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2023年01月06日

多言語デジタルマーケティング戦略の重要性
~今後のビジネスに必要な理由~

多言語デジタルマーケティング戦略とは

新型コロナウィルスによって加速したビジネスのデジタルシフト、ユーザーの購買プロセスの変化など、さまざまな影響により、多言語デジタルマーケティングの重要性が日々高まってきています。

さらに言えば、自社が海外戦略を意図していなくとも、少子高齢化による日本市場の縮小、海外企業の日本流入やインバウンド客の増加、外国人雇用などによる在日外国人の増加など、国境を超える人やモノの常態化により、今後どんな企業であっても「グローバル」を視野に入れた、デジタルコミュニケーション構築に直面する日はそう遠くないはずです。

歴史を振り返れば、”危機”は一時的な変化でなく、社会構造自体を大きく変化させる事象を引き起こします。近年で言えば、9.11のテロはプライバシーとセキュリティ関連の社会構造を変化させ、全世界のスクリーニングと監視レベルを引き上げました。2003年に発生したSARSは、電子商取引を加速させアリババやデジタル巨人台頭の道を開いたとHarvard Business Reviewでは述べられています。

今回の新型コロナウィルスも2020年の緊急事態宣言以降、世界の消費は大きく混乱し、市場環境や消費者ニーズが変化したことで、あらゆるコト・モノのデジタルシフトが加速しました。そのため、多くの企業はビジネス戦略の見直しを余儀なくされました。デジタルマーケティングも例外なく、あらゆる業種・業界において顧客接点の再設計が迫られており、「多言語デジタルマーケティング戦略」の重要性は日々高まっています。

そこで今回の記事では、重要性が高まる多言語マーケティングの基本から、成功に導くための大切なポイントなどをご紹介していきます。

目次

 

多言語デジタルマーケティングとは?

多言語マーケティングとは、ターゲットとなる国や地域の言語を用いて、自社コンテンツのコンセプトやメッセージを保ちながら、最適な形や方法でデジタル施策を実施することを意味します。多言語デジタルマーケティングには、多言語されたWebサイトはもちろん、多言語でソーシャルメディアを活用した情報発信、ブログコンテンツの活用、メールマーケティング、動画施策やデジタル広告施策などの様々な手法を用います。

インターネットによって人とモノがデジタルで繋がるようになった現在では、「多言語 × デジタル」の施策を行うことで、多くのユーザーに対して効率よくアプローチすることが可能であるため、海外でのビジネス展開を行う企業や訪日観光客などをターゲットとするインバウンド対策としても必要不可欠な施策の1つです。

 

今後のビジネスにとって、
多言語デジタルマーケティング戦略が必要な理由

SNS運用見直しチェックリスト商品を売り込んでいる

2022年、世界のインターネットユーザーは49億5000万人に達しました。これは世界の総人口の62.5%に達し、今でも日々ユーザー数は増加しています。周りを見渡しても「インターネットを利用したことがない人」を見つける方が困難なほど、私達の生活インフラの一部としてインターネットが浸透しています。そのため、「多言語 × デジタルマーケティング戦略」は、ビジネスを新たなレベルに引き上げようとする企業にとって、非常に強力なツールとなるでしょう。

では、多言語デジタルマーケティングを実施することで、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

1.顧客の拡大

言語に焦点をあてることで、多くの新規顧客にリーチすることが可能になります。英語・中国語・フランス語・スペイン語など、世界では約7,151もの言語が存在すると言われています。

日本語以外の言語によるマーケティング施策を展開することで、これまでカバーしきれなかった膨大な数の潜在顧客にまでアプローチすることが可能となります。そして、様々な国で自社のビジネスが認知されプレゼンスが高まれば、さらなる新規顧客の開拓、ターゲット層の拡大が見込めるでしょう。

以下は、世界で話されている言語のランキングです。

  1. 英語:15億人
  2. 北京語:11億人
  3. ヒンディー語:6億220万人
  4. スペイン語:5億4830万人
  5. フランス語:2億7410万人
  6. アラビア語:2億7400万人
  7. ベンガル語:2億7270万人
  8. ロシア語:2億5820万人
  9. ポルトガル語:2億5770万人
  10. ウルドゥー語:2億3130万人

〈出典:Languages of the world >

 

2.競合優位性の向上

海外進出に意欲的であっても、多言語マーケティング戦略を策定し実行に移している企業はまだまだ多くありません。そのため、多言語によるデジタルマーケティングは、競合他社との差別化を図る上でも優位に働きます。

他社が単一言語によるコンテンツしか展開していない中で、複数言語によるコンテンツを展開すれば、市場での優位性は自ずと高まります。

pointユーザーが直面する課題の解決方法や正しい情報など、潜在顧客のニーズに沿った情報を提供することで、より多くの人がウェブサイトにアクセスするようになります。もちろん、SEOの観点からの継続的なコンテンツ作りは必須になりますが、様々な施策を組み合わせることで、オンライン上でより高い可視性を獲得し、競合優位性の向上に繋がります。

 

3.顧客との信頼関係の強化

海外向けのマーケティング施策では、対面による関係構築が難しいため、コンテンツを通じて顧客との信頼関係を構築しなければなりません。WebサイトやSNSの投稿が現地の言語でローカライズされていると、投稿者が海外企業であっても、見た人はその企業に対して親近感や信頼感を抱きやすくなります。

米国・英国で調査サービス提供しているCSAResearch社の調査によると、海外顧客の75%は「自分の言語で行われているサービスの場合、同じブランドを再購入する可能性が高く、自国語でのカスタマーケアを望む」と回答しています。さらに、同社が実施したブラジル・中国・フランス・ドイツなど世界29か国3,000人を対象とした調査レポート「Can’t Read, Won’t Buy(読めない買わない)」では、「65%のユーザーは母国語でのコンテンツを好み、73%は母国語での製品レビューを望んでいる」との調査結果を報告しています。

この調査からもわかるように、ターゲットユーザーの国や地域にローカライズされた施策は、スムーズにユーザーとの信頼関係を構築し、強化することができるのです。

 

4.サイトトラフィックの増加

複数の言語によるマーケティング施策の展開は、単一言語によるものに比べ、圧倒的にアプローチできる数が増えます。多言語SEO戦略を組み込むことで、Webサイトへのトラフィックも増加し、トラフィックが増加すれば、自ずと売り上げの増加も見込めるでしょう。

しかし、単に「英語で情報を発信している」「英語サイトを作った」というだけでは、競合しひめく海外市場では、トラフィック増加は見込めません。ウェブサイトへの流入を含めた、全体のコミュニケーションを綿密に設計することが大切です。

 

多言語デジタルマーケティング戦略を成功させる大切なポイント

多言語デジタルマーケティング戦略が重要な理由

多言語デジタルマーケティングを成功に導くために、押さえておきたいいくつかのポイントがあります。

check「ターゲットの見極め」

多言語マーケティングを実施するにあたり、最も重要なことの1つは、ターゲットを見極めることです。市場におけるターゲットとなる顧客のペルソナや潜在顧客数、消費者の動向・傾向・購買習慣などを念入りに調査します。

  • そのターゲットとなる市場にはどれぐらい潜在顧客が存在しますか?
  • 地域のユーザーの行動・購買習慣・傾向はどのようなものですか?
  • その地域の文化の違いや共通点はどのような部分ですか?

ターゲットとなるユーザーイメージを明確にしたうえで、「ユーザーに伝えるべきメッセージは何か」、「何がユーザーの心に響くのか」、「どのような方法でアピールができるか」など、既存のコンテンツと新規市場との親和性を見極め、調整すべき点を洗い出して固めていきましょう。

冒頭でも述べているように、多言語マーケティングは、オリジナルのコンテンツに込められたメッセージが、現地の人々の心に響く形でローカライズされなければ意味がありません。多言語化を進める際には、オリジナルのメッセージが新規のターゲットを見極め、心に響くかどうかを今一度確認しましょう。

 

check「ローカリゼーション」

先述したように、世界で最も利用されている言語は「英語」です。しかし、世界中で2か国語以上を話せる人の割合は約60%、3か国語を話すトリリンガルも17%以上に達します。世界中のほとんどの人が英語を理解していますが、多くの人は母国語でのコミュニケーションを好む傾向があります。

世界で非常に多く利用されているスペイン語ですが、一言でスペイン語と言って地域によって使い方は大きく異なります。スペイン国内で話されるスペイン語は、スペイン国外に住むヒスパニック系住民が話すスペイン語とは異なります。ラテンアメリカの人々もまた異なる単語や用語を話すこともあります。さらに、日本の「お客様は神様だ」という言葉は、ドイツで「der Kunde ist König(お客様は王様だ)」となりますし、フランス語では「Le client n’a jamais tort(お客様は間違っていない)」と表現します。単に言葉を英語やスペイン語に翻訳したとしても、住む地域や文化などが異なれば、同じ意味になるとは限らないということを覚えておきましょう。

さらに言えば、ローカリゼーションと言っても「言語」だけではありません。国や地域の好み・文化・社会基準などに合わせた色や画像、サイトのUIデザインを合わせることも必要となります。言語はもちろんのこと、文化・価値観・社会的基準に寄り添う形で、ターゲットとなるユーザーがメッセージの意図を受け入れることができるように「ローカリゼーション」する必要が大切になります。

 

さいごに

多言語デジタルマーケティングは、海外ユーザーに対してインターネット上で自社のビジネスを宣伝するための優れたプロセスです。さらに、「新規開拓の手段」だけにとどまらず、オンライン上での満足度の高い顧客体験を実現し、信頼関係を構築することでロイヤルティ向上にも貢献する優れた手段です。

多くの企業が海外市場に眠る潜在顧客の争奪戦に参入する中で、多言語によるマーケティング戦略を打たないという選択肢は、もはや無くなったと言えるのではないでしょうか?これを機会に多言語デジタルマーケティング施策をお考えでしたら、ぜひ、お気軽にご相談ください。

ホワイトペーパー_はじめての海外デジタルマーケティング 目標設定メディア選定代理店選び

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。