が実装されています。

ビジネスアカウントから企業のウェブサイトや eコマースプラットフォームなど外部にリンクすることもできるため、集客ツールとしても活用することができたり、顧客グループを作成して特定のユーザーのみにメッセージを送ったりと、企業にとって韓国ユーザーとのコミュニケーションを取るための優れたツールの1つです。ビジネスアカウントを作成することで、カカオトーク内に広告出稿が可能になります!

 

 

「カカオトーク」基本の7つの機能

カカオトークとは?LINEとの違いは?

それでは、カカオトークの主な機能についてご紹介します。

無料チャット機能

リアルタイムで1:1またはグループチャット(トーク)が楽しめ、写真や動画、連絡先などが簡単にやり取りできます。WindowsやMacOSでも利用可能です。

音声通話・ビデオ通話・トークライブ

無料で音声及びテレビ電話が楽しめます。キャラクターのエフェクトやフィルターなどを変わった機能が満載です。最大5人まで同時に通話ができるグループ通話も可能で、LINEと似たような機能や「グループ通話」のようにカカオトーク独自の機能も実装されています。

プロフィール

プロフィールを作成し、自分自身を表現することができます。さまざまなツールを活用して、自身のプロフィールを装飾することができます。友達のプロフィールに反応を送ったりすることも可能です。

トークカレンダー

さまざまなイベントをトークカレンダーに保存して、振り返ることがきます。トークカレンダーでは登録したスケジュールのリマインドを受け取ることもできます。

カカオトークの機能トークカレンダー

オープンチャット

友達登録することなく新しい友達を見つけて、簡単にチャットをすることができます。共通のテーマでのチャットを楽しんだり、名刺代わりにも活用されています。

#(シャープ)検索

テキスト入力欄の横にある「#Search」を使用して検索したい言葉を入力すると、ポータルサイト「Daum」の検索結果が表示されます。

人物やニュース、イメージ、サイトなどの検索結果をまとめて見ることができます。チャット中に調べ物をしたい時にわざわざ検索アプリを立ち上げることなく、その場で検索できるのはとても便利で、さらに、カカオトークの「💭」マークをクリックすると検索結果をトークルームに共有できます。

スタンプ送信

スタンプの種類は「動くスタンプ」と「喋るスタンプ」があり、気分によって使い分けできます。また、カカオトークのキャラクターである「カカオフレンズ」や、他にも充実したスタンプを送信してチャットが楽しめます。アイテムストアでテーマやスタンプを購入したり、友達にプレゼントすることもできます。

韓国メッセンジャーアプリ「カカオトーク」とは? ~「カカオトーク」の基本から番外編まで~
<参照元:namuwiki-「カカオフレンズ」のキャラクターは商品化され、専用のショップもあります。韓国国内のみならず、海外からの人気も高く、食品メーカーや生活用品メーカーとのコラボ商品も発売されています。>

 

 

「カカオトーク」と「LINE」の違いは?

韓国でシェアNo.1のメッセンジャーアプリ「カカオトーク」~基本編~2

それでは、続いてLINEとの比較をご説明します。

「LINE」はカカオトークのサービス開始から1年後、2011年6月に韓国NHN株式会社(現:ネイバー株式会社)の日本法人NHN Japan株式会社(現:LINE株式会社)が開発したアプリケーションソフトです。

日本では個人間のコミュニケーションツールとして広く普及しており、2013年1月にはサービス開始後の約19カ月で登録者数が1000万人を突破しました。その後も2013年に3000万人、2015年には6000万人と着実に利用者を増やし、日本では最も利用されているモバイルメッセンジャーアプリとして着実に成長しています。

コミュニケーションツールとして日本では「LINE」が、韓国では「カカオトーク」が普及していることが分かります。


<2022年時点>

それでは、「カカオトーク」と「LINE」の機能を比べてみましょう。

グループ(複数人トーク)の作成人数

LINEは最大100人までに対し、カカオトークは無制限です。※LINEのグループは最大500人。

“既読”のつき方

LINEはトークは既読、グループの場合は読んだ人数が既読の横に表示されます。

一方、カカオトークは未読の人数がトークの横に表示され、既読になる度に数字がカウントされ全員既読になれば何も表示されません。

 

カカオトークの便利機能

韓国メッセンジャーアプリ「カカオトーク」とは? ~「カカオトーク」の基本から番外編まで~

「カカオトーク」の基本機能に加えて少し変わった便利機能をご紹介します。

投票機能

トークルーム内で投票ができる機能。締め切りを指定でき、複数選択、匿名投票、選択項目の追加可否などを設定できます。グループトーク中の仲間の意見を集める時に役立ちます。

お知らせ機能

トーク内容の一部を「お知らせ」として設定できる。トークルームの上部に表示されます。全員に知らせたいメッセージがある時に便利です。

検索機能

・単語検索:トークルーム右上の「🔎」をクリックし検索すると、検索語が含まれたトーク内容が表示されます。こちらは「LINE」にもある便利機能ですね。

・日付検索:ユーザーの利便性を高めるためにできた新機能。「🔎」マークをクリックしてさらに「🕓」マークをクリックすると、下にカレンダーが表示されます。検索したい日付をクリックして該当するトークを見ることができます。

スクリーンショット機能

トークルーム内の保存したい部分を指定し、スクリーンショット画像をとることができます。

 

「カカオトーク」連動サービス

カカオトークとは?連携できるサービス

それでは、最後にカカオトークの連動サービスについてご紹介します。カカオトークにはここでは紹介しきれないほど、さまざまなサービスと連携することが可能です。

カカオメール

カカオトークからメールにアクセスが可能です。カカオメールを通して、一般的なメールの送受信が可能です。

 

カカオショッピング

アマゾンと同じように、ストアを作って販売を行ったり、お客さんとして商品の購入ができるカカオショッピング。友達限定の商品や特別価格などが設定できるほか、お友達と共同購入を行うことで、割引価格で商品が購入が可能です。

カカオチャンネル

誰でも無料でアカウントが作成できるビジネスプラットフォームです。チャンネル内で自社の製品やサービスの紹介が可能で、ユーザーと共有することもできます。

カカオチャンネル

 

カカオストーリー

韓国版インスタグラムのようなものです。2012年3月にリリースした写真共有基盤モバイルソーシャルネットワークサービス。Instagram・Twitter・Facebookが1つになったようなソーシャルコミュニケーションツールで、韓国では多くの人が利用しています。「画像中心」というところから、第2世代SNSと言われています。

カカオT

2015年にサービス開始したタクシー配車機能です。出発地と到着地を記入し、タクシーの車種、カード払い有無を選択して予約。「カカオトーク」との連動機能を利用し、出発時間や位置、予想所要時間、タクシーの種類、タクシーナンバーなどを家族や友人に送信可能。クレジットカードや現金などの持ち合わせがない時にアプリで簡単に決済できる点も魅力の一つです。

カカオペイ

カカオトークをベースにしたモバイル決済サービス。2014年9月にリリースされました。カカオトークアプリにクレジットカード情報や決済パスワードを登録後、パスワードを入力するだけで簡単に決済できます。使い方がシンプルで便利。最大20枚までクレジットカードを「カカオペイ」に登録できます。

Plusカカとも

Plusカカともはユーザーが好きな芸能人やブランド・企業を友だちに追加することで、様々なコンテンツや、お得な情報を受けられる「カカオトーク」の新しいサービスです。

「カカオトーク」をビジネスに活用しようとする事業者や機関、個人であれば誰でも無料で開設、運営することができます。Plusカカともはコンテンツの発行、メッセージ発送、1:1チャットリアルタイムコミュニケーション、注文と購買、予約などのサービスと連動できます。

カカオナビ

モバイルナビゲーションサービス「カカオナビ」は、目的地への道案内はもちろんのこと、現在地・目的地・所要時間をカカオトークで共有することができ、カカオナビをインストールしていない人でも道案内を受けることができます。最新の交通情報はもちろんのこと、音楽やラジオを再生することも。

Klip(クリップ)

カカオトーク内で利用することができる仮想通貨ウォレットです。11種類の仮想通貨を保管することができ、カカオトークアカウントで送受信も可能となっています。さらに、NFT発行機能もついているため、個人・企業が自由にNFTを発行することもできます。

カカオウォレット

カカオトークウォレットは、電子ウォレット機能はもちろんのこと、ウォレット内にある電子証明書メニューには、主要公共文書・証明書の発行や閲覧、提出をカカオトーク内で行うことができる電子証明サービスがあります。住民登録謄本や、ワクチン証明書などが発行できます。また、国家資格を登録したり、自分の名刺代わりにQRコードを発行することができます。請求書などをウォレット内に保管することも可能です。

カカオウォレット

KoGPT 

2023年10月にローンチされた、新サービス。カカオのAI技術研究開発子会社カカオブレインによって開発された、外部大型言語モデル(LLM)の生成AIです。

カカオトークAI KoGPT

 

そのほか、カカオバンクカカオマップカカオゲームズ・4000以上のブランドやショップから買い物が出来る「ジグザグ(zigzag)」・オリジナルコンテンツを楽しめるカカオTV・コミックが楽しめるカカオウェブトゥーン・スケジュール管理ができるトークカレンダー、業務プラットフォームカカオワークなど、様々なサービスを連携することができます。その中でもカカオゲームやカカオウェブトゥーンは、アジア全域にプレゼンスを確立しており、サービス開始からわずか1年足らずで、タイ・台湾・インドネシアなどから圧倒的な支持を確立してきました。

韓国人にとってカカオトークは、単なるメッセージアプリではなく、韓国のデジタルインフラとしての「スーパーアプリ化」が進んでいます。

 

さいごに

「カカオトーク」は韓国でコミュニケーションツールとしてだけではなく、電子マネーやタクシー手配サービス、カカオバンクに至るまで幅広い分野に浸透していることがご理解いただけたと思います。

韓国マーケティング施策の1つの方法として、カカオトークを活用することで多くの韓国人ユーザーにアプローチすることが可能となります。SNSのさまざまな機能や、アイデアを駆使して使いこなし、自社・自店舗にしかできない活用法を見つけることは、韓国向けビジネス成功の近道となるでしょう!

SNSを活用した韓国マーケティングでお困りのことがございましたら、ぜひ私たちにお申し付けください。

ホワイトペーパー_韓国向けデジタルマーケティング必勝法

チェ ヨンス

ヨンス チェ マーケティング部

大学では日本語の通訳・翻訳を専攻し、韓国から日本への移住を決意。 「日本と世界をデジタルで繋ぐ」マーケターとして活躍したいとを思い、インフォキュービック・ジャパンへ入社。 淡水エビ・タランチュラ・大型オウム・希少クワガタなどの飼育・繁殖経験もあるほど生き物が大好きです。現在、ヤモリを飼育して10年以上、ヤモリ愛に溢れた韓国人です。