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2021年04月22日

「グローバル企業のD2C成功例」
~ECサイト・SNSの巧みな活用法~

巣ごもり需要で加速する!<「グローバル企業のD2C成功例」~ECサイト・SNSの巧みな活用法~

2021年、世界のオンラインショッピング人口は21億4000万人になると推定されています。これは世界人口の27.2%に相当します。オンラインショッピングもしくはECを活用する人々はここ数年で急速に増加しており、今後もオンラインショッピング人口は増加すると予測されています。インターネット接続が当たり前になり、コロナウィルスによる物理的接触が回避される情勢のなかで、この増加は当然のことと言えるでしょう。

また、ネット環境・国家的なインフラ整備だけでなく、企業が主導するECのムーブメントも見逃せません。中国「独身の日」(2020年の売上は12兆円!)、Amazonプライムデー、ブラックフライデー、サイバーマンデーといった大幅な割引キャンペーンも、ユーザーがオンラインショッピングに参加する大きなきっかけの1つとなっています。

この上昇トレンドを考えるとD2C(Direct to Consumer)をはじめ、企業が運営するECサイトの未来は非常に可能性があります。しかし、世界中に数多くのECサイトが乱立するなか、企業がただ単純にウェブサイトにEC機能を実装するだけでは、多くの情報に埋もれてしまいます。

そこで今回は、あなたのグローバルD2C・海外ビジネスを成功に導くために、大きく成長を遂げた「世界のECサイトベストプラクティス」をご紹介します!

 

Warby Parker

Warby Parkerウェブサイト
< Warby Parker >

Warby Parkerは、メガネフレームをオーダーメイドの直売で安く消費者に届けることをコンセプトとしたECサイトを運営しています。Warby Parkerの2010年の創業当時、アイウェアメーカーの「Luxottica(ルックスオティカ)」がグローバルなメガネ市場で大きな地位を占めていました。そこでWarby Parkerは、仲介業者によるマージンの発生しない顧客とのD2C取引、Eコマースを主軸とすることを決断。

美しくデザインされたWarby Parkerのウェブサイトでは、サイトが美しいだけでなく、シンプルでわかりやすいナビゲーション設計、優れたストーリーテリングを使い、企業メッセージを明確に伝えています。また「インターネットでメガネを購買する」というハードルを下げるために「5日間の試着体験」や「一律95ドルの価格設定」といったユーザーの心を揺らすキャンペーンを展開しています。

Warby Parkerウェブサイト

また、Instagram、YouTube、Twitterなどソーシャルメディアを積極的に活用し、「インフルエンサーの起用・ユーザーを巻き込んだコンテンツ・ユニークなSNSキャンペーン」を次々に展開。その結果、米国メディアFast Companyが発表した「2015年、最もイノベイティブな50社」では、AppleやAlibaba、Googleといったメガ企業をおさえて堂々の1位にランクインしています。優れたウェブサイトとSNSを効果的に活用することで相乗効果を生み出し、話題性を集めたのもWarby ParkerのD2Cが成功した大きなポイントの1つといえるでしょう

 

Leesa

2014年に設立されたLeesaは、人々の睡眠を快適にサポートするマットレスなどの寝具を販売するオンラインショップです。

https://www.leesa.com/ ウェブサイト

Leesaのウェブサイトをひと目みたときに気づくのは、ヘッダー部分に特別なオファーやプロモーション、目立つCTA(Call to Action)ボタンを配置している点です。また、ウェブサイトの全てのページに、ハッキリと見える場所に、シンプルで言葉に目的を持たせたCTAを適切に配置しています。

また、サイトをスクロールし商品にたどり着く前に「レビュー・実績・製造元」などを表示し、サイト下部にも「専門機関の調査レビュー」を掲載。「100日間の無料トライアル・10年保証」を設けるなど、消費者が高額商品を安心して購入できるように心理的ハードルを下げることを狙っています。Leesaは多額の広告費を紹介(リファラル)プログラム構築に充てることで、多くの優良な「口コミ」を積極的に集めて顧客との信頼構築に成功しました。このリファラル・マーケティング戦略は前回のこちらの記事でもご紹介したように、自動車業界で最も人気のある自動車ブランドの1つに上り詰めた「テスラ」も実践しています。

B2Bビジネスであっても導入事例などの「実績コンテンツ」が大きな差が生み出すように、B2Cにおいて「口コミ」が見込み顧客の背中を後押しする重要な要素であることは間違いありません。実際、B2C消費者の90%は商品を購入する前にレビューを検索・閲覧し、消費者の86%は口コミによるレコメンドを信頼しています。

不特定多数の人が商品やサービスに対して抱いた感想を知ることで、見込み客は商品やサービスに対する信頼を高めて商品購入へと進んでいくのです。

 

ModCloth

ModClothは、米国で人気のヴィンテージ系アパレルECサイトです。アパレル好きの創始者がこのショップを開設したのが大学1年生の時。創業当時は、商品の写真をデジタルカメラで自らが撮影、独学でPhotoshopを学び写真加工をしながら、現在は1億ドル企業へと成長しています。

ModClothのウェブサイトはとてもシンプルなナビゲーションを持ち使いやすい構造をしていますが、一般的なアパレルECサイトと大差はありません。では、なぜModClothはこれほどまでにユーザーを惹きつけることに成功したのでしょうか?

その背景には、顧客に徹底的に寄り添う「ブランド理念」をユーザーに明確に伝える戦略が大きく影響しています。まず、様々なメディアに登場するModClothのモデル達は、通常のアパレルブランドで行うエアブラシやPhotoshopでの加工を一切行わず、常に「日常の女性の姿」を映しだすよう努めています。ウェブサイト上でも「ブランドの価値」を明確に表明し、常にユーザーに寄り添う姿勢を貫き、強いブランド個性を作り上げています。

また、ユーザーが自らの意思を商品に反映できる「Be TheBuyerプログラム」を構築していることも見逃せません。そうしたうえで、「ユーザーニーズを分析したコンテンツマーケティング」「SNSを活用したインタラクティブなコミュニケーション」を徹底して顧客とのコミュニケーションに注力することで、顧客の信頼を勝ち取ってきたのです。現在、ModClothは多くのSNSフォロワーを獲得しています。Facebookは150万人、Instagramは72万人、Pinterestではなんと250万人以上のフォロワーです。

 

Dollar Shave Club

Dollar Shave Clubは、「アメリカで人気の男性向けカミソリのサブスクリプションサービス」を提供するECサイトです。Dollar Shave Clubの創始者であるMichael Dubin氏は父親の友人から海外から仕入れたカミソリの刃の販売を依頼されたことをきっかけに、この事業をスタートさせました。この話をした1週間後にはドメインを取得、見事なブランディングとデジタルマーケティング戦略により、僅か5年でユニリーバから約1000億円で買収されるほどにまで成長しました。

Dollar Shave Club ウェブサイト

Dollar Shave ClubのウェブサイトのTOPには、「問題を想起するような画像」と「問題を解決するためのフレーズ」、「シンプルで目立つCTA」という非常にシンプルな構成になっています。CTAボタンをクリックすると、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、自分にピッタリな製品を提案してくれるのです。非常にシンプルでわかりやすいナビゲーション設計を徹底しており、ウェブサイト訪れたユーザーが次に行うべきアクションをスムーズに表示しています。

Dollar Shave Club ウェブサイト

また、ウェブサイトのデザインは、「サイト設計」から「個別ページの細部」までビジュアル面(色やロゴ、スタイルなど)と機能面(UIコントロールなど)の観点から一貫性を持たせることを徹底しています。

Dollar Shave Clubはユニークなブランド動画、巧みなソーシャルメディア戦略、オウンドメディアの運営やコンテンツマーケティングなどを積極的に行うことで、「独特のユーモア・文化・ライフスタイル」を訴求し、ユーザーの心を掴むことに成功したといえます。(余談ですが、創始者Michael Dubin氏は、創業時に小売業の経験はありませんでした。当初はマーケティングや広告関係の仕事についており、ナイキ・任天堂などの動画マーケティングに関わっていたそうです。)

 

まとめ

企業のD2C成功や海外ビジネス拡大には、ECサイトは必須といえます。しかし、過熱するグローバルEC市場を勝ち抜くためには、従来のマーケティング戦略だけではなく、自社の魅力をいかにしてアピールできるか具体的な方法を考えることが重要です。今回ご紹介した海外の企業の例からもわかるように、グローバルサイトを基盤としてFacebook・Instagram・YouTube・Twitterなどソーシャルメディアを積極的にマーケティングに組み込みこむことが成功に繋がっています。

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吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。