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2022年02月04日

炎上必至!”やってはいけない”海外SNS戦略、18のケース
~ブランド毀損には気をつけよう…~

やってはいけない海外SNS戦略

B2B業界に相性の良いLinkedIn
世界で圧倒的ユーザー数を誇るFacebook
視覚的アプローチに優れたInstagram
テキスト × 拡散力の高いTwitter
画像や動画共有に特化したSnapchat
言論の自由を重視したParler
写真家やグラフィックデザイナーで大人気のFlickr…などなど、

ソーシャルメディアは世界中のファンやフォロワーと繋がる優れたツールであり、ほぼどんな業界であっても必要不可欠な海外マーケティング施策1つです。しかし、その一方で常に「炎上リスク」が存在することを忘れてはいけません。まして言語や文化、政治、宗教も違う海外向けにソーシャルメディアを運用する場合、当然現地に合わせた細心の注意が必要となります。

果たしてそれが正しく行えている企業がどれほどあるでしょうか?

今回は基本的な海外向けSNS運用における「“やってはいけない”海外SNS戦略、18のケース」について解説します。

目次

 

“やってはいけない”海外SNS戦略、18のケース

やってはいけないSNS戦略

ソーシャルメディアは、ユーザーとの繋がりを構築する優れたマーケティングプラットフォームではありますが、企業として投稿する場合は注意すべき点も多々あります。ここでは、決してやってはいけない避けるべき18のNG戦略について解説します。

NG1.「強引なセールス」

SNSは広告媒体としてのみ機能するものではありません。強引なセールスは社会的信用を失わせてしまう可能性すらあるので注意しましょう。

世界展開するハンバーガーチェーン「バーガーキング」が行った広告キャンペーン「WHOPPER SACRIFICE」は、Facebookアプリをダウンロードし、Facebookの友達リストから友達を10人削除するとハンバーガー1個が無料で交換できるクーポンを発行するというもの。

(ど、ど、どうしたらこんな企画が通るのでしょうか…)

もちろんFacebookはキャンペーンを即座にシャットダウンしました。

bking-whoppersacrifice

ソーシャルメディアはあくまで人間関係に支えられるものであることを理解し、フォロワーを遠ざけないセールス手段を講じる必要があるのです。

 

NG2.「ユーモアを安易に盛り込む」

“ユーモア”はバイラルコンテンツとしてソーシャルメディアを運用を行ううえでは、重要な要素の1つです。しかし、世界共通で肯定的に受け入れられるという確証のないものは、海外SNS戦略においては採用すべきではありません。

中傷や非難に値する可能性が少しでもあるものは、確実に避けなければなりません。また、海外をターゲットとする場合、国ごとに環境・思想・宗教などによって「ユーモア」と捉えることができる内容かどうかをしっかりと精査する必要があります。たかがユーモアと軽く考えず、受け止められ方の不明なものや不確定な要素は排除しましょう。

 

NG3.「不適切な記念日に触れる」

往々にして社会に刻まれるメモリアルな出来事には、表と裏の側面があります。一見するとタイムリーで優れた手法にも思えるかもしれませんが、なんらかの被害が出た出来事に触れることは、企業として多大なリスクを伴う行為です。

2017年アディダスがボストンマラソン完走者に対して“Congrats, you survived the Boston Marathon!” とメッセージを送信しました。ご存知の方も多いかと思いますが、2013年のボストンマラソンでは残忍なテロ事件が起こり3人が死亡、260人以上が負傷し、17人が手足を失いました。

アディダス社のSNSはもちろんこの内容は大炎上し、公式謝罪へと発展しました。不適切なメッセージは、同時に被害を受けた側を深く傷付ける心無い言葉に変わってしまう可能性があるので細心の注意が必要です。

 

NG4.「リアルタイムイベントを軽率に発信する」

注目を集めているイベントに対してコメントをすることは、企業からすると比較的簡単なトピックです。しかし、注目を集めるために、話題になっているニュースイベントについての言及やイベントを絡めたコンテンツでの発信もありますが、全てを軽率に扱うべきではありません。

「#Sandyの影響を受けています。安全を確保してください。今日はGap.comでたくさん買い物をします。あなたはどう?」

アメリカのアパレルブランドGAPは、米国で発生した大型ハリケーン・サンディとショッピングを絡めて上記のようなツイートをしました。しかし、ハリケーン・サンディによりアメリカ・カナダでは死者132名、避難者は数十万人に及ぶ大きな被害をもたらしていました。もちろん、この投稿は大炎上。ユーザーを大きく落胆させる結果となりました。

注目を集めるために盲目的にこうしたニュースを絡めての発信は不適切と言えるでしょう。

 

NG5.「無防備なハッシュタグ戦略」

インターネットは想像以上に炎上しやすい場所です。企業がSNSを利用する以上「Snark」つまり批判や否定的なコメントが意図せずに集まってしまう場合があります。

ニューヨーク市警はイメージ向上のために警察官との「友好的な写真を#myNYPDのハッシュタグと共にTwitterに投稿しよう!」と、市民に呼び掛けました。

#myNYPD

しかし!!

このハッシュタグ付きで投稿されたツイートの多くは、なんと「警察官によって攻撃される市民の写真」という予想外の事態となってしまいました。

無防備なハッシュタグを使った写真投稿の呼びかけなどによって、肯定的な意見を集めたかったところが真逆の結果を招いてしまった。という海外事例は少なくありません。

 

NG6.「ユーザーを反撃する」

大前提として、ソーシャルメディアはオープンフォーラムであるという原則を忘れてはいけません。たとえユーザーに否定的なコメントをされたとしても、否定をさらに強く否定するような反撃は、火に油を注ぐようなものです。

ブランド否定に関しては即座に対応するのではなく、たとえ苦情や侮辱であったとしても、それを何らかの改善へと役立てましょう。

 

NG7.「テンプレートを多用する」

定型的な回答を用意しておけば、確かに対応時間は節約できるでしょう。しかし、ユーザーはテンプレート応答であることを素早く察知し、企業に対する信頼も魅力も失ってしまいます。ソーシャルメディアを活用しているユーザーのほとんどは、「機械」ではなく「人」とのコミュニケーションを求めています。

海外SNS戦略において最も重要なポイントの1つは、「人間的要素」だということを忘れてはいけません。

 

NG8.「パーソナルな情報を明らかにする」

個人情報というといわゆる電話番号やログイン名などになりますが、こうした情報だけを守れば良いというものではありません。

もし、イーロン・マスク氏のように経営者本人が積極的に展開している海外SNSマーケティング戦略であれば別ですが、そうではなく企業として投稿するなら、運用者個人の身元がわかってしまうような投稿をすべきではありません。あくまで企業としてアカウントという意識を持ち、ブランドの背景にいる多様な人物を総合して、ブランド自体の個性を構築することが重要となります。

 

NG9.「価値観を押し付ける」

やってはいけないSNS戦略

残念ながらソーシャルメディアプラットフォームのユーザーは、そもそも露骨な広告宣伝は見たくはありません。ブランドとしての個性への共感は集まりますが、投稿内容が露骨な宣伝や価値観を押し付けるような投稿と感じる場合、あっという間にフォロワーに飽きられてしまいます。

投稿はあくまでターゲットとなるユーザーのタイプを考慮したうえで、自社の価値観を中心にした戦略で組み立てましょう。

 

NG10.「誤解を招く投稿をしない」

ソーシャルメディアは強力なプロモーションツールの1つです。受け取る人によって、さまざまな解釈ができてしまうことで、批判にさらされやすいリスクが存在します。

Brackberry ad from Iphone

2000年代、一世風靡した携帯端末「Blackberry」のTwitter投稿は、iPhoneから投稿され話題となりました。思わず、「Blackberry使ってないんかーい!」と、突っ込みたくなる投稿ですね。

例え、自社サービスを利用していなかったとしても、投稿する前に、その投稿に意図しない「意味・解釈・隠語」などが含まれないかを必ず確認しましょう。

 

NG11.「回答に時間がかかる」

どんなメディアであれ、不満を抱えたユーザーは素早い対応を期待しています。

Social Sproutの調査では、「79%のユーザーは24時間以内の回答を期待しており、39%以上の人は60分以内の回答を期待している」と応えています。

しかし、企業の平均回答時間は、なんと「5時間」(!)。

この数字をどう受け止めるかは、企業次第ですが、ユーザーの期待と実際の平均回答時間に大きな差があることは事実です。

適切な回答をするために時間をかけることは間違いではありませんが、適切な回答を準備するために時間がかかりすぎてしまっては本末転倒です。

 

NG12.「大量に投稿する」

ユーザーのため面白いコンテンツを量産する姿勢は素晴らしいですが、どんなに魅力的なコンテンツでも「過ぎたるは及ばざるが如し」です。

コンテンツボリュームを稼ぐために、同種のコンテンツや退屈なコンテンツを繰り返し投稿する単調なやり方では、かえってユーザーは離れていく確率が高くなってしまうでしょう。

 

NG13.「カスタマーサービスとして機能しない」

ソーシャルメディアは、優れたカスタマーサービスを提供できる場でもあります。また、ユーザーの多くもカスタマーサービスとして認識しているようです。

ある調査では、製品やサービスに問題のある場合、ユーザーが最初に頼る場所として「電話やメールよりも、ソーシャルメディアを選択する」と多くのユーザーが回答しています。

SNSユーザーとのコミュニケーションツールとして活用する場合、ユーザーからの質問やコメント・苦情に対しては敏感に反応し、素早い回答でユーザーの懸念を解決できるスキームを構築しておきましょう。特に海外向けの場合はコメントの放置や無視といった対応は、ブランドを損ねる致命傷になる場合もあるので注意しましょう。

 

NG14.「ほとんど活動しない」

コミュニケーションの場を立ち上げるだけ立ち上げて、何か告知があるとき以外はほとんど情報発信を行わないような海外SNS戦略を取っている企業が少なくありません。しかしながら新しい情報が追加されない場合、フォロワーが飽きて離れてしまうのは当然です。

TrustyShoppeは異なるテキストで同じ画像を使用していました。

ユーザーの興味を惹くためには、常に人気のハッシュタグを見つけたり、会話をフォローしたりといった地道な活動をは不可避です。

常に魅力なコンテンツを作り続けることは非常に大変です。しかし、ミーム・ジョーク・画像・動画などなあらゆる素材を活用することで、継続的に発信し続ける仕組みを構築することは可能です。

コンテンツを豊かにしながらユーザーを楽しませることで、魅力的なアカウントとなり、ユーザーとの長期的な繋がりを保つことへとが海外SNS戦略成功への道に繋がるでしょう。ネタが切れた場合は、素材を変えてみましょう。

 

NG15.「フォロワーを無視する」

残念ながらいまだに多くの企業は、ソーシャルメディアを双方向のコミュニケーションチャネルとしてでなく、ブランドプロモーションツールの1つとして認識し、使用し続けています。

フォロワーを無視することは、ユーザーの興味・関心を完全に失わせてしまう行為の1つです。炎上を恐れて下手に返信しないほうが良いとばかりに、コメントやユーザーからのフィードバックに一切返信しないSNS戦略は大きな誤りと言えます。

Sprout Socialの調査では、「ソーシャルメディア上で、無視されたり、敬遠されたユーザーの30%が、競合他社に乗り換える可能性が高い」と回答しています。また、ほかの調査でも、ブランドが単純に「いいね!」を返すだけでなく、コミュニティと交流すればするほど、ブランドロイヤリティが向上することもわかっています。

 

NG16.「デリケートなトピックに触れる」

企業がユーザー同士に活発な交流を生み出すための「テーマ」を話題として提供することは優れた海外SNS戦略の1つです。ただし、そのテーマは自社ブランドや商品に関するものに限ります。「政治・人種・宗教・ジェンダー」などに関わるデリケートなトピックは、あなたのビジネスの中心にない限りは避けておく方が良いでしょう。

このようなテーマは確かに話題性はありますが、ほとんどの場合ファンを遠ざける行為になってしまいます。

「Chick-fil-A」

アメリカで2番目に大きなチキンファーストフードチェーン「Chick-fil-A」の社長ダン・キャシー氏は、企業のSNSアカウントで「同性婚への反対」を表明したため、アメリカ中で抗議を引き起こしました。

同性愛者の活動家たちが大挙でChick-fil-Aの店舗を訪れ、店内でキスをした写真をSNS上に投稿する「キスの日」運動や、不買運動が起こるなどアメリカ中で大きな物議を呼んでしまいました。

 

NG17.「フォーマルに徹する」

ソーシャルメディアでは、ユーザーは機械ではなく実在の人とのコミュニケーションを期待しています。礼儀をわきまえるのは大切ですが、過度に制限した形式的なやり取りではユーザーの心を掴むことは難しいでしょう。

企業である限りプロフェッショナルではあるべきですが、明るい雰囲気で、仲間と話すかのような気軽なコミュニケーションができるようにしましょう。

 

NG18.「最終確認をしない」

公開前に綴りや文法の間違いがないか校正を実施しない企業は、往々として大きな失敗を犯してしまいがちです。

リアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』に出演していた実業家・スコットディシック氏は、スポンサー企業からの投稿指示 “How’s this copy Jade?” and “At 4 pm est, write the below.” もそのままInstagramに投稿してしまい大きな話題になりました。

そもそも間違いが多すぎる投稿は企業としての専門性を疑われ、ブランドイメージまで損なう結果となってしまいます。ソーシャルメディアとは言え、あくまで企業ブランディングを背負っているということを忘れずに、ミスのない運用に徹しましょう。

 

まとめ

海外SNSマーケティングは成功すれば企業を大きく成長させることができる施策ですが、不適切なSNS運用はブランドの信頼度を大きく下げ、ファンを遠ざけることになりかねません。どんなときも、ユーザーの心理に寄り添い、相手の立場に立って考えることが重要なポイントとなるでしょう。

日本よりもSNSマーケティングの効果を発揮する海外マーケティングにおいてソーシャルメディアを活用しない手はありません。SNSを活用した効果的なグローバルマーケティングをご検討でしたら、ぜひ私達にお申し付けください!

SNS運用バナー_C

 

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。