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2021年08月19日

「アメリカデジタル広告市場動向」
~躍進を遂げるLinkedIn広告、ディスプレイ広告~

新型コロナウィルスによるパンデミックは、一人ひとりの価値観の変化はもとより、世界全体という非常に広範囲に影響を及ぼす前例のない世界的な現象です。

多くの国や地域の人々の生活様式は一変し、人々の行動は制限され、働き方、コミュニケーションなど大きな変化を経験しています。また、このコロナウィルスがもたらした大きな変化の1つは、世界全体の経済・社会におけるデジタルトランスフォーメーションの加速でした。このデジタル化の動きは、世界のデジタル広告市場の拡大を大幅に加速させています。

今後、ワクチン接種の普及などにより緩やかにパンデミック収束に向けて経済活動が再開されるとみられていますが、この危機で起きた「デジタル化」というパラダイムシフトは、収束後もこのまま継続していき、マーケティング領域においてもデジタル広告市場はますます成長していくと見られています。

今回はMagna社が発表した「2021年世界の広告市場予測」から、世界最大の広告市場の1つである「アメリカのデジタル広告市場」の現状と今後をご紹介します。

 

世界のデジタル市場の動向

まずは、経済成長の見通しから。

IMF(国際通貨基金)が2021年4月に発表した世界の経済成長の見通しによると、世界経済成長率は2021年は6%、2022年には4.4%になると予測されており、今後ワクチン接種の普及などによって(国により回復速度は異なるものの)世界経済は回復に方向に進んでいくと予測されています。

一方で世界の広告市場。

Magnaが発表した「Global Advertising Forecast 2021」によれば、2021年の全世界の広告費は2000年に記録した12.5%の増加を上回り、前年比14%増加し、過去最高額となる6,570億ドルに達する見込みです。出稿される広告費のうちデジタル広告フォーマットが成長の大半を占めており、デジタル広告売上は20%増加の4,190億ドルで、なんと広告売上全体の64%を占めています。今後、2022年には全ての広告売上の3分の2はデジタル広告が占めると予測されています。

この世界的なデジタル広告市場の拡大の背景には、新型コロナウィルスの影響によって多くの市場が後退するなか、生活様式の変化・デジタル化の加速、ビジネスモデルの変化などの影響によって、「デジタル広告」とは無縁だった企業が活発にデジタル広告を活用するようになったことに起因しているようです。

拡大する米国のデジタル広告市場

2021年、米国におけるメディア企業におけるネット広告収入(Net Advertising Revenues)は「史上最高の2590億ドル、前年比+15%」の見込みです。この増加は主にデジタル広告への投資の影響であり、過去40年間で最も高い成長率を示しています。

従来のメディア広告費は下落傾向(2020年Q2は-17%)にありますが、米国におけるデジタル広告の売上は前年比+24%増加しており、広告の総売上の70%近くを「デジタル広告」が占めます。

2022年における企業のマーケティング活動や広告費はさらなる拡大が予測されています。「回復しつつある雇用市場」「ワクチン接種の促進による経済活動の再開」「2022年2月北京で開催予定の冬季オリンピック」「2022年3月から始まる中間選挙」などによって、米国の広告市場は+8%、2800億ドルに達すると見込まれています。(出典:Magna

 

アメリカにおける主要な広告媒体

米国におけるデジタル広告メディアのなかでも「ソーシャルメディア広告、動画広告、検索広告」が市場の成長を牽引しています。また、最近登場したSNSであるクラブハウスなどの人気からも分かるように、「音声」を活用したデジタルオーディオ広告や、コロナウィルスの影響によって大きく成長したEコマースでのデジタル広告の活用も今後ますます成長していくようです。(eMarketer)

Mckinsey report
<この新型コロナウィルスの影響で、たった3ヶ月で10年加速したと言われるeコマース業界: Mckinsey Quarterly>

2021年、米国のB2B企業はディスプレイ広告に50億9,000万ドル、検索広告に53億6,000万ドルを消費すると見込まれています。

そして、驚くことにディスプレイ広告のうち32.2%はLinkedInが占めるとされています。日本とは異なり、米国B2B市場においてFacebookやTwitterよりも「LinkedIn」が活発に利用されていることがデータから分かります。ちなみに、米国でのLinkedInユーザー数は1億6000万人、世界で最もLinkedInユーザーが多い国なのです。(Statista)

今後はLinkedInやFacebookといったSNSでのディスプレイ広告の活用はますます拡大していき、2022年を転換期とし2023年以降はディスプレイ広告への投資額が検索広告を逆転するとまで予測されています。

 

まとめ

新型コロナウィルスの影響によりデジタルシフトが進む現在、企業に求められる理想のマーケティングの形も変化し続けています。そのなかでも優れた広告戦略は、ユーザーを惹きつけ、ブランド認知度を高めるためにも重要な施策の一つです。低コストから始めることができ、また的確なターゲットにアプローチできるデジタル広告は、海外ユーザーに対してオンライン上でビジネスを宣伝するための優れたプロセスです。

今回の記事でもご紹介したとおり、アメリカに向けたB2Bマーケティングでは「ビジネス特化型SNS」であるLinkedInの活用が強力です。製造業をはじめ日本からアメリカに向けたLinkedIn施策をご検討の際はぜひお申し付けください!

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吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。