中国最大級検索エンジン「Baidu(百度/バイドゥ)」とは?
~概要・デジタル広告出稿方法を解説!~
中国検索エンジン「Baidu(百度)」とは?
~メディア特色・マーケティング活用を解説!~
こんにちは。チョウです。
中国検索エンジン市場でトップシェアをもつ「Baidu/百度」は2006年に日本支社を設立、Baidu Japanを通せば、中国に法人がなくても簡単にプロモーションできるようになりました。そして、弊社は国内で唯一、5年連続で、中国検索エンジン「百度 (Baidu)」より優秀代理店に認定されています。
今回は中国マーケティング戦略には絶対に欠かせない、「Baiduの基本」と「広告の種類」を広告運用者の管理画面と合わせて詳しくご紹介します!
中国主要検索エンジン「Baidu/百度」とは?
日本で「検索エンジンとは?」と聞かれるとGoogleやYahooと答える方が多いかと思いますが、中国では、全く事情が違ってきます。これは、中国政府が実施する「グレートファイアーウォール」というネット検閲システムが大きく関わっており、中国では海外ネットワークに安易に接続する事は出来ません。
「Baidu/百度」は2000年に設立され、現在月間ユーザーは8億人以上、1日の平均検索回数は100憶回(2017年調べ)。百度アプリ「手机百度」は8億ダウンロードを記録しています。中国の検索エンジンで約6.5割のシェア(2020年3月)を誇るといわれているのが「Baidu/百度」です。現在では中国の検索エンジンで不動の「1位」を築いています。
<Statcounter:Search Engine Market Share in China – January 2021>
合わせて下記記事もご覧ください!
「Baidu/百度」で出稿できる広告種類とは?
百度をマーケティング戦略として利用する際には、検索順位を上げるための「SEO」と、「各種広告の利用」が重要となってきます。さて、ここから本題ですが百度には用途に応じて主に下記のような広告メニューがあります。
①リスティング広告(検討度の高いユーザーの集客向け)
②アドネットワーク広告
③インフィード広告
④ブランドリンク広告
それぞれの広告にはどんな特徴があるのか見ていきましょう。
①リスティング広告
まずは恐らく皆さんが一番よくご存じであるリスティング広告から紹介します。Baiduリスティング広告もGoogleリスティング広告と同じ「索連動型広告」で、ユーザーの検索結果にマッチさせて広告を表示します。
掲載イメージは「デスクトップ」「モバイル」それぞれ下記のようになります。
広告掲載面
管理画面
こちら実際の「管理画面」ですが、ご覧の通り内容は結構複雑で、インタフェースに慣れるまでかなり時間がかかります。
検索習慣の違い
また、中国の検索習慣はだいぶ日本と違って、キーワードを掛け合わせての検索より、単一キーワードでの検索のほうがよく使われております。
マッチタイプ
Googleと違って、5つのマッチタイプがあり、詳細は↓下記の表をご覧下さい。
完全一致に関しては、Googleと一緒ですが、部分一致に関しては大きな違いがあり、おすすめとしては「部分一致(完全を含む)」を使った方が効率が良いかと思いますが、キーワードが少なすぎたり、検索数が少ないキーワードだと広告の表示回数が少なすぎてしまうこともありますので、ご注意下さい。
広告文に関しては、特に重要なポイントを1点だけ紹介したいと思います。
それは下記の例の様に「最上級表現は使えない」ということです。これは日本でも一緒ですが中国でも使用できません。
②アドネットワーク広告
PCやモバイル端末などBaidu/百度のブラウザやアプリ、動画サイト等といった様々なWebメディアにバナーやテキスト文などを配信するDSP広告です。性別や年齢、興味などのターゲティングが可能な広告で幅広いリーチを可能にします。
実は、今年(2017年)の10月から、百度アドネットワーク広告がすべて「百意」(BaiYi)に統一されました。「百意」を活用することによって、ディスプレイ広告やリマーケティング広告などの多様なディスプレイ広告に広告配信することができます。
これらを活用することにより、様々なアプリや動画サイト、PCサイトへの広告出稿が可能となります。
百度「百意」の管理画面
可能なターゲティング
上記は管理画面のイメージですが、こちらから「キャンペーンの設定」、「ターゲティングの設定」が可能です。
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- 「クリック数の制限」
- 「時間帯毎での配信設定」時間帯は時単位まで簡単に設置できます。
- 「配信地域の指定」中国本土なら、市単位まで指定可能です。
- 「配信したいメディアのカテゴリ設定」(健康、旅行、社交、エンターテイメントなど)
これにより、需要のある「特定カテゴリのサイトの訪問者を指定した広告配信」も実施することができます。
・「指定したキーワードの検索経験ユーザー」に対してもターゲティングが可能です。
例えば、下の図の様に「日本旅行」「日本自由旅行」「東京自由旅行」のキーワードを追加することにより、この「三つのキーワードを検索したことのあるユーザーに対する広告配信」ができるようになりました。
・「特定分野に興味のあるユーザーに対する配信」も可能です。
これらにより、更に効果的なターゲティングの設定が可能になりました。
それ以外にも、「百意」には、最近の「変更履歴の確認機能」や、「ランディングページスコアの計測機能」など様々な「運用支援ツール」が用意されており、配信状況に応じての調整がより簡単でかつ便利に行えるようになっています。
③インフィード広告
百度インフィード広告は、Baiduの公式アプリである、下記3つで配信可能です。
- 「手机百度(Baidu Mobile)」検索アプリ 600憶PV/Day
- 「百度贴吧(Baidu Fans)」 掲示板アプリ 35憶PV/Day
- 「百度浏览器(Baidu Browser)」モバイルブラウザ 1.3憶/Month
特にこれらのアプリは中国国内でも利用ユーザー数が非常に多く、広告のインプレッション回数を増やし「認知拡大」を目的とした利用であれば非常におすすめです。
広告掲載面
この中でも、特に「手机百度(Baidu Mobile)」は上記3つのアプリの中でもユーザーが多く、ウェブのアクセス数では1日平均が60億回と非常に魅力的多くのユーザーに利用されており、インプレッション回数を増やす効果が期待できます。
「手机百度(Baidu Mobile)」の広告掲載面
インフィード広告は「動画形式の広告」も可能です。また、ユーザーのフィルタリング方法として、「ユーザーが過去に検索したことのあるキーワード」というターゲティング設定を追加することもでき、広告と配信先ユーザーとの関連性を高めることができます。この様な機能を活用することで、広告の内容に興味度の高いユーザーに効率的に広告配信することが可能となり、結果広告をクリックする確率も高くなることが予想されます。
④ブランドリンク広告
指定した自社の企業名、ブランド名などを、ユーザーが百度で検索した際に「連動して表示される期間保証型の検索広告」です。
特徴
検索画面内に画像や動画の表示が可能で、より効果的に自社の「ブランド認知」を広げられることから、大手企業の大多数はブランドリンク広告を実施しています。
掲載イメージや特徴は様々なパターンがあります。例えば、他社にリスティングでキーワードを購入されていた場合でも、ブランドリンク広告を出稿していれば競合他社の広告はブランドリンク広告の下にしか表示されないため、より訴求力の高い場所に広告配信をすることが出来ます。また、平均CTRも40%程度であり「誘導効果」も高い広告配信となります。
ブランドリンク広告の効果
下記図は、ブランドリンク広告によってどのような効果があるかヒートマップなどにより可視化した一例のデータになります。
クリック数が多い部分が色に変化があり、ブランドリンク広告部分にクリックが集中している事がみてとれます。
表示形式
- テキスト型
- バナー型
- 動画形式
ブランドリンク広告を活用することにより、広告はユーザーの目に留まりやすくなります。
まとめ
中国の検索エンジンは独特の進化を遂げており、中国をターゲットに海外マーケティングを進める際には、中国に適したマーケティング戦略を練る必要があります。中国には各産業で「世界が注目する巨大市場」が広がっています。その可能性は無限大。
さまざまなアイデアを駆使して、自社にしかできないマーケティング施策をご提案します!


チョウ テンキョウ
中国の大学を卒業後、早稲田大学大学院に進学し修了。デジタルマーケティングの世界で活躍したいと思い、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在デジタルプロモーションチームのコンサルタントとして、Baiduや360のリスティング広告を中心に多くのアカウントを運用中。趣味は数学、物理と奈良旅行。