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2023年06月19日

多言語SNS戦略、10のポイント
~成功する多言語SNSマーケティングプラン~

世界的にもデジタル化が進んでおり、企業・地方自治体・個人でも、多言語サービスへのニーズが高まっているのは言うまでもありません。近年ではAIの一般化とともに、多言語機能を持つ自動ツールなどの各種サービスも充実してきています。このトレンドの流れに乗って、ソーシャルメディアも多言語化して世界に発信する時代は、すぐ目前に迫っています。

2023年、世界中でソーシャルメディアを利用しているユーザーは、49億人を突破しました。今後、さらに拡大を続けるSNS市場は、2027年には58億5000万人に達すると予想されています。企業が多言語でソーシャルメディアを運用できると、国内市場とは比べものにならないほど膨大な顧客へとリーチできる可能性があります。

しかし、SNSマーケティングは既に世界中の多くの企業が取り組む施策であり、既にレッド―オーシャンです。何も戦略を持たずに乗り込んでは、成功できるハズはありません。そこで今回は、自社に最適な多言語SNS戦略を組み立て、成功に導くための10のポイントをご紹介していきます。

目次

 

SNS「対応言語」に関する統計データ

世界的にも多くのユーザー数を獲得しているSNSプラットフォームは多くの言語で利用できるようさまざまな機能を実装しています。

Facebook

2004年にハーバード大学で創立されたFacebookは、オンラインで家族や友人と簡単に繋がり、さまざまなコンテンツを共有できるソーシャルネットワークサイトの1つです。現在、世界中のFacebook関連ユーザー数は29.6億人に達しており、創業から19年経った今でもユーザーは増加傾向にあります。約50%のFacebookユーザーが英語以外の言語を使しており、Facebookで最も多く使われている言語は英語、スペイン語、ポルトガル語、インドネシア語、フランス語です。現在、Facebookでは112言語で利用できるほか、自動翻訳機能なども備えており、言語機能も充実しています。

また、Meta広告を利用する場合、1つの広告キャンペーンを複数の言語で掲載することが可能です。自動翻訳を利用できる広告配置は、すべての広告配置や言語で利用できるわけではありませんが、戦略的に使うことで多言語でFacebook広告の運用ができる優れた機能を実装しています。

利用可否はこちらから確認が可能です。

 

Instagram

Instagramは、AndroidとiPhoneで利用できる、画像・動画共有モバイルアプリです。現在のユーザー数は2023年13億人ほどで、2025年までに14億人に達すると予測されています。(Statista)InstagramはFacebookと比較すると、若者層からの支持が厚く、盤石な地位を確立しています。画像中心の視認性の高いInstagramの普及によって、ブランディングとデジタル広告に革命をもたらしたと言われています。Instagramは36言語対応可能で、2017年には、右から左に読む言語「アラブ語」「ペルシャ語」「ヘブライ語」も追加されています。

 

twitter logo Twitter

Twitterは、ツイートと呼ばれる280文字以内の短いテキストと画像、GIF、動画などを投稿することができるミニブログサービスです。2006年に誕生したTwitterは、創業当初は140文字でしたが、2017年までには280文字まで増加し、2022年にはツイートの編集、アカウント認証などが受けられるサブスクリプションサービスであるTwitter Blueなどが誕生しました。Twitterの月間アクティブユーザーは4億人を突破し、収益化能なデイリーアクティブユーザー(mDAU)は2億3780万人に達しています。また、25歳~34歳の間で人気があり、世界ユーザーの38.5%をこの層が占めています。言語は、40言語以上応可能です。

 

LInkedIn logo LinkedIn

「LindedIn」は、アメリカ発のビジネスに特化したソーシャル・ネットワーク・サービスの一つで、世界最大のプロフェッショナルネットワークサービスです。世界中のビジネスに関心が高い人たちが各業界の専門家と繋がる重要なソーシャルネットワークとして、既に多くの国で浸透しており、2023年6月現在、ユーザー数は9億3000万人を突破、200の国と地域、26言語に対応しています。ユーザーの79.5%が18歳~34歳が占めています。

 

pinterest logo Pinterest

2009年に米国でスタートした、Pintersetも世界で人気のソーシャルメディアの1つです。日本市場での月間アクティブユーザーは870万人程度ですが、世界に目を向けてみると、月間アクティブユーザーは4.5億人(2022年Q4時点)を超え、その数は今でも急速に増え続けている人気のソーシャルメディアです。主に画像や動画等のコンテンツを検索する「ビジュアル検索プラットフォーム」で、ユーザーはお気に入りのコンテンツを見つけると「Pin」として自分の掲示板に保存する(貼り付ける)ことができます。また、他ユーザーの掲示板をフォローすることもでき、フォローを通じて他ユーザーと交流できるようになっています。

言語は31言語以上対応しています。

 

youtube YouTube

2005年に設立されたYouTubeは、オンライン動画を誰でも簡単に無料で視聴できる動画共有サイトです。自ら独自に動画を作成し、投稿することができるYouTubeは、海外に自社をアプローチできる優れたマーケティングツールでもあります。YouTubeはGoogleの次に大きな検索エンジンであり、月間アクティブユーザーは25億人を突破しています。YouTubeは91か国の、80言語対応しています。

lightbulb- idea現在、YouTubeではクリエイター向けに、コンテンツを自動で多言語化できる「多言語オーディオ機能」を、一部のクリエイターやインドの医療提供者や病院などと共にテスト運用中です。今後、数か月以内には自動多言語オーディオ翻訳機能が実装されると見られており、広告を出稿したい広告主にとって、単一チャンネルで視聴者とエンゲージメントを劇的に増加させる可能性があるため、インフォキュービック・ジャパンでも注視している機能です。

 

多言語SNSで重要な「ローカライズ」

多言語化押さえるべきTIPS13

各媒体も多言語対応に取り組んでおり、今まで以上に世界の人々に発信できるようになってきました。しかし、やはり「単に言語を変換して投稿する」だけでは、望む結果を得ることは難しいかもしれません。

CSA Researchの調査結果レポート「Can’t Read, Won’t Buy(読めない買わない)」では、海外顧客の75%は「自分の言語で行われているサービスの場合、同じブランドを再購入する可能性が高く、自国語でのカスタマーケアを望む」と考えているようです。さらに、65%のユーザーは「母国語でのコンテンツを好み」、73%は「母国語での製品レビューを望んでいる」との調査結果を報告しています。また、Harvard Business Review によると、「消費者の50%以上は母国語であれば、よりお金を払っても構わない」と、回答していることがわかりました。

この調査結果からわかるように、単に「コンテンツが翻訳されていれば良い」というわけではなく、現地で日常的に使用されている「母国語にローカライズする」ということが重要でることを理解する必要があります。

ユーザーが普段日常で使用している言語を表示し、国や地域に応じたコンテンツを提供することによって、他社よりも”優位な立場”に置き、更にユニーク且つパーソナライズ化された体験をユーザーに提供することができるでしょう。


〈In Britain we process happiness… differently, Bill Bailey – BBC」…オーストラリアに長年いた著者にとって、オーストラリアの表現に爆笑してしまいましたが、これは的確!〉

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。