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2024年01月11日

ビジュアルコンテンツの重要性
~エンゲージメントを向上させるビジュアル・コンテンツの力~

古くから日本に「百聞は一見にしかず」という諺があるように、海外では「A picture is worth a thousand words.(一枚の写真は千の言葉に匹敵する)」という言葉があります。古くは1700年代後半に出版されたとされる「The Works of Mr. James Thomson」に、同様のフレーズが記されており、古くから視認性の高いコンテンツは、より多くの情報を伝えるできることが一般的に知られています。

近年、ソーシャルメディアマーケティングが一般的になるにつれ、動画・インフォグラフィックス・アニメーション・GIFなど、視認性が高い「ビジュアルコンテンツ」の重要性が高まってきています。

本記事では、ビジュアルコンテンツの基礎的な知識や、デジタルマーケティングにおけるビジュアルコンテンツの重要性について解説します。

目次

 

人間は「視覚優位」で生きている

人間は「視覚優位」な生き物です。私たち人間は、文字を読むことや話し言葉ではなく、視覚を通して情報を取得して、記憶します。人間は耳から聞いた情報は、3日後には10%程度しか覚えていないのに対して、そこに写真や絵などのビジュアルコンテンツを追加すると、3日後であっても65%ほど記憶に残っているそうです。

ワシントン大学医学部 (生物工学科) の発生分子生物学者・脳科学者である、John Medina博士の世界的名著『Brain Rules』の中で、「視覚は圧倒的に支配的な感覚であり、他のすべての感覚より勝る」と述べられています。

人間は他のどの感覚よりも視覚から多くの情報を得ており、その割合は(文献にもよりますが)65~90%ほどと言われています。視覚から入った情報によって「情報として処理→感情が刺激→行動」へと繋っていきます。脳は構造的に視覚的情報を最も優先して処理し、情報を取得しています。

どのようなマーケティング施策においても、視覚的に情報を伝えることができる「ビジュアルコンテンツ」は、デジタルマーケティング戦略において非常に重要な要素の1つなのです。事実、消費者の91%は「テキストよりビジュアルを好む」と回答しており、マーケティング担当者の56.2%が戦略の中でビジュアルコンテンツを重要視していると回答しています。

Brain Rule
< Brain Rule_Rule #10: Vision trumps all other senses.>

 

 

デジタルマーケティングにビジュアルコンテンツが重要な理由

check 素早く情報を伝えることができる

人間の脳は、テキストや音声と比べ、画像を6万倍も早く処理が出来ることもわかっています。

脳がシンプルな絵を理解するのに必要な時間は平均して0.1秒程度ですが、200~250語の短い文章を理解するには約60秒ほど時間がかかります。その差は約600倍。

さらに、情報過多な現代社会において、ユーザーは瞬時に情報を取捨選択を行います。特にZ世代は素早く情報を取捨選択する傾向があり、その時間はわずか「8秒」程度だそうです。これは、ミレニアル世代と比較して4秒も短く、私たちマーケターは非常に短い時間でメッセージを伝える必要があります。

600倍も速く情報を伝えることができるビジュアルコンテンツは有効であることがわかります。


<Forbus_Generation Z: 10 Stats From SXSW You Need To Know>

 

check 長く記憶として残りやすい

画像や動画といったビジュアルコンテンツは単語として得た情報(テキストなど)よりも、長く脳に保存されることが科学的に証明されています。

文字情報より視覚情報の方が記憶に残りやすいということを「画像優位性効果(Picture superiority effect)」と呼ばれています。ただ、デジタルマーケティングにおいて「絵の優位性効果」が発揮されるためには、一貫性が非常に重要です。

カラースキーム・フォント・ロゴなどブランドが発する情報全ての一貫性を保つことによって、ユーザーに対して自社が「何を提供しているのか・何に価値を置いているのか」を明確に伝えることが可能となります。

記憶に残るビジュアルは、ブランドを競合と区別し、独自のアイデンティティを確立し、全体的なブランド認知を高めることに繋がるでしょう。

 

check 複雑な情報を簡素化できる

ビジュアルコンテンツは複雑な概念やデータ、プロセスなど複雑な情報であっても、ユーザーが容易に理解できる形に情報を簡素化することが出来ます。

簡素化

 

check 感情に触れ、ストーリーを伝え、行動を喚起

私たち人間の意志決定の多くは合理的ではなく、感情的に行われるため、感情が引き起こされると情報が長期的に残ったり、行動に繋がる条件となります。

多くの情報を伝えることができる画像や動画は、喜びや悲しみ、共感、インスピレーションなどの感情を引き起こし、ユーザーに行動を喚起します。企業はブランドの価値観に合わせたビジュアルストーリーを作成することで、価値観を伝え、ユーザーとの繋がりを人間味のある強固なものにします。

事実、 動画を含めるツイートは、含めないツイートと比べて、約 10 倍のエンゲージメントを得ることが分かっています。(出典:X Blog)さらに、画像付きの Facebook 投稿でも同様、画像なしの投稿と比較すると、エンゲージメントは2.3倍となることが多くの調査により実証されています。

 

ビジュアルコンテンツの特徴を知ろう

デジタルマーケティングで活用できるビジュアルコンテンツにはさまざまな形態があります。単独で活用できる動画やインフォグラフィックや、内容を補完するグラフやチャート、画像などもそうです。

それぞれの特徴を理解して、自社に最適なコンテンツ形式を選択しましょう。

check 画像・イラスト

テキストコンテンツを視覚的に補完します。

checkチャート・グラフ

長いテキストで説明するよりも、効果的に注意を引き付け、情報を整理することができるのがチャートやグラフです。コンテンツにグラフを組み込むことで、エンゲージメントを高めることができます。

check インフォグラフィックス

画像、ベクター、グラフィック、タイポグラフィーなどを駆使して重要ポイントを直感的に情報を伝達できることができるため、特に海外では人気の高いビジュアルコンテンツタイプです。

グラフィック要素を適切に配置し、ユーザーを視覚的に惹きつけることを意識して作成するため、デザインテクニックが必要です。注目を集める状況では、ストック画像は効果が低く、イラストやインフォグラフィックが最もパフォーマンスが高いと考えられています。

インフォグラフィック

check 動画

多くの情報を伝えることができるため、もっとも重要かつ有用と考えられるコンテンツ形式です。場所や時間を選ばずに消費されています。

Googleの調査によると「ユーザーの80%は買いたい商品を探す際は検索エンジンではなく動画で調べる」と報告されています。また、購買力の高いミレニアル世代の40%は「動画を信頼できる情報源である」と回答しています。

近年では比較的低予算で誰でも簡単に動画を作成することは可能ですが、ブログコンテンツやインフォグラフィックと比較すると、やはり動画の方が制作がテクニックが必要となるうえ、時間とリソース、費用もかかってしまうのが現実です。

check GIF・アニメーション

動画と比べると容量が小さく、さまざまな媒体に掲載が可能なのがGIFやアニメーションです。GIFは自動再生されるため、ユーザーの視点に留まりやすい。GIF・アニメーション共に、静止画より訴求ポイント・メッセージが伝わりやすいのが特徴です。

check ebook・ホワイトペーパー

BtoB企業に親和性が高いコンテンツ形式です。ブログコンテンツでは扱うことのできない、より詳細で深いテーマや専門知識などをホワイトペーパーや電子書籍としてユーザーに提供します。

ユーザーの興味・関心が高いであろうテーマで作成することで、よりダウンロードされやすくなり、リード獲得や最終的な売上を増やすための効率的な情報源となります。制作に時間がかかり、ダウンロードされるための工夫も必要です。

 

さいごに

デジタルマーケティングのエンゲージメントを向上させるには、ビジュアルコンテンツが欠かせません。画像とテキスト、テキストと動画など、それぞれに関連性があり、情報を補完し合う形で配置しなければビジュアルコンテンツの本来の効果は得られません。

海外向けにソーシャルメディアの活用が欠かせない現代、視覚的にアプローチできるビジュアルコンテンツを上手く活用することで、施策の効果も異なってきます!海外ユーザーの心を惹きつけるグローバルマーケティングをお考えでしたら、ぜひお気軽にご相談下さい。お客様ごとに異なるご状況・課題に合わせて最適な戦略をご提案いたします。

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。