海外マーケティングあるある!
「海外マーケターお悩み10選」
外務省が発表した「海外進出日系企業実態調査」によると、平成29年10月1日時点で海外に進出している日系企業の総数(拠点数)は75,531拠点で、前年よりも3,711拠点(約5.2%)増加したとのことです。昨今は越境ECやインバウンド関連事業が進んでいることからも、世界を相手にマーケティングを行う「グローバルマーケター」の数は増え続けています。しかし、その一方で、グローバルマーケターが大きな悩みを抱えているという話も聞こえてきます。そこで本記事では、グローバルマーケターが直面するお悩み10選とその解決法について紹介します。
1.自社サイトにおいて思うようにトラフィックを獲得できない
既存のブランド力や商品・サービスの知名度などから、日本国内では自社Webサイトへ多くのトラフィックを獲得できた企業でも、グローバルマーケティングの分野では同じ方法が通用せず、悩んでいるグローバルマーケターが多いようです。
解決法
海外デジタルマーケティングをする際、日本企業のWebサイトがオーガニック検索される可能性は非常に低いと考えるべきです。そのため、自社WebサイトのSEO対策に多くの時間を割くことは場合によっては時間の無駄に終わってしまいます。それよりも効果的な場所への広告運用やSNS運営がより大きな成果を発揮するのが海外デジタルマーケティングです。
日本国内と同様のマーケティングを適用するだけでは上手くいかないのは当然のこと。ターゲット国に根差した広告運用やSNS運営などの海外デジタルマーケティングの基本をまずは押さえる必要があるでしょう。弊社では「海外SNSマーケティングの取り組みのヒント」を無料で提供しておりますので、興味のある方は是非ダウンロードしてご活用下さい。
2.意図が伝わらないことがある
海外デジタルマーケティングを行う際、ターゲット国の人々の言語でコミュニケーションを行う必要性が生じます。その際、グローバルマーケターが伝えたい内容が海外の人々にうまく伝わらず、取引が頓挫してしまうこともあるようです。
解決法
言語の壁は、グローバルマーケターが乗り越えなければならない大きな壁の1つです。しかし言語力はすぐには向上しません。言語に自信が持てない場合は、相手の理解を得たうえでやりとりの内容を録音・録画しておく、また、重要な内容についてはテキスト形式でもらえるように依頼し、複数人で確認するなどの対応が必要になるでしょう。
また、海外デジタルマーケティングを行う際、相手の背景にあるもの(考え方や慣習など)も同時に理解する必要があります。グローバルマーケターが配慮すべき日本と海外のビジネス慣習の違いについては下記のブログでも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「日本と海外の商習慣、10の違い」
~意思決定、契約、ハラル~
3.商品やサービスのクオリティが思っていたものと違った
商品を発注したりサービスを依頼したりしたものの、こちらが思っているクオリティと異なっていたということが度々発生するようです。現地に行って確認することが非常に困難というグローバルマーケティング特有の難しさにつまずいてしまうグローバルマーケターが多いようです。
解決法
海を超えた海外と取引を行うため、事前確認の不足、もしくは確認してもそれが実際とは違ったという食い違いが発生するという事は十分に起こりえます。前提として日本の取引先と同じレベルで事前確認ができるとは思わないほうがよいでしょう。しかし、できる限り綿密に調べるに越したことはありません。現在では、様々な企業や製品の評判・クオリティが、ネット上の口コミで確認できる時代となりました。それらの評価を積極的に活用することで大きな失敗を防ぐことができます。また、金額の大きな取引を行う際は、多少手間であっても、実際の商品を事前に送ってもらったり、サービスを体験させてもらうなどの確実なステップを踏むことが重要になります。そのためには、時間の余裕をもって交渉を進める必要があります。
4.現場の視点とグローバルマーケターの視点の違い
グローバルマーケターは、自社のマーケティングを任されている非常に重要なポジションですが、海外の様子を容易に観察・確認することができないという弱みも持っています。グローバルマーケターの考えたマーケティング戦略が現地においては受け入れられないことや、現地の考えがグローバルマーケターにとって受け入れられないという食い違いが度々起こるようです。
解決策
グローバルマーケティングにおいて重要なことは、ターゲット国の特徴の理解に力を注ぐことです。相手を知らずして、グローバルマーケティングを効率よく進めることはできません。特に海外デジタルマーケティングにおいては、日本の常識は海外の非常識といわれるように、日本と同じ手法で成功することは稀で、ターゲット国に相応しいマーケティング戦略を練ることが重要です。現場の視点からは多くの有益な情報を得られることがあります。現場からの情報を拾う仕組みづくりなどに注力するなど、現場の意見をうやむやにせず、大切に扱うことで状況が改善されることもあるのです。
5.自分の企画でどれだけ売れるかが判断しづらい
グローバルマーケティングの経験豊富なマーケターは稀で、多くのグローバルマーケターが自らが立案したマーケティング戦略に対して少なからず不安を持っているようです。また、社内にもグローバルマーケティングに精通した先輩や上司が少ないのが現状で、誰にも相談できずに悩むグローバルマーケターが多いようです。
解決策
海外デジタルマーケティングの基礎や応用を学ぶこと、常に新しい知識を取り入れることで、悩みを解決することができる場合があります。弊社でも定期的にデジタルマーケティングに関する無料セミナーを定期的に開催していますが、このような勉強会に積極的に参加することで、新しい知識や視点を獲得することができるのでとても有益といえるでしょう。また、新しく海外進出を目指す企業にとっては、海外デジタルマーケティングは未知の世界です。上手く軌道に乗せるためにも、弊社のような海外デジタルマーケティングに精通した企業と連携をとりながらマーケティングを進めることが、海外デジタルマーケティングを成功させる近道となるでしょう。
6.海外の人々に受け入れられるネーミングを考えるのが難しい
日本においても、商品やサービスのネーミングを考えるのは非常に難しいとされますが、グローバルマーケティングの際には、より難しくなります。商品やサービスが売れるためには、当然ターゲットの人々に好まれるネーミングや拡散されやすいネーミングを用いる必要がありますが、現地の言葉の感覚が乏しいグローバルマーケターにとって、ネーミングを考えるのが非常に難しいようです。
解決策
ネーミングは、トレンドだけでなく、その国の歴史的背景や宗教的な側面も影響します。もし、ターゲットの国の人々が受け入れがたいネーミングを利用してしまった際は、それだけで商品やサービスが全く売れないという状況に陥ります。おすすめの解決策は、ターゲットの国を対象とした海外デジタルマーケティングに精通した企業と連携することです。そのような企業は、どのようなネーミングの商品やサービスが売れたのかという、数多くの過去データを蓄積しています。それらのデータを効果的に用いることで、グローバルマーケティングで「勝てる」ネーミングのアイデアが浮かんでくることでしょう。
7.効果的な販促キャンペーンが思い浮かばない
効果的な販促キャンペーンが思い浮かばないことはマーケター特有の悩みですが、グローバルマーケターにおいてはさらにそれが顕著なようです。グローバルマーケターは日本で成功した販促キャンペーンを他国でも実施してみるものの、グローバルマーケティングでは上手くいかず、悩み苦しむケースが多いようです。
解決策
日本と海外での効果的な販促キャンペーンは全く異なることをまずは念頭に置くべきです。例えば、日本においてはSEO対策や広告運用が主なマーケティング戦略ですが、海外ではSNSマーケティングやインフルエンサーマーケティング、動画マーケティングなどが主流となっています。まずはこれらの違いを理解するとともに、それぞれの方法について熟知し、効果的に活用できるようにする必要があるでしょう。
8.トラフィックはあっても「成約」まで繋がらない
SNSや広告を活用してウェブサイトへのトラフィックは増加したとしても、実際の商品やサービスの成約まで繋がらないという悩みを抱えるグローバルマーケターも多いようです。
解決策
ターゲットとする国の人々が、どのようなカスタマージャーニーで成約を行う傾向にあるのかを正しく理解する必要があります。昨今の海外デジタルマーケティングの分野においては、SNSを通した口コミや、信頼するインフルエンサーの紹介などから強い影響を受ける消費者が多いといわれています。インフルエンサーマーケティングなども視野に入れた、現地において成約に直結するようなマーケティング戦略を積極的に活用することが重要です。
9.顧客の印象に残るカラーがわからない
SNSで広告を出す際や、多言語サイトを制作する際に、どのようなカラーで作成すればよいのかで悩む人が多いようです。
解決方法
日本人には受け入れられるけれども、外国人には受け入れられないカラーがあるのも確かです。また、世界には宗教の観点から受け入れられないカラーもあります。
すべての人に受け入れられるカラーというのはなかなかありませんが、現在、各国でどのようなカラーが人気であるのかについてはネットで調べることができます。また、各色が心理学的にどのような影響力を持っているのかを学べば、カラーを効果的に利用できるようになるでしょう。弊社の過去の記事においても、世界各地域において好まれるカラーをまとめていますので、興味のある方はこちら記事をご参照ください。
「国・地域によって異なる“色”の嗜好性」
多言語グローバルサイトをつくるときの一工夫
「色彩心理と企業ブランドの関係」
色がもたらす感情の違いを活用しよう
10.話題性のある広告を作るのが難しい
日本においても効果的な広告を作成するのは非常に難しいとされますが、グローバルマーケティングを行う際には、その難しさは何倍にも膨れ上がるようです。
解決方法
広告は、一目見ただけで消費者の興味関心を惹きつけるものでなければなりません。キャッチフレーズやロゴ、画像などを効果的に利用することが重要です。また、近年海外デジタルマーケティングの分野においては、動画広告が大きな成果を上げています。しかし、広告運用や動画広告で成功を収めるためには、昨今の海外デジタルマーケティングの最新情報に常に目を光らせておく必要があるでしょう。
終わりに
本記事では、グローバルマーケターが直面するお悩み10選およびその解決法について紹介しました。グローバルマーケティングは、非常に大きな市場である反面、マーケティングの難しさは日本国内におけるマーケティングの比ではありません。
今回ご紹介した中でも出てきた「自社サイトに思うようにトラフィックを獲得できない」「海外の人々に受け入れられるネーミングを考えるのが難しい」「顧客の印象に残るカラーがわからない」といった課題。海外に特化したインフォキュービック・ジャパンでは、インハウスの多国籍メンバーを中心に、お客様の課題・ご状況に合わせて最適なグローバルマーケティング施策をご提案いたします。お困りごとがございましたら、遠慮なくお申し付けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。