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2021年04月08日

「世界基準のジェネレーション・ギャップ解説」
~Z世代からベビーブーム世代まで~

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いま世界は、ITの力で大きく変革しようとしています。

「人と人を繋ぐ – IT時代」から、「人とモノを繋ぐ – IoT時代」を経て、「ビッグデータ・人工知能(AI)」などを活用して、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を融合させる社会(PCS/サイバーフィジカルシステム)の構築がめざされています。

過去数十年を振り返ると、ネットインフラ整備やスマートフォンの普及などの一般的な環境整備のほかに、2010年にドイツで「Industrie 4.0(製造業界におけるIoT化を推進する国家戦略)」が提唱されたことを契機に、世界の「第4次産業革命」への流れがいっきに加速しました。アメリカでは、実世界とサイバー空間が相互連携した「サイバーフィジカルシステム」を社会実装すべく、AT&T・Cisco・GE社などが「Industrial Internet Consortium(IIC)」を立ち上げてPCSへの取組を推進。イギリスでは、国家イノベーション政策として「HVM (High Value Manufacturing) 」を採用。中国では、インターネットと製造業を融合させる「中国製造2025」が。タイでは、デジタル化を推進した長期成長戦略「Thailand 4.0 」。日本では「Connected Industries」を通じた新たな社会像「Society 5.0」や、「身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会」を目指す「ムーンショット目標」が構想されるなど、全世界で同時多発的に社会変革が推し進められてます。

ムーンショット目標
<内閣府:ムーンショット目標>

社会システムの構造が大きく変化するなか、企業のマーケティングはどうあるべきでしょうか?

IT時代黎明期においては、企業がウェブサイトを持っていること自体に価値がありました。しかし、デジタル全盛のいまや、ユーザーのアクションを期待して受動的に待っているだけでは、企業の存在価値は簡単に低下してしまう時代です。世界で変革が起こる「いま」だからこそ、マーケティング戦略を再設計することが大切です。

人は世代により、独自の嗜好や特徴があります。世代(年齢層)別の意思決定プロセス・嗜好性などを正確に理解することが、新しい時代のマーケティング戦略の成功につながります。

今回は「ジェネレーションZ」から「ベビーブーム世代」までの世代間特徴をまるっとご紹介します!

【50代~70代】「ベビーブーム世代」- 戦後の繁栄 –

ベビーブーム世代

dot 時代背景

ベビーブーム世代は、1946年から1964年までに生まれた世代を指します。現在50代後半~70代半。冷戦、ベトナム戦争、キューバ危機などの激動の時代を生きています。ドイツ、米国、カナダ、オーストラリアなどでは史上最高の出生率を記録。終戦を迎えた日本でも、第1次ベビーブームが起こりました。石油・自動車がメイン産業となり「大量生産・大衆消費市場の時代」に生まれ育っています。コンピューターは軍用計算機として研究が進んでいた時代。1964年、IBMが「システム/360」を発表。

dot 人口比率

ベビーブーム世代は、現在の世界人口の17%を占めています。

dot デジタルに対して

大量生産・大量消費を特徴とする第二次世界大戦後の繁栄期に育ったベビーブーム世代は、テクノロジーを生活の改善のための情報収集ツールとして認識しています。

2019年におけるソーシャルメディアの使用率:48.2% (eMarketer)

たとえば、米国における団塊世代の半数以上がオンラインで動画を楽しんでいます。また、Facebookを好んで使用しており同世代のユーザー数は3190万人です。オランダでも、この世代の75%がFacebookを利用しています。ちなみに、新型コロナウィルスに感染するリスクが高いベビーブーム世代によるソーシャルメディアの使用量が増加しました。

<Google : Online video websites used among video viewers ages 45+ >

dot 購買行動

ミレニアル(Y)世代やZ世代と比較すると、所得が多く、消費力があるという特徴があります。オンライン(EC)での購買に対して消極的なイメージがありますが、実際にはミレニアル世代と同程度の頻度でECを利用しています。大量消費の時代を生きたベビーブーム世代は、一度の購買で使用する予算が他の世代と比較して高い傾向にあります。

しかし、依然としてデジタルコンテンツへの信頼度は低く、従来の店舗での買い物を好む傾向が強いともいえます。

ベビーブーム世代は、人とのやりとりに基づくブランドの価値を高く評価しています。SNSのウェブストア機能などは、ベビーブーム世代を取り込む上で重要なツールとなっており、リアル店舗と同質のブランド体験価値を提供できれば非常に大きなマーケットとなるでしょう。

 

【30代後半~50代半ば】「ジェネレーションX世代」- 悲観主義・消費者批判・鍵っ子 –

ジェネレーションX

dot 時代背景

ジェネレーションXは、1965年から1980年生まれの世代のことを指します。現在30代後半から50代半ばで、ミドルチャイルド世代とも呼ばれます。「ベルリンの壁」崩壊、ニクソン・ショック、エネルギー危機、コンピューターの登場など、ライフスタイルやテクノロジーの劇的な変化を経験しているため、比較的変化に慣れた柔軟性のある世代です。1970年代後半から1980年にかけて、(特に欧米において)女性の社会進出が進み、両親ともに仕事を持つという時期でした。インターネットが登場する前に成人期に達した最後の世代です。

dot人口比率

X世代は、世界人口の19.5%を占めています。

dot デジタルに対して

1969年に米国国防総省による世界初のパケット通信ネットワーク「ARP Anet」、さらには、マイクロプロセッサ「4004」の登場により「情報通信時代」がスタートしました。IT産業の成長が始まった時代であり、また1970年代から始まるグローバリゼーションを経験しており、オンライン・オフラインの両方の組み合わせを好む、柔軟性を持った世代です。

2019年におけるソーシャルメディアの使用率:77.5% (eMarketer)

アメリカのX世代に最も人気のあるSNSはFacebookです。しかし、2018年の調査によると、米国におけるX世代の3人に1人はソーシャルディアを信用しておらず、56%がソーシャルサイトに広告が多すぎると嫌悪感を表しています。


<eMarketer : Generation X US>

dot 購買行動

他の世代よりも保守的に買い物をする傾向があります。この傾向は、X世代の特徴でもあり、マーケティングアプローチを行う際の最大の障害の一つでもあります。他の世代に比べてマーケティングに対して懐疑的 — つまり派手な広告・プロモーションではなく –、イノベーションと実用性など適度なバランスをとったメッセージが刺さる傾向にあります。

ジェネレーションXは、購買前に徹底的に調査する傾向があります。「検索エンジン」や「オンラインレビュー」「ソーシャルメディア・SNS」などを駆使して製品を調査します。製品の性能に疑問を持っていると、購買意欲を減退させるのです。

ジェネレーションXに合わせたマーケティングを行う際には、製品やサービスをオンライン上で目に付きやすく、アクセスしやすいものにすることが重要です。また、過去に購入した傾向からレコメンドされた製品に反応する傾向も強く、他の世代に比べ定期的にEメールをチェックする傾向があるため、メールマーケティングの活用は有効です。

ベビーブーム世代と同様に、ジェネレーションXも質の高いカスタマーサービスを提供する企業を重視・信頼する傾向にあります。

【10代後半~30代後半】「ミレニアル世代」 – ウェルネス・オープンマインド –

ミレニアル世代

dot 時代背景

ジェネレーションYは、1981年から2000年初頭生まれの世代を指し、ミレニアル世代と呼ばれています。1991年に世界で最初に誕生したウェブページ体験した世代です。アドビ「Photoshop1.0」や、マイクロソフトのWindows 95、AmazonやYahoo!!の誕生を目撃した世代ともいえますね。中国でも初の一般向けインターネット接続サービスの開始など、インターネットが一般人が活用できる時代に育ちました。

dot 人口比率

世界人口の約24%を占めています。

dot デジタルに対して

ミレニアル世代は、10代の頃から「最新のガジェット、SNS、ゲーム」に対して無制限にアクセスできました。学生時代にはFacebookやMyspace、日本ではmixiなどのSNSを日常的に使用し、最も早くSNSに慣れ親しんだ世代です。テクノロジーと共に成長し、「お金・富」より「体験価値やライフスタイル」を重視する傾向にあります。”すぐに、速く”情報を入手したいと考えており、情報に対する飢餓感が強い世代ともいえるかもしれません。また、モバイルフレンドリーである点も特徴の一つです。

2019年におけるソーシャルメディアの使用率:90.4% (eMarketer)

2018年米国におけるFacebookユーザー数は5850万人、Instagramは4330万人に達しています。また、ドイツのミレニアル世代の58%、オランダでは68%、イタリアでは79%がFacebookを使用しています。コンテンツとしては「経験・コトの共有」を好みます。


<Social Millennials- The Millennials Influence –Europe

dot 購買行動

ミレニアル世代の多くは、買い物の際にオムニチャネル(オンライン・オフライン含めた複層チャネル)を通じた情報へのアクセスを求めます。つまり、B2Cであれば、スマホやSNSの利用を念頭に「実店舗での購買、別製品リコメンド、嗜好の分析」など消費者データを基にした統合された体験の提供が重要です。複数のタッチポイントにまたがるオムニチャネル戦略は、ミレニアル世代の必須要件です。あらゆる購買チャネルを利用する可能性が非常に高いからです。

なお、同じミレニアル世代でも、若い世代(20-23歳)と高い年配のミレニアル世代(32-35歳)に分かれますが、若いミレニアル世代は「実店舗での購買」、高い年配のミレニアル世代は「モバイルでの購買」を好む傾向がある点は注目です。

ミレニアル世代はショッピングをイベントとして捉えることも、他の世代とは一線を画しています。Salesforceの調査によると、ミレニアル世代の40%の消費者は、パーソナライズされた「おススメ情報」を高く評価しています。HelloFreshDollarShave Clubのような合理化されたD2Cブランドの購買体験は、ミレニアル世代で爆発的な人気を獲得しています。ミレニアル世代はショッピングを楽しみ、友人や家族と共有する「楽しいリラックスした活動」として捉えていることが特徴的です。

しかしながら、リスクとして忘れてはいけないのが、彼らミレニアル世代は従来の広告フォーマットを嫌い、積極的に広告を閲覧することを避けます。そのため、ミレニアル世代の多くが広告ブロッカーを使用しています。

 

【9歳~20代前半】「ジェネレーションZ世代」 – 現実主義・自己実現・没入型

ジェネレーションZ

dot 時代背景

ジェネレーションZ世代は、1995年から2000年代以降に生まれた世代を指します。この世代はリーマンショック・9.11テロを経験しています。ネットバブル崩壊、FacebookやYouTubeなどのソーシャルメディアともに成長しており、小さいときからインターネットや携帯電話とともに育ってきたデジタルネイティブ世代です。生まれたときからiPhoneやiPadがある世代なので「iGeneration」とも呼ばれています。”テクノロジーのない世界”を知らない世代です。

dot 人口比率

世界人口の32%(2019年)を占め、今後も増加するとされています。

dot デジタルに対して

「デジタル技術が当たり前」デジタルネイティブであり、テクノロジーに精通しています。この世代にメッセージを届けるには、もはやスマホを始めモバイルデバイスは避けては通れず、コミュニケーションの中心はSNSです。最新の情報を得るために多くのソーシャルメディアを活用します。

ベビーブーム世代やミレニアル世代は、「友人や家族とのコミュニケーションツール」としてSNSを活用しますが、Z世代は主に娯楽プラットフォームとして活用します。インフルエンサーマーケティング時代に育ったこともあり、スポンサー付きコンテンツを容易に受け入れる傾向にあります。

なお、データやセキュリティへの関心は低い傾向にあり、高品質のデジタル体験と引き換えに企業に個人情報を容易に提供する傾向があります。Epsilonの調査によると、ほとんどの世代の50%以上がオンラインのプライバシーを懸念していますが、Z世代の22%は「まったく気にしない」と回答しています。

デジタルでの情報に触れ続けているため、他の世代と比較して「現実世界と仮想世界の境界線」はますます曖昧になっているといえます。

dot 購買行動

ソーシャルメディアなど豊富なデジタルリソースを活用して、「商品の価格・スタイル・在庫状況・評価」を比較し購買決定をします。価格面での検討を十分に行い、多くの人がセール中の商品だけを購入したり、最新の情報をキャッチアップして新商品の発売を待って購買するケースも多くみられます。

Z世代の情報収集はデジタルデバイスを通して行われますが、ミレニアル世代と同様に実店舗を来店して、友人との体験価値の共有や必要なもののリストアップをしっかり行います。実店舗での購買も好む傾向にあるZ世代に合わせたデジタルチャネルを用意することが有効です。象徴的な例として、SnapchatやInstagramStoriesなどのストーリー・物語化されたデジタル体験は従来のタイムライン形式よりも人気があります。また、SNS上でのイベントやコミュニティを作成するなどして、この世代との関係構築に努めましょう。

Z世代は、インタラクティブなデジタル体験とオンデマンドエンターテインメントを望んでいます。「拡張現実(AR)・仮想現実(VR)」は、Z世代から最も求められているデジタル体験の1つであることを覚えておきましょう。

 

まとめ

世代によって、心理・行動は大きく異なります。情報・コンテンツのパーソナライズ化が進む現代において、各世代に対応する顧客体験(CX・カスタマー・エクスペリエンス)の重要性は高まるばかりです。

変化を続ける世界において、自社のターゲット(ペルソナ)の世代特徴を押さえたデジタルマーケティング戦略を立てましょう。そうして、受動的ではなく、あくまでプロアクティブ・積極的にユーザーの心をマーケティングで掴みましょう!世代だけでなく、国境・言語を超えて、海外のユーザー感性を捉えたグローバルマーケティングをご検討でしたら、グローバル特化のインフォキュービック・ジャパンに是非ともお声掛けください!

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

弊社の「コンテンツマーケティング(企画・記事執筆)、メールマーケティング」を担当しています。オーストラリアの永住権取得後、思いもよらず日本に帰国。「愛のあるコンテンツ作成」がモットーの一児の母です。趣味はランニング・ヨガ・料理・読書。