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2022年05月18日

【2022年】オーストラリア、デジタル広告トレンド
人気の広告フォーマットや出稿時のポイントを解説!

Australia digital ad trend 2022

赤道を挟んで日本の反対側、南半球に位置する南国、オーストラリア。

今回は、豊富な資源や移民政策などにより、1991年から28年連続で「経済成長」を実現してきた、オーストラリアにおける2022年デジタル広告市場の動向や最新トレンドをご紹介していきます。

広告出稿に関する最新市況や注意点なども合わせてご紹介しますので、ぜひ貴社のデジタルマーケティングにお役立てください!

目次

 

「移民国家」オーストラリアってどんな国?

オーストラリアのデジタル広告フォーマット広告を出稿する際の注意点とは?

オーストラリアは、日本の約20倍という巨大な国土を持ち、2021年9月の調査時点の人口は2,589万人でした。新型コロナウィルスの影響により、人口増加にストップがかかりましたが、今後、2032年には2930万人にまで増加すると予測されています。

オーストラリアをターゲットとする場合、注意するべきポイントの1つとして、「移民国家」であるという点を忘れてはいけません。人口増加を続けるオーストラリアですが、実は人口の29.8%にあたる760万人以上が「移民」で構成されています。

その歴史は古く、1828年にイギリスの植民地となり、多くのイギリス移民を受け入れてきました。1901年にイギリスから独立しましたが、その後も白豪主義を続けました。その後、第二次世界大戦など世界情勢の変化に伴い、人口が減少。1970年代に白豪主義を撤廃し、「国力の基礎」となる人口を増加させるために「多文化主義」へと移行しています。そのため日本の生活からは想像できないほど多くの移民が混在しており、世界的に見てもオーストラリアは主要な「移民国」として認識されています。

私自身も豪州永住権を取得。移民の一人として生活をしていましたが、ご近所さんは二重国籍や三重国籍が多くおり、子供が通うローカル小学校でも、移民同士の子供など様々な人種が混在していました。

dot オーストラリアの人口構造

下記は「オーストラリアの人口構造」を表した図になります。移民大国であるオーストラリアを攻略するには、「出生地別の年齢割合」も考慮しておく必要があります。

Graph 1.4 Population structures for Australian-born and overseas-born - at 30 June 2020(a)(b) (1)
<Australia Bureau of Statistics _ Population structures for Australian-born and overseas-born – at 30 June 2020>

 

dot 国別・移民の数

2020年時点での具体的な「国別・移民数」は以下の通りです。

      1. イギリス : 1,112,950人
      2. インド : 721,050人
      3. 中国 : 650,640人
      4. ニュージーランド : 564,840人
      5. フィリピン : 310,050人
      6. ベトナム : 270,340人
      7. 南アフリカ : 200,240人
      8. イタリア : 177,840人
      9. マレーシア : 177,460人
      10. スリランカ : 146,950人

< 豪州移民局 >

ポイント

上記数字だけを見ると「イギリス」が最も多く移住してきているように見えますが、注意が必要です!オーストラリアは、近年まで非常に多くの「イギリス人」を受け入れてきました。しかし、2010年頃を境に、歴史上初めて「中国」の永住権取得がイギリスを上回っています。それ以来イギリスに代わり、最も多くの永住権を取得している国が「インド中国」です。

また、別の側面から、2016年の国勢調査によって、「オーストラリア移民の87%がシドニーなどの”首都圏”に住んでいる」ことがわかりました。一方で、「オーストラリア人で、首都圏に住んでいる割合は60%程」にとどまっていることも分かっています。

 

2022年、オーストラリアのデジタル広告市場

Linkedin統計データ 2022

PwCが作成した「IAB Australia Online Advertising Expenditure Report 2021(OAER)」によると、2021年、オーストラリアのオンライン広告は前年比+35.8%に拡大し、130億ドルに達しました。PwCは、市場予測を毎年発表していますが、新型コロナ以前に発表されたレポート「Entertainment & Media Outlook Report 2021-2025」では「124億ドルに達するのは2025年」と予測を出していたことを考えると、3年も早くもその予測を上回ったことになります。

では、2021年度の具体的な数字を見ていきます。
新型コロナウィルス対策として、非常に厳しい行動規制を敷いたオーストラリアですが、2020年に最も低迷した「求人広告」は、22億ドル超の+41.5%。「ディスプレイ広告」も51億ドルに達し、前年比+38.2%まで拡大しています。また、「検索広告とディレクトリ」は57億ドル、+31.7%に拡大するなど、全てのセクターで “2桁成長 ” を達成しています。

そして、注目すべきは、最も大きな成長を見せたフォーマット「動画広告」です。2021年、動画広告は28.8億ドルに達し「前年比+48%」という驚異の成長率でした。

 

オーストラリア・デジタル広告トレンド

dotリスティング広告(検索連動型広告)

「サーチエンジン広告」(検索連動型広告)とはネット広告の一つであり、YahooやGoogleなどのサーチエンジン上でキーワードを検索すると、関連サイトや記事に加えて、そのワードに連動して表示される広告です。

リスティング広告はオーストラリア国内におけるデジタル広告の中でも、最も利用されています。これは、サーチエンジン広告自体の掲載コストが安価であることと、広告費用がクリック回数に応じて発生するため、たとえクリック数が少なかった場合でも、無駄なコストがかからないためです。また、サーチエンジン広告はキーワードに関連したものであることから、基本的にその情報を求めるユーザーを対象とするため、見込みの高い有望な顧客を効率よく獲得する目的に向いています。

以下は、2022年1月時点のオーストラリアの「検索エンジン」のシェア率ランキングを示しています。

We are social 2022 Australia search engine share rate a
<Hootsuite : we are social 2022>

      • 1位 Google 93.97%
      • 2位 BING 4%
      • 3位 DuckDuckGo 0.95%
      • 4位 Yahoo! 0.78%
      • 7位 YANDEX 0.04%
      • 8位 Baidu 0.02% 

ポイント

Googleは圧倒的なシェア誇っています。しかし、DuckDuckGoやロシアで人気のYANDEX、中国で人気のBaiduなど、さまざまな国で人気の検索エンジンがランクインしているのは、「移民国家」オーストラリアの特徴の1つと言えるでしょう。

 

dotソーシャルメディア広告

ソーシャルメディア広告とは、主にFacebookやInstagram、Twitterといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で掲載できる広告を指しています。

ソーシャルメディア広告の最大の特徴はなんといっても、自社の商品やサービスの対象となる顧客を正確にターゲティングすることが可能な点です。これは、同サービスを利用しているユーザーのほとんどが、基本的なプロフィール(年齢や出身国、趣味など)を入力しているため、その情報に合わせて対象を絞ることができるためです。

We are social 2022 Australia social media share rate
<Hootsuite : we are social 2022>

オーストラリアではFacebookやInstagramなど、日本でも有名なSNSが大きなシェアを持っています。これらのサービスはアメリカ発祥のため、同じ英語圏のオーストラリアは言語の壁がなく、比較的ユーザーに受け入れられやすかったようです。

SNS広告はバナー、動画等様々な種類が存在し、「商品やブランドの認知を拡大したい」「ユーザーからの関心度を高めファンを増やしたい」「商品のLP(ランディングページ)に誘導したい」「お問い合わせなどのリード(見込みの高い有望な顧客)を獲得したい」など、SNSの広告運用の目的によって、様々な目的に対応した広告を配信する事が可能です。

以下は、2022年オーストラリアのソーシャルメディアの統計データです。

      • Facebookd広告でリーチできるユーザーは1500万
      • YouTube広告でリーチできるユーザーは2130万
      • Instagram広告でリーチできるユーザーは1275万
      • オーストラリア人の49%以上がInstagramを使用
      • TikTok広告でリーチできる18歳以上のユーザーは738万
      • LinkedIn広告でリーチできるユーザーは1300万

ポイント

2022年1月時点で、YouTube・LinkedInのユーザー数が急激に伸びています。

 

dot 動画広告

動画広告で最も代表的なものは、やはり「YouTube」です。 上記でも紹介しましたが、オーストラリアで最も使用されているソーシャルメディアプラットフォームの1つがYouTubeです。YouTube広告でリーチできるユーザーは2130万と、Facebookを超えています。

We are social 2022 Australia youtube trend
<Hootsuite : we are social 2022>

動画広告は配信動画を視聴している際に再生される広告であり、視聴の前後で再生される「セグメント広告」や、動画画面のトップまたはボトムに表示される「オーバーレイ広告」など、様々なフォーマットがあります。広告は5秒程度のものから1分超のものまであり、広告が長いほど、一度にたくさんの情報をビューワーに伝えることが可能です。

動画は一度に伝えられる情報量が静止画と比べ非常に多く、若者世代を中心に、動画サービスを利用する人も年々拡大しており、最も注目を集める広告手法の1つとなっています。

 

 

オーストラリアにデジタル広告を出稿する際の「ポイント」

オーストラリアのデジタル広告フォーマット広告を出稿する際の注意点とは?

ポイント①

オーストラリアでは、ユーザーが設定している言語や検索結果・広告表示の多くは「英語」です。しかし、冒頭でもお伝えしているように、人口の30%近くが移民のオーストラリアでは、英語が母国語でない住民も多くいます。自社のターゲットに合わせた「言語」が成功の秘訣と言えるでしょう。また、デジタル広告を検討している場合、ターゲットとなるユーザーシェアの高いプラットフォームから始めることをお勧めします。

ポイント②

リスティング広告であれば「Google」、SNS広告であれば「Facebook・LinkedIn広告」が急速にユーザー数を増やしています。また、動画広告であればやはり王道の「YouTube」が人気です。検索広告においては、Googleのシェアが圧倒的に多く、オーストラリアでは9割に及びます。アプローチが可能な見込みの高い有望な顧客も多いため効果的な施策です。

ポイント③

SNS広告は、特にFacebook広告がおすすめです。ソーシャルメディアを利用しているユーザーの76.8%がFacebookを利用しており、多くのユーザーにアプローチが可能です。また、Facebookの次に多く利用されているInstagramは、オーストラリア人の約半数(57.7%)が利用しており「ブランディング」や「視覚的に訴えかけるような商品・サービス」を宣伝するには効果的な選択肢だと言えるでしょう。

ポイント④

2021年最も市場が拡大した、動画広告においては圧倒的ユーザー数を誇る「YouTube・Facebook」が効果的といえるでしょう。Facebookのシェア率の高さもさることながら、YouTubeも多くのユーザーがいるため、「動画の長さ」や「目的」によってプラットフォームを選択することで、より効果的なアプローチが可能です。

 

さいごに

オーストラリアにおけるオンライン広告はGoogleやFacebookなどのテクノロジー大手企業に対し、地元メディアのコンテンツを利用した際に使用料を支払うことを義務付ける規範を導入するなど、政府もオンライン市場での”寡占”を防ぐための行動規範を策定するなど、デジタル先進国として、非常に注目が高い成長市場です。

今後のビジネスにおいて競争力を維持するためにも、オーストラリアでのビジネスには、オンラインマーケティング戦略を組み込むことの重要性は引き続き高いと言えるでしょう。

多言語リスティング広告_商品ページ用バナー

 

オセアニア向けの海外デジタルマーケティングにご興味がありましたら、お気軽にお問合せ下さい

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。