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2022年06月16日

世界で注目される新SNS、10選
~世界のSNSトレンドを知ろう~

2022年、注目のソーシャルメディア ソーシャルメディアトレンド

現在、世界のソーシャルメディアユーザーは46億人を突破し、世界の総人口の58.7%が日常的にソーシャルメディアを利用しています。

「単なるコミュニティサイト」として、世界で初めてソーシャルメディアが誕生してから今年で約26年。今では人々の生活に欠かせない「デジタルインフラ」の1つであり、企業と消費者を繋ぐ重要なパイプラインの1つになっています。

企業におけるソーシャルメディアの「重要性」を考えると、海外進出を目指す企業やすでに海外市場開拓に取り組んでいるマーケティング担当者も、常に最新のソーシャルメディアトレンドを把握し、理解してSNS戦略を進める必要があります。

そこで、今回は2022年、注目すべきソーシャルメディアの傾向と、世界で注目される新しいソーシャルメディアをご紹介していきます。流れの早いこの業界が、どのような方向に進むのか、しっかりと目を光らせておきましょう!

 

目次

 

 最新、世界のソーシャルメディアトレンド eye logo

2022年、注目のソーシャルメディア ソーシャルメディアトレンド

1.拡大するソーシャルコマース!eye logo

これまで多くの企業は、FacebookやInstagram、Twitterなど主要なソーシャルメディアを「集客ツール」の1つとして活用してきました。しかし、近年は主要ソーシャルメディアでは、ソーシャルメディアからダイレクトに商品が購入ができる「ショッピング機能」が実装され、多くのユーザーがこの機能を利用しています。

コロナの影響もあり、今までネットショッピングを利用してこなかった年代が初めてネットショップを利用し始めるなど、ソーシャルコマースの利用拡大を後押しする形となりました。

2022年、アメリカにおけるソーシャルコマースの購入者は、9,720万人以上を超えており、2025年までに8兆円市場まで成長すると言われています。また、主要ソーシャルメディアのほとんどがソーシャルコマースに投資しており、今後もこのトレンドは拡大していくと予想されています。

 

2.BtoBまでカバーする⁈「TikTok」の拡大戦略 eye logo

2021年、中国のソーシャルメディア企業に対する厳しい規制にも関わらず、TikTokの広告収入は300%増加したと報道されています。2021年7月以降、ByteDance(TikTokの親会社)の国内広告収入が前月比0%であったことを考慮すると、海外でのTikTokのシェア拡大は、目を見張るものがあります。

現在のTikTokの月間アクティブユーザーは10億人を突破しており、2020年半ばから45%増加しています。この10億人以上のユーザーの居住地域などは明らかにされていませんが、米国の10代の69%がTikTokを利用し、90%のユーザーが毎日ログインしていることがわかっています。

他のソーシャルメディアと比較すると、TikTokをマーケティング施策として取り入れる企業は、まだまだ少数派です。BtoB企業に至ってはほとんどの企業は取り入れていないのが現状です。しかし、注目すべきは今後TikTokは広告プラットフォームの拡充・ビジネスプロフィールなどに多額の投資をしているという点です。今後、「若者向けソーシャルメディア」「BtoC向け」だけでなく「ビジネスツールとしての活用」にも着手していくと推測されます。このような動きに注目しつつ、BtoB企業であっても、今後、TikTokが自社のソーシャルメディア戦略にどのような影響を及ぼすかを、注視しておきましょう。

 

3.短編(ショート)動画コンテンツ eye logo

TikTokの人気拡大や、Instagramのストーリーズ・リールの拡充を見ても、短編(ショート)動画コンテンツのトレンドは続くとみられています。

事実、2020年TikoTokに対抗するためにInstagramが「Reels」を導入、YouTubeも新機能として「YouTube Shorts」を、Twitterもテキスト・画像・動画を共有できる「Fleets」を実装しています。これだけでなく主要ソーシャルメディアのほとんどのが短編(ショート)動画を共有できる機能に注力していることから、今後も短編動画の動向は見ていく必要があると言えるでしょう。

この形式による広告は、視聴持続時間の短縮だけでなく、スマートフォンをはじめとするモバイル経由の動画視聴に適しています。

 

4.ユーザー生成コンテンツ(UGC)の利用が拡大 eye logo

ソーシャルメディアマーケティング戦略にユーザー生成コンテンツを取り入れる企業が増加しています。UGCは、従来の広告よりも安価であり「親近感・信頼感」を高めることができます。そのため、より多くのコンバージョンを獲得することができるのです。

UGCの画像はコンバージョンに至る可能性が81%も高く、従来企業主導で行うブランディングよりもUGCの方が「信頼性が高い・本物である」と、感じる可能性が2.4倍高くなります。

Airbnbのソーシャルメディアコンテンツは、ほぼUGCで運用されているなど、企業の多くがUGCを自社マーケティング施策として活用しています。

 

5.ソーシャルメディアでもAR・VRの採用が進む eye logo

5Gによる通信ネットワークの強化などにより、ソーシャルメディアでも「AR・VR」はより主流になると予測されており、その規模は2023年までに年間750億ドルの「収益」に達すると言われています。

VRに関してはまだまだこれからという段階ではありますが、ARは2017頃からInstagramなどいくつかの主要プラットフォームで利用されています。元FacebookのメタもARスマートグラスを発売し、音楽の再生や通話はもちろん、写真やショート動画の撮影、アプリを通じてFacebookに共有できるなど、拡張現実は企業のソーシャルメディア戦略にとって、潜在的な可能性を秘めています。

2021年時点で48%のユーザーが何らかのAR(拡張現実)を用いたコンテンツに触れていると言われています。

 

世界で注目される新しいSNS

check TikTok

2022年、注目のソーシャルメディア tiktok

やはり今年注目すべきソーシャルメディアは「Tiktok」です。

TikTokは、2016年中国企業であるByteDanceがサービスを開始して、短期間で爆発的な人気を博している中国発の動画配信プラットフォームです。2021年9月時点で月間アクティブユーザー数は10億人を上回ります。Facebook以外で30億ダウンロードを達成したのはTikTokが初めてになります。

2021年3月時点で25%のユーザーが10代によって構成されており、30代以下の若い世代に支持されているプラットフォームです。コンテンツのほとんどは流行りの音楽やサウンドを織り交ぜた短尺動画です。ユーザーはそれらの音源と自身で撮影した動画をミックスしてオリジナルコンテンツとしてTikTok上で配信します。

TikTokをマーケティング手段としてビジネス活用しているマーケターは、2021年時点で9%程度ですが、広告プラットフォームの開発やビジネスプロフィールなどに多額の投資を実施していることからもBtoB企業であっても、今後TikTokの動向に注目しておく必要があります。

Chipotleというブランドはハッシュタグを活用してファンに動画投稿してもらうキャンペーンを実施しました。この施策は10億ビューを超える動画視聴を達成しブランド認知に成功しました。TikTokをマーケティング施策として上手く活用した事例も数多くあります。

check Reddit

2022年注目のソーシャルメディア reddit.com

アメリカ発の2ちゃんねる「Reddit」は、2005年からサービスを提供しており、全く新しいプラットフォームではありません。しかし、月間アクティブユーザーが4億3000万人に達していて、「Facebookに次ぐ、第二のソーシャルメディアマーケティングの集客チャネルになる可能性がある!」と、言われているにも関わらず、まだまだ日本での知名度は低く、多くのブランドやマーケターから見過ごされているようです。

Redditのトラフィックの半数は、アメリカが中心ですが、イギリス・カナダ・オーストラリア・ドイツかも増加しています。ユーザーの年齢層は、18歳~29歳が64%を占め、30歳~49歳が29%となっています。

RedditにはAdsプラットフォームを通じて広告を出稿することが可能です。Reddit広告の種類は、サイドバーに設置するディスプレイ広告やインフィード広告があります。コミュニティやデバイス別、場所、ユーザーの関心事など、さまざまなターゲティングオプションを選択することができます。Google広告と比較してCPCが安いため、細かなターゲティングとコストを抑えた運用を行うことが可能です。

 

check Clubhouse

2022年、注目のソーシャルメディア cclubhouse.com

2020年に急速に人気を博した紹介制のソーシャルオーディオプラットフォームです。ポッドキャストやラジオとまではいきませんが、より個人的な情報をリアルタイムに会話を楽しむことができます。

2021年末までには、毎週200万人のアクティブユーザーを獲得し、大きく成長してきました。ユーザーの半数以上は18~34歳の若者層で構成されており、35~54歳は42%、55歳以上は2%です。(Statista)

Clubhouseに参加するためには招待コードが必要です。現時点では出稿できる広告もなく、現在のところインフルエンサーマーケティングを中心としたマーケティング施策になっています。

 

check Spotify Live /(旧Spotify Greenroom)

2022年、注目のソーシャルメディア spotify LIVE

2008年にローンチされたデジタル音楽配信プラットフォームSpotifyが提供するライブ配信アプリSpotify Liveは、共通の興味関心を持つユーザー同士が音声で繋がるプラットフォームです。

Spotifyは音楽・ポッドキャスト・動画など全世界のアーティストが提供する5000万以上のコンテンツを楽しむことができます。メールーアドレスの登録やFacebookアカウントとの連携のみで“無料”で利用することができるため、多くのファンを獲得しました。

Spotify Liveでは音声のライブ配信やその音声をポッドキャストとして配信することが可能で、このような機能を通してアーティストとそのファンとのコミュニケーションを活性化しています。

 

check Discord

2022年、注目のソーシャルメディア discord

2015年にローンチしたコミュニティープラットフォームです。創立当初は、ゲーマー向けのコミュニティアプリでしたが、その後、チャットアプリとして方向転換。2021年9月時点で月間アクティブユーザーは1.5億人を誇る、メジャーなチャットコミュニティーとしての地位を築いています。Discordではゲーム実況をライブ配信することができ、そこでホストやユーザー達がチャットを通じてコミュニケーションを図ることができます。

Discordの特徴はライブ配信内で広告表示がないことです。その代わりに、ゲームブランドは自社ゲームタイトルのチャンネルを開設することによってユーザーとの接点を作っています。企業はゲームプレイのコツや新しい情報を提供しユーザーとの繋がりをより、深めロイヤリティを高めています。製品に関するユーザーからのフィードバックをダイレクトに収集することでサービス向上へ繋げることができるのです。

日本語でも利用可能です。

 

check Twitch

2022年、注目のソーシャルメディア twitch

Twitchは2011年にサービスを開始したライブ配信プラットフォームです。22年1月時点で1.4億人の月間アクティブユーザー数を誇ります。ゲームプレーヤーがゲ—ム実況配信を通じて視聴者とリアルタイムで交流する点が大きな特徴です。ゲームプレーヤーは自身のプレイ内容を録画することもできるほか、視聴者に対して有料の限定コンテンツを提供する機能も活用することもできます。

“ゲーム”がメインコンテンツですが、料理・スポーツ・音楽などテーマは幅広く、eSportsやフェスティバルのリアルタイム配信などにも利用されており、1日に3,000万人のアクティブユーザー数に達することもあります。

メインとなるユーザー層は16~34歳の若い年齢層です。

企業やブランドがユーザーと接点を持つ方法として、広告の活用やスポンサーになり実況者に自社コンテンツを紹介してもらう方法、自社自らがチャンネルを立ち上げるなどの活用が出来るでしょう。独自のエモティコンを提供して自社プレゼンスを高めるユニークな機能も実装しています。

 

check Telegram

2022年、注目のソーシャルメディア telegram

Telegramはロシア最大のSNSであるVKontakteの創始者ニコライ・デゥーロフとパーヴェル兄弟が2013年に創設したメッセージングアプリです。プライバシーの保護に重点を置いた新興のメッセージングアプリであり、パスコード入力や2段階認証設定はもちろん、メッセージの暗号化などもできるのが特徴的です。ユーザーはチャットを通じて、ファイル、動画、写真等を共有することができます。最大で20万人のユーザーが参加できるグループチャット機能もあります。

Telegramはここ数年で急速に成長し2021年1月には最もダウンロードされたアプリとなりました。現在、月間アクティブユーザーは5.5億人を誇る規模に成長しています。

2021年10月に広告表示をテストとして開始していますが、広告はパブリックチャンネルのみに限定して表示されます。広告を通じた個人情報へのアクセスや広告をクリックしたかどうかのトラッキングはしていないとTelegramは伝えています。広告主はターゲティングする際にデモグラフィックや興味関心に基づくのではなく、トピック、チャンネル、言語を軸にターゲティングすることができます。

ブランドは自社チャンネルやカスタマーサポート向けのチャットボットを開設することで広告を使用しない自然流入によるユーザー獲得を実現することができます。

 

check Polywork

2022年、注目のソーシャルメディア polywork

Polyworkは2021年にローンチしたビジネス向けプロフェッショナルネットワークの交流を目的としたSNSプラットフォームです。役職名や学歴では語れない個々の能力や役割にスポット当てるというアイデアのもとにPolyworkはスタートしました。

ビジネス向けソーシャルメディアの代表格として「LinkedIn」がありますが、LinkedInが履歴書をベースとしたコミュニティであるのに対し、Polyworkはユーザーがプロジェクトや活動などを共有できる動的なコミュニティを作り上げています。ユーザーは他のユーザーと交流することで新しいプロジェクトやサイドビジネスに参加する機会を得ることができます。Space Stationという機能を設けユーザーはどのようなプロジェクトや役割として参加できるかを公開し新しいビジネスチャンスを獲得することができます。

Polyworkはまだテスト段階であるため承認制となっています。参加したい場合は、こちらからTwitterでフォローしてウェイティングリストに参加するか、既存メンバーからの招待を受ける必要があります。

LinkedInも公式ブログでPolyworkについて言及し、Polyworkを分析していることから、LinkedInとしても目が離せないソーシャルメディアであることが伺えます。今後、Polyworkがどのように成長していくかは注目する価値がありそうです。

check Yubo

2022年、注目のソーシャルメディア Yubo

Yuboは2015年にサービスを開始したフランス発のライブ配信プラットフォームです。Yuboでは動画によるチャットを通じて他者と交流し、フレンドに追加したユーザー間でライブチャットを通じで対話することができます。

現在40ヶ国で利用が可能で、6500万人以上のユーザーを獲得しています。フランス発のサービスですが、米国とカナダのユーザーが全体の60%を占め、アクティブユーザーのほとんどは英語を母国語としています。コロナが始まった2020年初めには、デイリーアクティブユーザー数が3倍に増加しました。

Yuboは10代の若者層から多くの支持を得ています。その理由として、“安全性”に重点を置き、多額の投資を実施してきました。投稿されたコンテンがコミュニティーガイドラインに沿っているかどうか、人と独自アルゴリズムで24時間監視しています。電話番号等の個人情報をチャットで公開するとポップアップによってアラートを通知する機能も提供しています。ユーザーはSafety Hubという機能を利用して通報や質問することもできるようになっています。

Yuboはブランドに広告枠を提供していません。Yuboの存在は安全性やプライバシーに対するユーザーからの期待を反映しています。

 

check Halloapp

2022年、注目のソーシャルメディア halloapp

HalloappはチャットアプリWhatsApp創立時の初期メンバーによって2021年7月に開始されたばかりの新しいチャットアプリです。Halloappの特徴は電話番号によってアプリ内でフレンドを作る仕組みになっているため、必然的にHalloapp内で繋がりを持つフレンドは家族・親友・同僚等、近しい間柄に限られます。

Halloappの特徴としては、安全性の高さ・透明性を確立しています。全てのメッセージは暗号化されており、従業員であっても第三者が閲覧することはできません。また、Halloappはブログで、従来のソーシャルメディアは「21世紀のタバコであり、吸いこめば吸い込むほど病気になる」と現在のソーシャルメディアの在り方について明言し、警鐘を鳴らしており、Halloappでは「ボットなし・いいね!なし・広告なし・写真フィルターなし・アルゴリズムなし・個人情報の収集なし」と、徹底的な「ユーザー保護」と企業としての「透明性の高さ」を追求しています。

もちろん、Halloappへの広告出稿はできません。Halloappのマネタイズ方法としてサブスクリプション形式の機能を取り入れる計画があります。今後、Halloappがどのように成長していくのか楽しみです。

 

さいごに

海外では日本であまり知られていない、様々なSNSが登場してきており特徴もさまざま。
FacebookやInstagramなど既存のプラットフォームに代わる新しいプレイヤーが「独自の特色」を持ち、存在感を増してきています。既存プレイヤーも短尺動画投稿、ショッピング、AR等の新しい機能を拡充することによって、生き残りをかけてアップデートなどを実施しています。

SNSをマーケティング施策として取り入れる際は、SNSの独自の特徴について深く知り、活用していくことが重要です。海外ユーザーは日本人の想像をはるかに超えるほどSNSを活用しています。つまり、うまく活用することで海外市場の方がSNSマーケティングは大きな効力を発揮しうる可能性を秘めていえるともいえます。SNSを活用した効果的なグローバルマーケティングをご検討でしたら、ぜひお気軽にご相談ください!

ホワイトペーパー_海外マーケティングに役立つ!ビジネスに最適なSNS選定のヒント

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。