海外の検索エンジン、36選!
世界のプラットフォーム一覧
検索エンジンのシェアは、世界的にGoogleが圧倒的なシェアを占めています。海外向けデジタル施策を効率的に進めるために、まずは「Google」や「Microsoft Bing」などを効果的に活用することは顧客との接点という視点で非常に重要であるといえるでしょう。
海外向けにデジタルマーケティング施策を進める際、ターゲットとなる国が決まっているならば、その国で人気の検索エンジンを利用することは、海外戦略を成功に導くファーストステップとなります。
一方で、海外にはあまり知られていないその国や地域に特化した検索エンジンが、数多く存在しています。そこで本記事では、海外マーケティングを行う際に重要な検索エンジンに関して、世界中で利用されている「人気の検索エンジン」から、近年海外で人気が高まりっている「プライバシーを重視した検索エンジン」など、あまり日本人が知らない「海外の検索エンジン」を一覧でご紹介してきます。
目次
世界の検索エンジン、TOP5
早速、世界で人気の高い検索エンジンの1位~5位をご紹介していきます。
1位:Google
ご存知の通り、Googleは日本はもちろん、海外でも最も利用されている検索エンジンの1つです。1998年に設立されて以来、Googleは検索エンジン市場を独占してきました。Googleの収益の多くは広告によって生み出されています。
Googleは1日あたり検索クエリの93.37%はGoogleを通して行われており、インターネットユーザーの10人に9人以上が「Google」を利用していることになります。(2023年2月)
デスクトップ検索の世界シェアは85.63%と若干下がりつつありますが、モバイル検索のシェアに至っては、96.71%と、圧倒的に高いシェア率を獲得しています。
ただ、世界的に圧倒的なシェアを誇るGoogleであっても、「中国・韓国・日本・ロシア」など、ある地域に限っては独自の検索エンジンが発達してる場合があり、「Google一強」というわけではありません。デジタル施策を実施する場合は、自社のターゲットに合った検索エンジンを選択する必要があります。
2位:Microsoft Bing
Bingはマイクロソフト社が開発・運用する検索エンジンで、Windows PCにデフォルトで搭載されています。検索エンジンシェアは2.81%で、世界で2番目に人気の検索エンジンです。Bingが提供するMicrosoft Advertising(Bing 広告)は、Google広告のもっとも一般的な代替プラットフォームとして知られています。
2010年からはFacebookと連携することで、ソーシャルデータがBingに追加され、よりパーソナライズされた検索結果を表示できるようになりました。検索者のFacebookネットワークや友人との関連性に基づき、個人に合わせた最適な検索結果を表示さることが可能です。
中国におけるBingのシェア率は、2022年6.73%だったにも関わらず、2023年2月の時点で14.7%にまで急伸しており、今後も成長が見込まれています。
3位:Yahoo!
Yahoo!はアメリカ発祥の検索エンジンであり、シェアは世界で1.13%ほどを占めています。検索トップページには、ニュースや時事情報などさまざまなコンテンツを掲載しています。
日本では「Yahoo!Japan」として、根強い人気を獲得していますが、日本のYahoo!JapanはGoogleの検索アルゴリズムを採用しているため、広告出稿時には注意が必要です。
4位:Yandex(ロシア)
ロシア発の検索エンジン「Yandex」は、近年急速にシェアを拡大している検索エンジンの1つです。ロシアにおいては、2023年2月時点で世界シェアは0.85%程度ですが、ロシアでは最も利用されている検索エンジンであり、ロシアでのシェア率は54.5%にまで達しています。
ロシア以外にも、トルコやウクライナ、カザフスタンといったミドルイーストやインドネシアなどでも人気の検索エンジンです。ベラルーシ・カザフスタン、ウズベキスタン、トルコ・インドネシア語に対応しています。
Yandexに搭載されている「Alice」と呼ばれるAIアシスタントは、「Siriよりロシア語が堪能」と評判で高く評価されています。YandexもGoogleと同様に検索エンジンとしての機能以外に無料メールや地図、ストレージなどの多機能なサービスを利用することができます。
5位:DuckDuckGo
アメリカで開発された検索エンジンDuckDuckGoの最大の特徴は、「利用者のプライバシー保護」に特化しているということです。
GoogleやBingといったほとんどの主要検索エンジンは、利用者の検索履歴などが自動追跡される仕組みになっていますが、「DuckDuckGo」では個人情報を収集・保存されず、検索履歴が一切残らないためプライバシーを保護する仕組みとなっています。そのため、プライバシーに重点を置く若者から高い支持を集めており、近年急激に人気が高まってきている今注目の検索エンジンです。
プライバシーを重視した海外の検索エンジン一覧
近年大きくシェアを伸ばしてきている検索エンジンが「プライバシーを重視した海外の検索エンジン」です。近年その傾向は顕著にみられ、特にGDPRなどの規制が強化されつつあるヨーロッパでは明らかに人気が高まっています。
6.Qwant フランス
Qwantはフランス・パリに拠点を置く検索エンジンサービスで、こちらもプライバシーの保護に重点を置き運営されています。Qwantのプライバシーポリシーには原則としてユーザーに関するデータは収集せず、Cookieやそのほかの追跡技術を使用しないと明記されています。こちらもユーザーのデータを第三者に販売もしていません。
Qwantの検索結果は、政治・経済・または社会基準に基づく偏見を反映しておらず、ユーザーの中立性と公平性を保証しています。また、Googleアルゴリズムが推奨するような検索結果とは大きく異なり、多様な意見を含む複雑な世界の現実を反映しています。さらに、近年6歳~13歳までの子供向けQwant Junior機能を開発しており、子供には不適切な検索結果は表示されない仕組みなっています。商用広告は表示されません。
フランス政府はQuantの利用を推進しており、フランスを中心としたヨーロッパ諸国で徐々に人気が出始めている検索エンジンです。(残念ながら日本からは利用できません)
7.Ecosiaドイツ
ドイツのスタートアップが設計した検索エンジンです。
Ecosiaは広告によってビジネスを成立させていますが、(なんと!)その利益の100%を気候変動対策に使用し、そのうちの80%は世界中での「植樹活動」に充てられています。約45回の検索行動で1本木が植樹され、現在ではECOSIAコミュニティによって植えられた木は1億7000万本以上に達しています。
また、他のほとんどの検索エンジンとは異なり、検索履歴に基づいてユーザー個人のプロフィールを作成することもなく、すべての検索履歴を 1 週間以内に匿名化します。さらに、広告主にユーザーの個人データを販売も行っておらず、「透明性が高さ」が評価されている検索エンジンです。
検索エンジンとエコが連携した画期的な仕組みにより、ヨーロッパを中心に理念に共感した若者の利用者が急増しています。
8.Startpage.com オランダ
オランダ・ニューヨークに拠点を置く「Startpage.com」は、ユーザーの検索結果を追跡しない「The world’s most private search engine / 世界で最もプライベートな検索エンジン」をキャッチフレーズに掲げ、人気を獲得している検索エンジンです。
Startpage.comでは、オンライン検索は「Google」の検索結果を利用していますが、Start Pageがプロキシとして機能し、全てのトラッカーとログを削除するため、検索履歴がGoogleに残りません。もちろん、Startpage内でも個人情報が収集されることはなく、個人情報の開示、データの販売なども実施されておらず、世界で最もプライベートな検索エンジンと呼ばれる所以です。
StartMailというプライバシー保護電子メールサービスも提供しており、徐々にサービス領域を拡大しています。
9.Fireball ドイツ
ドイツのベルリンに拠点を置く検索エンジンで、ドイツ語、英語での検索が可能です。1996年に設立された当初は、ドイツ国内で非常に人気の高い検索エンジンでしたが、その後、Googleの台頭により勢いを失いました。
2016年に独立した企業として再スタートを切りましたが、2000年にはLycos Europeに買収。さらに、2022年2月には英国CentralNic Group Plc (AIM:CNIC)に買収されています。
さまざまな買収によって紆余曲折ありましたが、現在もFireballは利用可能で、検索結果はBingに基づいています。さらに、検索クエリに関する情報やユーザー・検索に関する情報は保存されず、プライバシー保護に重点を置き運営されているため、一定のユーザーから高い支持を受けています。
10.WEB.DE ドイツ
1995年からサービスを開始したWEB.DEは、ドイツ語の検索に強いことに加え、「WEB.DE」はポータルサイトとしても人気を獲得しています。
さらに、同社が提供しているフリーメールサービスやクラウドサービスは、現在60か国以上で利用されており国を跨いで人気のあるサービスです。近年ではモバイルアプリもローンチし、モバイルデバイスからの検索はもちろんのことニュースを読んだり、動画視聴も可能になるなどさまざまなサービスを提供しています。
WEB.DEも第三者に個人データを販売したり、広告利用されることがありません。電子メールサービスやクラウドコンテンツでは、検索を実行するとエンドツーエンドで暗号化するなど、データ保護・データセキュリティに重点が置かれ運営されています。
11.Yandex ロシア
先述した、ロシアのYandexもユーザーのプライバシー保護に重点を置いています。その創業への経緯は興味深く、1993年~1996年にかけて、聖書を検索する検索技術の開発によって誕生した検索エンジンです。もともとはロシアのみで利用可能でしたが、現在はグローバル英語版を利用することができます。ベラルーシ、カザフスタン、トルコ、ウクライナなどの国でも人気を得ています。
YandexはGoogleよりもローカルSEOと地域性を重要視する検索結果を表示する傾向があります。さらに、Googleとは対照的に優れたプライバシーシステムを提供しており、さらに高度なアルゴリズムによって、世界的に高い評価を受けている検索エンジンです。
12.Search Encrypt
2016年に設立されたSearch Encryptは、検索語句と検索履歴のプライバシーに重点を置いた検索エンジンです。ユーザーのプライバシーを強化するために、検索語句を暗号化することで機能します。
検索を行うとすぐに検索が高度なSSL暗号化によってサーバーに送信される前に検索語句をローカルで暗号化します。そのため、検索履歴を表示することはできません。さらに、閲覧履歴は検索が終わると、暗号化キーの有効期限が切れるため、検索用語の機密性が保たれています。
Encrypt は通常の検索エンジンとして利用できるほか、Google Chrome や Mozilla Firefox のブラウザー拡張機能としても利用可能です。
13.Qmamu インド
2021年にインド初の国産検索エンジンとして、誕生したQmamuは、Google同様に機能し、更に 画像、動画、ニュース、ショッピングなどのさまざまな機能を利用することができます。
そのうえ、ユーザーの個人情報やその他のデータを収集することなく、検索履歴を完全にプライベートに保ち、同時にデータを不正なユーザーやアクセスから保護します。
各国で独自発達した海外の検索エンジン
14.Baidu 中国
グレートファイアウォールというネット検閲システムが働いている中国で、56%ほどのシェアを占めているBaiduは、中国で最も利用されている中国最大の検索エンジンです。2001年にサービスが開始された後、徐々に人気を獲得し、現在は中国検索エンジン市場で長年不動の”1位”を築いています。
中国マーケットに関心のある外国人の利用も増えてきていることから、世界的にも知名度が向上している検索エンジンの1つです。世界シェアは0.45%程度ですが、月間ユーザーは8億人以上と言われています。
Baiduは検索したキーワードに関連する情報を幅広く提供しています。検索したキーワードに関連するであろうページが大量に表示されるため、そこから徐々にテーマやキーワードを絞り、最終的に自分が最も求めるサイトにたどり着くという使い方が可能です。また、Baiduは情報を提供するだけでなく、実際のサービスにつなぐことに重点を置いており、少しでも速くサービスの獲得にたどり着くことができるように、「購入・決済ページ」をダイレクトに提供する仕組みになっています。
15. Sogou 中国
Sogou(捜狗)の検索エンジンシェアは約14.2%を占めており、現在中国検索エンジン市場のシェア2位に位置しています。1日のアクティブユーザー数(DAU)は約4億5,000万人を突破しています。
2013年、中国TencentがSogou検索エンジンを買収してから、2021年ついに合併が完了しました。現在Sogouは、WeChatプラットフォームからコンテンツを検索することができるようになり、更にシェアを伸ばしてきています。SogouはTencentが開発したQQブラウザーのデフォルトの検索エンジンです。中国におけるデスクトップだけのシェアを見ると、27.75%ほどを推移しており、その人気の程が伺えます。
16.Ask.com アメリカ
アメリカで開発された検索エンジンです。2010年に検索エンジンの新規機能に関する開発は終了しましたが、現在でも検索エンジン機能は利用でき、アメリカ国民を中心に利用されています。
Ask.comでは、検索エンジンやQ&Aサイトを提供するポータルサイトです。日本語を始めとした多言語での検索が可能であることから、世界においても一定の需要を獲得しています。
17.Wolfram Alpha イギリス
イギリスの論理物理学者によって作成された知識・計算・情報に特化した検索エンジンで、2009年にサービスが開始されました。通常の検索エンジンでは入力したキーワードに関連した検索結果が表示されますが、Wolfram Alphaは数学・物理に関連した質問の問いを回答するというユニークなシステムが基盤に置かれており、この機能が様々に代用され検索エンジンとしての働きも担っています。
2018年からは日本語版、2022年からはスペイン語版を利用可能です。
自然言語と数式入力が可能で、通常の検索エンジンでは入力することが出来なかった計算式を入力することができます。さらに2023年3月からはChatGPTと連携し、ChatGPT内にWolfram プラグインをインストールすることで、ChatGPT内からWolfram Alphaの高度な計算知能を利用することができるようになりました。( ChatGPT Plus ユーザーのみが利用で可能)
<“x^2+9y^2+4z^2-1=0″という計算式を検索入力してみました。>
18.Dogpile アメリカ
様々な検索エンジンの結果を統合して示すメタ検索エンジンとして有名です。WWW、Usenet、FTBを同時に、もしくは別々に検索できることが特徴です。アメリカ発の検索エンジンで、現在アメリカ国内でのシェアは高くはありませんが、検索結果をバランスよく表示することから一部のファンから支持を受け利用されている検索エンジンです。
19. AOL. アメリカ
AOL.の前身であるAmerica Online は1985年に設立されました。創業当初はAppleのマッキントッシュのみにサービスを提供し、1993年にはMicrosoftなどにも拡大。2000年代に急成長を遂げ一時はGoogleを脅かす存在になるともいわれた検索エンジンですが、現在は世界およびアメリカでのシェアは低調です。 2006 年に正式に AOL.に社名を変更しました。
現在、AOL.は、検索エンジンサービスだけでなく、米国最大のインターネット アクセスサブスクリプション サービス会社の 1 つであり、電子メールをはじめ、AOLインスタントメッセンジャー (AIM) ソフトウェア、AOL ビデオ、ビデオ検索、ニュース、スポーツ、天気などのさまざまなウェブサービスをを提供しています。
AOL は、Google から主要な検索結果リストを受け取り、DMOZからいくつかの Web ディレクトリ リストも受け取ります。検索結果にはリスティング広告が表示されない点は特徴の一つです。
20. Lycos アメリカ
Lycosは1994年にカーネギーメロン大学の研究チームによって開発された、歴史の古い検索エンジンです。現在、アメリカを中心に世界各国にて利用されていますが、国によっては検索結果が表示されない状態になっています。過去に、様々な国の企業によって買収されながらも知名度を獲得していった独特な背景を持つ検索エンジンです。
Lycosは、高速で信頼性の高い検索、ユーザー行動に基づくパーソナライズされた検索結果を表示する、高度なフィルタリングオプションなど、検索エンジン業界では高い評価を獲得しており、
Lycos は Yahoo! から検索結果を取得しており、日本語を含む13言語が利用可能です。
21.Metacrawler アメリカ
アメリカに拠点を置く検索エンジンで、Google、Yahoo!、bing、Ask.comなどのアメリカ発の世界主要検索エンジンを統合したメタ検索エンジンとして知られていましたが、2017年に独自の検索エンジンとして再スタートを切り、今後の動きに注目が集まっています。
22.WebCrawler アメリカ
アメリカに拠点を置く検索エンジンで、GoogleやYahoo!、Bingなどの有名な検索エンジンの検索結果を混合したメタ検索エンジンとして有名です。Googleと比べ、リスティング広告が非常にはっきりと示されているため、検索結果と広告の境界が非常に分かりやすい検索エンジンです。
23.Rediff インド
インドのムンバイに拠点を置く検索エンジンで、1996年に設立された後、現在はバンガロール、ニューデリー、ニューヨークにオフィスを構えるなど着実に拡大を図っています。Rediffでは検索エンジンの他にニュース、ショッピング、メールサービスおよびエンターテイメントポータルなどさまざまなサービスを提供しています。
インド国内ではGoogleのシェアが9割を超えているため、Rediffのシェアはごくわずかな割合ですが、Similarwebでのトラフィックを見てみると、2023年1月には48M(4800万)ものトラフィックがあることがわかります。約14億の人口を抱えるインド発の検索エンジンということもあり、今後の動向に注目したいところです。
インドからの流入はもちろんですが、アメリカ、オーストラリアからもアクセスが集まっています。
24.Walla! イスラエル
1995年に設立されたWalla! Communications Ltd.(ヘブライ語: וואלה! תקשורת בע”מ)が提供する「Walla!」は、テルアビデに本社を置く、イスラエル発の検索エンジンです。ヘブライ語に対応しており、イスラエル内で最も人気のあるサイトの1つです。
Sililarwebでのトラフィックを見てみると、2023年1月には110.2M(1億1000万)ほどのトラフィックを獲得しており、その人気ぶりが伺えます。そのうちの93%ほどがイスラエル内からのアクセスでした。
イスラエル内ではGoogleのシェアが約90%を占め、Walla!のシェアは10%未満といわれていますが、イスラエルはスタートアップ大国としても知られており、今後「Walla!」を始めとしたイスラエル発の検索エンジンの世界的知名度が向上することは十分考えられるでしょう。
25. Seznam チェコ
Seznamはチェコ共和国に拠点を置く検索エンジンで、チェコで初めての検索エンジンとして注目を集めました。2012年~2014年頃まではシェア率は42%前後でしたが、現在チェコでのシェアは11.32%程度にとどまっています。しかし、独自の検索エンジンがGoogleと対抗しているという意味では、中国のBaiduやロシアのYandexと同様に、世界で見ても非常に珍しい例の1つです。
特にデスクトップのシェア率を見てみると、時期によって変動はありますが18%前後を推移しており、チェコ国内では多くのユーザーに利用されていることがわかります。
26.NAVER 韓国
韓国発の検索エンジンのNAVERは、韓国国内のシェアはGoogleに続く第2位で、2023年2月時点で約35%のシェアを獲得しています。NAVERの検索システムはGoogleとは異なり、検索結果をブログやYAHOO!JAPAN知恵袋に該当するQ&Aサービス「知識iN」、Naverショッピングなど「関連分野」ごとに分類して表示するため、視認性が高く使い勝手のよい検索エンジンとして知られています。
1999年にSumsungの元従業員グループによって創立され、検索機能はもちろんのこと、ニュース・画像・動画・ショッピング・ブログなど韓国独自のポータルメディアであり、「韓国のGoogle」と呼ばれたりもしています。NAVERはYahooのOverture Systemを活用していましたが、現在では独自のAI推奨モデルに基づく自動提案を行っています。NAVERの検索結果はユーザーの年齢、性別、場所に基づいて表示されるだけでなく、多くの部分でUGC(ユーザー生成コンテンツ)が表示される傾向があります。
27.Daum 韓国
Daumは韓国発の検索エンジンで、韓国検索エンジンシェア第3位、約10%弱を占めています。
1997年、韓国初の無料ウェブメールである「ハンメール(hanmail)」サービスを開始。2000年には検索サービスを開始し、オンラインコミュニティサービスの「カフェ」やニュースサービスの「ニュース」などを次々にリリースし、インターネットポータル企業として成長しました。
現在はメッセンジャーアプリで韓国シェア90%近くを誇る「カカオトーク」と連携し、カカオトークアプリ内の言葉に関する検索結果が容易に確認できるようになりました。新たな戦略とともに、今後どのような成長をみせるのかに注目が集まります。
28. Coc Coc ベトナム
CocCoc(ノックノック)は、ベトナム初の検索エンジンで、2013年にリリースされた比較的新しい検索エンジンです。ベトナム国内での利用に焦点を絞って展開することで人気を獲得し、現在ベトナム国内ではGoogleに次ぐ第2位のシェア、モバイルユーザーは2900万人を誇っています。
2022年7月には、ベトナム情報通信部から国民デジタルプラットフォームとして選出されています。中国BaiduやロシアYandexのように国家のバックアップ体制があるプラットフォームはまだまだ伸長する傾向があるため、今後の動きは注目されています。
29.Leit.is アイスランド
1996年にサービスが開始されたLeit.isは、アイスランドで設立された検索エンジンです。
アイスランド語および英語での検索が可能です。アイスランド国内でも第1位のシェアはGoogleですが、Leit.isのシェアがGoogleに均衡しているといわれており、今後の動きに注目が集まっています。
30.Egerin スウェーデン
2013年にサービスを開始したEgerinは、スウェーデンに住むクルド人によって設計された検索エンジンとして知られています。
主要検索エンジンではクルド語を使用できないものも多く、クルド人が容易にクルド語で検索できる検索エンジンを作成したいという思いから設計されました。世界に4000万人以上いると言われているクルド人を対象とするEgerinは、Webページとメタデータが検索結果に表示されます。ユーザーは動画、画像、ニュース、ブログなどを検索することも可能です。
検索にはBingの検索システムを利用しており、クルド語、ソラニ―語、トルコ語などの言語が利用可能です。
31.Najdi.si スロベニア
スロベニア発の検索エンジン及びポータルサイトです。
2023年2月の時点のスロベニアでのシェアは0.24%と低調ではあるものの、母国語であるスロベニア語での検索に強く、比較的年齢層が高い傾向にあります。スロベニアでは多くの人に愛用されています。
32.Search.ch スイス
Search.chはスイス・チューリッヒに拠点を置く検索エンジン及びポータルサイトです。検索エンジンを利用する際に、特定の地域や都市に制限した検索結果が表示できるほか、スイスの公用語の1つであるロマンシュ語による検索もできるため、スイス国内では一定の需要がある検索エンジンです。
スイスからのアクセスが90%以上を占めていますが、近隣諸国であるドイツ、オーストリア、チュニジアなどからも流入が見られます。
33.Ilse オランダ
1996年からサービスを開始したIlseは、オランダで初めての検索エンジンとして知られています。正式名称は「Inter link Search Engine 」です。
オランダ国内では、GoogleとBingで約98%のシェアを占めるため、Ilseの利用は稀ですが、オランダ語に強い検索エンジンであるため、一部の人たちによって利用されています。
34. Entireweb スウェーデン
Entireweb.comは、2000年からサービスが開始されたスウェーデン・ハルムスタット発の検索エンジンです。スウェーデンでも、検索エンジンシェアの上位をGoogleとBingが占めていますが、Entirewebはスウェーデン語と英語での検索が可能であるため、一部の人々によって利用されています。
Googleの検索エンジン同様に、検索キーワードに関連するウェブページ、写真、動画、ソーシャルメディアサイトなどを検索結果に表示します。
35.Maktoob アラブ首長国連邦
<2009年時点のMaktoob>
Maktoobは、アラブ首長国連邦のドバイに拠点を置くオンラインサービス会社が提供する検索エンジンです。ヨルダン、クェート、エジプトなどアラビア語圏のインターネットユーザーの3人に1人が利用していると言われるほど、人気の検索エンジン・ウェブポータルでしたが、2009年にYahoo!によって買収されました。
現在はYahoo!にアラブ語コンテンツが追加され、Yahoo!メッセンジャーやYahoo!メールをアラビア語で利用できるようになりました。
2023年現在、MaktoobはYahoo!の完全所有子会社になっています。
36.Pipilika バングラディッシュ
Pipilikaは2013年からサービスを開始したバングラディッシュに拠点を置く検索エンジンで、バングラディッシュの公用語ベンガル語と英語による検索が可能な検索エンジンでした。当時、Googleは既に世界の検索エンジン市場をリードする存在ではありましたが、ベンガル語で検索しても、関連性のない検索結果が表示されることがよくあったそうです。
そのため当時、Pipilikaはベンガル語での検索が可能なバングラディッシュ初の検索エンジンとしても知られ、英語よりもベンガル語の検索結果を上位に表示することから、ベンガル語が利用されている地域では人気の検索エンジンでした。2016年には、最新ニュース・ライブラリ・ショッピング・求人・ベンガル語辞書など検索エンジン以外にもさまざまなサービスを追加し人気を博していました。
しかし、はやり「ベンガル語」というニッチ市場。2015年にGoogleがバングラディッシュのICT省と協力しGoogle翻訳にベンガル語を追加するキャンペーンやさまざまな機能を追加したことで、ベンガル語の関連性の高い検索結果を表示するようになってからは、Pipilikaは低調となり、2022年頃に完全に閉鎖となりました。
さいごに
Googleは世界の検索エンジンシェアの大半を占めています。しかし、特定の言語や地域に特化した検索エンジンであったり、プライバシー保護・セキュリティ強化、環境問題への取り組みといった、独自の価値を提供する検索エンジンの利用が増加している傾向が伺えます。
広告出稿はもちろんのことSEO対策も検索エンジンによって手法は異なります。まずは自社のターゲット国・地域に最も最適な検索エンジンを把握しましょう↓↓↓


吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。