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2021年06月03日

人はなぜシェアするのか?
「SNS、共有の心理学」
~本能的欲求と紐づく5大動機を解説~

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共有の心理学

SNSやソーシャルメディアは、なぜこれほどまでに発達したのでしょう?

テクノロジーの発達により、急速に進化したソーシャルメディア。現在ソーシャルメディアのユーザー数は、全世界で38億1000万人を超え、2025年には44億人を突破すると言われています。ソーシャルメディアは既に単なるツールではなく、人々の生活の一部として深く浸透しています。

FacebookやTwitterをはじめとするソーシャルメディアの発達により、個人の情報発信は以前とは比べモノにならないほど容易になりました。何か特別な才能に秀でていなくとも、有名人ではなくても、人々に影響を与えたり、世界中の人々から注目を集めたり、大きなチャンスを得ることができるのです。

しかし一方で、大量の情報やコンテンツがSNSやソーシャルメディアの目の前を通り過ぎていきます。人々はなぜ、こうまでしてコンテンツを共有するのでしょうか? なぜ投稿から数時間で数百万を超える「いいね!」に代表される人々の共感を得る投稿が生まれるのでしょうか? そして、SNS上で起きる「コンテンツを共有し、共感が生まれる」現象の裏側には、人間の本能的な何かが関わっているのでしょうか?

今回は、日々当たり前のように目の前で起きる「SNS、共有」という現象について、人間の心理面から紐解いていきます。

そもそも人は、なぜSNSで共有するのだろう?

Instagramで見ばえの良いランチの写真を共有したり。Facebookで結婚の報告をしたり。Twitterで社会の関心事へのTweetをリツィートしたり。SNSでは毎日ポストやコンテンツが共有され、新しい発見や可能性が日々生まれています。

では、人々はなぜ「SNSでシェア」するのでしょうか?

The New York Times Customer Insight Group(以下、NYT CIG )は、「人々がなぜコンテンツをSNSで共有するのか、そしてそれはどういったことを意味するのか」というテーマで調査を実施しました。この調査の結果興味深い結果が得られました。ユーザーがSNSで何かを共有する行為は、以下のような類型的な「動機」が存在するというのです。

check「自分がいいと感じるもの、人を喜ぶもの」を伝えるために共有する

例えば、自分がウェブ上で発見した「(あまり人が知らない)美味しい肉じゃがの作り方」をSNSで共有する。この共有の背景には「この肉じゃがレシピは自分が試してみて凄くよかった。世の中の料理好きな人も喜ぶに違いない(だから伝えたい)。」という人間の「価値あるものを他人と共有したい」という深い心理と結びついています。

NYT の調査における実に49%の参加者が「自分が関心がある商品を他人に知らせて、行動を促そうと考えることがある」と回答しています。

check SNSでの情報共有・拡散を通じて「自分の存在価値を確かめている」

「私が投稿したSNSコンテンツが『良い情報だ!』と友人たちが思ってさらに共有(拡散)されたときは凄く嬉しい。自分の存在価値を感じる」調査のなかでこうした回答がありました。

自分が投稿した情報が人にさらに共有されると嬉しいですよね。先程の「肉じゃが」の例えでいえば、自分のTweetの「いいね・リツイート数」が数万を越えて一種のバズ状態になるとき、投稿者が「あぁ、満たされる(自分の社会的な存在価値を感じる)」状態ともいえるでしょうか。SNSはこうした人間の承認欲求心理と連動していると言えるでしょう。

check「自分が好きなヒト・モノ・コトを応援するために」SNSで共有する

自分が好きなブランド・商品・有名人のSNS投稿を自分も共有することはありませんか?

「あの社会的に素晴らしい取り組みをしているジャガイモ農家の取り組みを共有して、社会が少しでもよりよくなるといいな。応援したい」

SNSは自分が信じたり、好きなヒト・モノ・コトを支持しサポートしたいときに絶大な効果をもちます。NYTの調査でも84%の人々が「自分の関心事が議論されているときに、支持を表明する手段として共有を行う」と回答しています。

check「他者との関係を育む」ためにSNSで共有する

これは少し意外に思われるかもしれませんが、人は「友人や知人との関係性を育み、維持するために」SNSで情報を共有するというのです。調査の実に78%の人々が「SNSでコンテンツを共有することで、他の方法では連絡を取ることができない人との繋がりを維持することができる」と回答しました。

皆さんの中にも学生時代の友達とFacebookだけで繋がっている、なんてことあったりしませんか? 実は、この友人・知人関係を維持しようとするモチベーションがSNSにおける共有の強い動機の一つになっているのです。

check 「自分の意見や姿勢」をSNSで共有することで、自分のポジションを明確にする

SNS上で議論されるトピックに対して投稿を通じて自分の意見や姿勢を述べることは、自分と他者の境界線をはっきりさせます。SNSの投稿を通じて「意見が異なる」という境界線がはっきりします。逆のケースでは「意見が同じ」という人とは境界線の内側に一緒にいる、という自他認識ができるのです。

NYT調査の68%の参加者が「自分が何者で、何に感心があるのかをより理解してもらうために共有をしている」と回答しています。

 

人間の本能的欲求と結びつく、SNS共有行動

共有の心理学

このように「SNSでの共有」は人の社会的・本能的性質に深く根付いていることが分かります。そう考えてみると、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedInといった主要SNSをはじめ様々なソーシャルメディアに「いいね!」「お気に入り」「シェア」機能が付属していることは興味深く、また必然と感じられるのではないでしょうか。(SNSが成熟した現代において、”結果的”に判明したことかもしれませんが)「いいね」や「シェア」は、人間が元々持っている本能的な欲求を満たす機能を果たしています。

人間の本能的な心理・欲求を満たしてくれるソーシャルメディア。「人の心を動かし、行動を起こさせること」を目的とするマーケティングにおいても様々な方法・形でソーシャルメディアは活用されています。そのなかでも「SNSでコンテンツがマスに共有・拡散すること(エンゲージメント絶対量の増加)」は、ソーシャルメディアマーケティングの目的のなかでも大きいものです。

そのうえで「SNSで共有したい」という人々の5つの動機を踏まえて、人々の共有を促すSNSコンテンツを作成するヒントをご紹介します!

 

「SNSで共有され議論を生むコンテンツ」を作るヒント

共有してもらうコンテンツ作りのヒント

企業がSNS・ソーシャルメディアマーケティングを実施する目的として、SNS上でのユーザーエンゲージメントを高めて自社の商品やサービスの認知度を高めることがありますが、それだけではありません。

より多くのユーザーに「共有」してもらうために企業⇔ユーザーとの繋がりを作るだけでなく、自社のSNSコンテンツをきっかけにしてユーザー同士でもお互いに「繋がりたい・会話をしたい」という動機をつくっていく必要があるのです。つまり「発信者(企業)⇔受信者(個人)」という一本のラインだけではなく「発信者⇔受信者⇔受信者⇔・・・」という関係性における「・・・」部分が表す放射状のモメンタム(勢い)をつくることがソーシャルメディアマーケティングの大きな目的であるといえるのです。

以下の企業や起業家が発信したSNSコンテンツは、数ある投稿の中でも突出して多くのエンゲージメントを発生させ、世論のウネリをつくることに成功しています。

1.LinkedInがFacebookで発信した「アメリカにおける黒人女性の就業機会に関する議論」


<LinkedIn@Facebook – 人々の行動を促す秀逸なコンテンツです。>

2.テスラ社CEOのイーロン・マスクがTwitterで投稿した「ビル・ゲイツ氏への反論」


<イーロン・マスク@Twitter  /「ビル・ゲイツと私が恋人同士だという噂は、まったくの嘘です。」>
CNBCでのインタビューにおいて、ビルゲイツがイーロンマスクのワクチンについての言及を非難。それに反応したイーロン・マスクの応酬がこれでした。この発言は人々の話題となり、大きな議論を巻き起こしました。

3.Wix社がFacebookで投稿した「頻繁なUpdateが必要となるWordPressを皮肉った動画」


<Wix @Facebook / またWordPressがおかしくなった?もっとオススメがありますよ>

これらのSNSコンテンツは、その時々の「ユーザーの興味・関心をはじめとする広範な心理」に寄り添い、人々の感情を巧みに刺激することで、多くの「共有・ユーザー同士の議論」を生みだしています。

こうした「共有され、世の中の議論を生む」SNSコンテンツを作成しマーケティングの効果を高めるためには、「ユーザーがSNSで共有する5つの動機」を念頭に置きながら、その時々のユーザー興味関心ごとに響くことを徹底しましょう。そうすることで、多くの人々の心を惹きつけるSNSコンテンツになるでしょう。

 

まとめ

「そもそも、人はなぜSNSで共有するのか」という根本的な疑問から始めることで、御社のSNSマーケティングは表層的ではない一貫したマーケティング戦略になるのではないでしょうか?今回ご紹介した「5つの動機」に加えて、「世の中にうねりを生んだ世界のSNSコンテンツ」を参考にしながら、自社ならではのSNSマーケティングを実施しましょう。

日本だけではなく、海外のユーザーやステークホルダーをターゲットにする場合は注意が必要です。 SNSコンテンツ内容だけでなく、ターゲット国で最適なSNS媒体は大きく異なってくるのです。もし、グローバルにSNSを活用したマーケティング・ブランディングにご興味がありましたら是非ともインフォキュービック・ジャパンにお声掛けください!

グローバルSNS広告バナー

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

弊社の「コンテンツマーケティング(企画・記事執筆)、メールマーケティング」を担当しています。オーストラリアの永住権取得後、思いもよらず日本に帰国。「愛のあるコンテンツ作成」がモットーの一児の母です。趣味はランニング・ヨガ・料理・読書。