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2022年06月18日

観光客を呼び込む!
「デスティネーション・マーケティング」とは?
~今後の訪日需要に備えよう!~

ディスティネーションマーケティングKV

コロナの影響で、壊滅的なダメージが生じた観光業界ですが、2022年6月10日、制限していた外国人観光客の入国が再開されました。

現時点では98の国と地域の添乗員付きツアー客のみと限定的ではありますが、来るべきアフターコロナ時代のインバウンド需要復活に向けて、多言語デジタルマーケティングを戦略的に準備しておく時期にきています。

今回は、過去のインバウンド観光客の推移を振り返りながら、日本でも話題になりつつあった、Destination Marketing (デスティネーション・マーケティング)の基本を説明するとともに、デスティネーション・マーケティングを成功させるためのポイントについて紹介します!

目次

 

コロナ以前のインバウンド観光客の推移

2019年12月に発生した新型コロナウィルスの影響により、世界中の国境は閉鎖され、日本のインバウンド市場も大打撃を受けました。しかし、新型コロナウィルスが本格的に流行する以前は、インバウンド市場は毎年著しい成長をみせており、2011年の622万人から7年連続増加し、2019年には過去最高となる3,188万人に達しました。(リーマンショック後の数年に上下しましたが、1999年頃からは毎年増加し続けていました。)


<日本政府観光局(JNTO)_「日本の観光統計データ」を元にインフォキュービック・ジャパンで作成>

コロナの影響をダイレクトに受けた2020年は、オリンピックを開催しましたが、訪日外国人客は「24.5万人」でした。

一方で、日本政策投資銀行と日本交通公社が行った、アジア・欧米豪の12か国を対象に実施したオンライン調査によると「コロナ終息後に海外旅行したい国や地域」で日本は、堂々の” 1位 “という結果に。観光地としての人気は”健在”であることがわかりました!

 

「日本旅行」に関する”興味・関心” はどう変化した?

世界の「日本旅行」に関する興味関心はどの程度のものなのでしょうか?

気になったので、アメリカ・イギリス・オーストラリア・中国の人々が「Japan Travel」というキーワードの検索ボリュームの推移を、Googleキーワードプランナーを使って調べてみました。

推移を把握するために期間はコロナ発生前の「2019年10月から2022年5月」で絞ってみました。(※6月の数値はまだ見ることができませんので、「5月」にしています)

アメリカ:

Travel Japan の検索ボリューム アメリカ

イギリス:

Travel Japan の検索ボリューム イギリス

オーストラリア:

Travel Japan の検索ボリューム オーストラリア

中国:

Travel Japan の検索ボリューム 中国

この結果を見ると、どの国であっても現在はコロナ前の2019年10月と比較して、2022年に入ってから検索ボリュームが大幅に上昇していることが見てとれます。これだけ大幅に「Japan Travel」の検索ボリュームが上昇しているということは、人々の「日本旅行」に関する関心が非常に高まっていることがわかります。

 

インバウンド客を呼び込む「デスティネーション・マーケティング」とは?

Destination(デスティネーション)とは旅行や観光の”目的地”を指します。ディスティネーション・マーケティングとは、企業が提供する製品やサービス単体を売り込むのではなく、「目的地」を商品として捉え、顧客をその目的地に引き込み、地域や企業が経済効果を上げることを目指して行われるマーケティング手法のことです。

その規模は様々で、日本政府が目指す「日本」へのインバウンド客を増やすという施策も、市町村といった各自治体や1企業がインバウンド客に向けて行う小規模な施策もデスティネーション・マーケティングと呼ぶことができます。

ディスティネーションマーケティングの主な目的としては、さまざまな施策を掛け合わせることによって、観光客が旅行の行先を「検索・情報収集をする段階」から、ターゲットに”目的地”として認識してもらい、興味・関心を高めて最終的にはその”目的地”に来てもらうことです。

具体的にはその地域に興味を持つように、Web広告を掲載したり、多言語サイトを制作したり、SNSで情報を拡散したり、実際にインバウンド客が楽しめるプランを設けたりなど、目的や観光資源によってさまざまなベストな施策を掛け合わせていきます。

 

なぜ、ディスティネーション・マーケティングが適しているのか?

ディスティネーションマーケティングが訪日観光客に最適な理由の1つが「訪日外国人の傾向」にあります。下記の図は、2018年のインバウンド客の出身地を示したものですが、東アジアからのインバウンド客が73.4%と、際立って多いことが見て取れるかと思います。


ソース:やまとごころ.jp>

そして、実は、この訪日観光客、、、

なんと、61.9%が「リピーター」。つまり、2回以上日本を訪れたことがある人達で構成されています。この傾向は、2016年以降から顕著に増加傾向にあり、2016年から2019年で1.6倍に増加しました。観光庁:令和元年訪日外国人消費動向調査)

さらに驚くべき特徴として、香港からの観光客の58%、台湾の66.2%、韓国の61.1%、シンガポールの62.5%が「2~9回目の訪日観光客」なのです。さらに、さらに、私も驚きましたが、「10回以上も日本を訪れている、超ヘビーリピーター」も、香港からの観光客の29.7%、台湾からの19.4%、韓国からの14.7%、シンガポールからの10.4%で構成されているのです。つまり、このような観光客は既に日本の定番の商品や定番のルートはすでに体験済みで、さらなる新しい魅力を探しに日本を再訪問する傾向が強いということがわかります。

 

デスティネーション・マーケティング」に関する日本の動向

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デスティネーション・マーケティングは、海外ではあたり前の考え方として定着していますが、日本ではそれほど認知度が高くないのが現状です。しかし、インバウンド客の増加は日本政府が掲げる大きな目標の1つで、政府主導で政策が行われてきました。その一つが国土交通省の環境庁が進めるデスティネーション・マーケティング推進プロジェクト「日本版DMO」です。

日本各地のインバウンド関連の団体を政府公認の「DMO(Destination Marketing Organization:観光地域づくり法人)」として認定し、インバウンド事業の推進のために政府が支援することで、インバウンド業界を盛り上げようとする取り組みです。

政府主導の取り組みのため大きなお金が動いているのですが、平成31年3月29日に実施された「世界水準のDMOのあり方に関する検討会」の報告を見る限りでは、認定された団体であっても、デスティネーション・マーケティングに戸惑っている様子が伺えます。

日本ではまだ新しい考え方のため、いまだ手探りの状態という団体が多いようです。

 

デスティネーション・マーケティングを成功させるためのポイント

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では、デスティネーション・マーケティングを成功させるためには、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか?

1つは海外の最新の知見を取り入れることです。デスティネーション・マーケティングは日本では新しい考え方である一方、海外ではすでに定着した考え方です。そのため、海外の最新知見から学べることは多くあるでしょう。そして、もう1つは「日本の独自性」を鑑み、日本版のデスティネーション・マーケティングを突き詰めることです。

日本は地理・時代背景・カルチャーなど、様々な点から、海外とは異なった独自の特色を有した国です。そのため、日本独自のデスティネーション・マーケティングについても考える必要があるでしょう。

これらの観点を踏まえたうえで、 デスティネーション・マーケティングを成功させるためのポイントを紹介します。

point1.インバウンド客のカスタマージャーニーを分析し、必要な施策を行う

インバウンド客のカスタマージャーニーに着目し、必要な場所に適切な施策を行うことで、デスティネーション・マーケティングの成果を高めることができます。

日本へのインバウンド客の多くは、「日本が好き」という特徴がありますが、日本語が問題なく読めるかといえばそうではありません。日本人向けの日本語サイトは、インバウンド客は敬遠します。その代わりに多言語サイトや、母国で作成された日本観光に関するウェブサイトやソーシャルメディアから情報収集を行います。

インバウンド客を集客する場合、自社のWebサイトを充実させるだけでなく、インバウンド客の「カスタマージャーニー」を分析し、SNSでの情報発信に注力するなど、適切な仕掛けを組むことが非常に重要となってきます。最近ではカスタマージャーニーは短期間で移り変わる傾向にあり、最新の海外デジタルマーケティングに関する情報を常に更新することをおすすめします。

 

point2.SNSを効果的に活用し、爆発的な人気獲得を狙う

上記で自社のWebサイトの充実だけでは不十分と書きましたが、SNSを効果的に活用することで、人気獲得を狙うことはもちろん可能です。

海外では日本以上にSNSのビジネス利用が普及しているため、SNSコミュニティで人気が獲得できるような仕組みを構築し、Destination(目的地)の人気を高めるというのは非常に効果的なマーケティング手法の1つです。一方で、何もしていないウェブサイトが「ある日突然アクセスが集中する」ということはほぼ、ありません。注目を集めるきっかけとなるのは、ユーザーの心・感情を揺さぶる「写真」や「動画」などを活用して、定期的にかつ戦略的に集客していくことが必要です。

point3.インフルエンサー・マーケティングを活用する

現在、世界のデスティネーション・マーケティングにおいて、SNSの活用と同様に注目を集めているのが「インフルエンサー・マーケティング」です。

インバウンド客の興味は、日本の自然や建造物、文化などを「見る」ことから、文化や祭りを「体験する」ことに変わりつつあるといわれています。

人気インフルエンサーが現地で体験した内容をSNSに投稿し、その観光地がバズったということは往々に聞かれることです。昨今の動画やインフルエンサー人気を活用し、海外デジタルマーケティングを駆使し、Destination(目的地)をバズらせるということは十分有効なマーケティング戦略の1つになるでしょう。

 

point4.日本政府や都道府県、市町村が行う施策を確認し、協力関係のもとで進める

日本政府や都道府県、市町村が行う施策を常に確認し、協力関係のもとで進めることで、デスティネーション・マーケティングの成果はより大きなものになります。

現在は消極的ではありますが、今後日本政府は、インバウンド客の増加に向けて数々の施策を打ち出していくことが予想されます。それらの施策を常に確認し、協力関係のもとで行えることがあれば、積極的に参加することが望ましいでしょう。

しかし、これはあくまでも自社のみで進める施策ではないため、自社企業の思い通りに進むというわけではありませんので、その点は十分配慮することが重要です。

 

point5.デスティネーション・マーケティングに精通した企業との連携

デスティネーション・マーケティングは日本ではまだ新しい考え方になります。プロジェクトを軌道に乗せるためには、デスティネーション・マーケティングに精通した企業と連絡をとり、アドバイスを受けることが成功への第一歩です。

例えば、インバウンド向けの商品開発やサービス提供であれば、観光業に精通した企業からのアドバイスを受けることが近道になりますし、地域や企業の知名度向上のためには、海外デジタルマーケティングやWebマーケティング、SNSマーケティングや動画マーケティングに精通した企業と連携をとることが近道となります。

し、自社企業だけでの取り組みが難しいようでしたら、早めに専門家と相談できる経路を作っておくことが望ましいでしょう。

さいごに

新型コロナウィルスにより壊滅的なダメージが生じたインバウンド業界ですが、ワクチン開発のおかげもあり、いよいよ世界から日本への観光客が戻りつつあります。来たるべきアフターコロナ時代のインバウンド需要を取りこぼさないためにも、今から多言語インバウンドマーケティングを戦略的に準備しませんか?

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

当社の「コンテンツマーケティング(企画・記事執筆)、メールマーケティング」を担当しています。オーストラリアの永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。「愛のあるコンテンツ作成」がモットーの一児の母です。趣味はランニング・ヨガ・料理・読書。