CASE STUDIES

お客様事例
LP制作 (英語・中国語)、リスティング広告 (英語)、Facebook広告 (英語)

黒木碁石店株式会社 様

黒木碁石店株式会社様

事例概要

経緯

「インターネットを通して、世界中の囲碁愛好者に高品質な棋具を届けたい」という熱い想いのもと、まだ日本のインターネット普及率が高くなかった1999年に、「碁石」と「棋具」を扱うECサイト(英語)を自社で制作した黒木碁石店様。その後は社内でウェブサイトの運営を手掛けられていたが、創業100年の節目となる2016年、ブランドの刷新を行うのにともない、「今後は海外市場に本格的に進出していきたい」とのご相談をいただき、日本の伝統工芸品たる「蛤(ハマグリ)碁石」の情報をしっかりと世界中に発信した上で、海外向けのデジタルマーケティングを駆使して世界中に販売を促進していく、前例のないグローバルプロジェクトがスタートした。

対策

まずは、インフォキュービックに在籍する経験豊富なデジタル広告運用コンサルタントであり、自身も将棋アマチュア4段という囲碁・将棋界隈に造詣の深いスタッフが、黒木碁石店様から丹念にご要望をヒアリング。お聞きした内容をもとに、「リスティング広告、Facebook広告、リマーケティング広告」といった海外向けデジタル広告を効果的に運用していった。さらに、LPなどのコンテンツを制作するスタッフ、営業担当スタッフとチームを組んでプロジェクトを進め、多国籍なスタッフたちも脇を固めることで、黒木碁石店様のグローバルプロジェクトを支えるチームを編成した

成果

海外向けリスティング広告については、出稿開始から徐々に北米とEUからの反応が高まり、年々海外の売り上げの比率が右肩上がりに変化していった。そして元々は、半々程度だった国内/海外売上比率が、プロジェクト開始後の4年間で国内2:海外8という比率に。また、月次レポーティングでは詳細な「データ概況などの分析」も含めてご案内することで、「海外のマーケット分析・グローバルサイト運営」などに活用いただけるよう配慮している。

お客様の声

日本が誇る最高品質の「蛤(ハマグリ)碁石」を、世界中に向けて製造・販売

黒木碁石店株式会社

弊社「黒木碁石店」の創業は1917(大正6)年でして、100年の節目を超えました。囲碁に使う碁石の中でも最も良質とされる「蛤碁石」の製造販売を中心に、碁盤の中でも最高級とされる「日向榧(カヤ)碁盤」の製造販売、そして「棋具」(囲碁と将棋に関連する道具)全般の販売までを手掛けてまいりました。

「黒木碁石店」はその名の通り、棋具の中でも蛤碁石の製造・販売をメインに展開しておりますが、ハマグリの貝殻を原料とした「蛤碁石」を作っているのは現在、世界中でも宮崎県日向市内にある「黒木碁石店」を含めた4社だけとなっています。

黒木碁石店株式会社

弊社が位置する日向市近辺の海岸は、古くから白くて美しいハマグリの貝殻が採れることで知られてきました。「蛤碁石」の原料としては、世界的にはメキシコ産のハマグリがポピュラーで安価ではあるのですが、成長が早いために貝殻の縞模様の間隔が広くなる傾向があります。
一方で、日向産のハマグリは、ゆっくりと成長するために縞目が詰まった繊細な美しさを持っており、希少価値が高く、熟練の職人がつくり上げる「日向産蛤碁石」ともなれば1,000万円を超えるものもあるほどです。

グローバルプロジェクト発足の背景は「世界中の囲碁愛好者に最高品質の棋具を届けたいという想い」と、「先細りする国内市場への危機感」

黒木碁石店株式会社

囲碁の発祥地は中国で、日本には朝鮮半島を経て伝わってきたと言われています。ですから囲碁人口が多い順に「中国、韓国、台湾、日本」となっているのはご想像の通りかと思いますが、実はそれらの国以外にも、囲碁を愛好される方は世界中にいらっしゃいます。
前述したとおり、現在「蛤碁石」を製造している会社は地球上に「黒木碁石店」を含めて4社だけです。「蛤碁石」を買いたいと思ったときに世界中の囲碁愛好者の方たちに、インターネットを通じて弊社の商品をご案内し、その上で、「より多くの世界中の人たちに最高品質の碁石や棋具を届けよう」というのが、海外進出を決めた最大の理由です。

そうした状況を背景として、1999年に弊社内部でECサイトを作りました。このとき一緒に英語サイトも制作したのですが、日本国内だけでなく海外市場を開拓しようと考えたもう1つの理由として、「国内の囲碁・将棋の人口が減少して市場が先細りし、いずれ立ち行かなくなるのではないか」という危機感がありました。

1999年といえば、日本国内はまだまだこれからインターネットを普及させていくという過渡期にあった時代です。当時は「黒木碁石店」も、小売りより卸売の割合が大きかったのですが、そもそも囲碁人口が減ってきている状況で、「ネット販売を推進していかなければいけない」、また「ネット販売をするからには海外にも目を向ける必要がある」ということで、英語が話せない先々代社長が、「英語サイトの立ち上げにチャレンジしてみよう」という意思のもとスタートした形でした。ちなみに、先々代社長は30代で地球の裏側のメキシコに渡って碁石の原料工場を立ち上げた人で、若い頃から外国・世界とのつながりを重要視していたといいますか、探求心の塊のような人でした。

本格的な海外進出を見据えて「黒木碁石店」のリブランディングを実施することに。しかし、そこには課題が。

黒木碁石店株式会社

1999年に日本語と英語のホームページを社内で作ってから、運営は自社内で内製していました。英語表記などは翻訳できる人にお願いしていたものの、「囲碁」という、他にはあまりない事業ですので、表現やニュアンスが特殊なために英語にするのが難しく、社員一同試行錯誤しながら必死に運営してきました。
2016年、製品の価格や仕様を色々と変えて「黒木碁石店」をリブランディングしようということになり、それに伴ってホームページとECサイトをリニューアルすることになりました。

具体的な施策ですが、まず弊社が販売するすべての白碁石には黒木碁石店の証である印字を1粒1粒に記しました。印字はブラックライトを当てた時にしか見えませんので製品の品質には影響しません。
また、製品のパッケージもブランド品として名に恥じない仕様に変更しました。これらにより、他社製品との差別化を図るとともにお客様に安心して弊社製品をご購入いただき、ご購入後もしっかりとアフターフォローできる体制にしました。

リブランディングは仕様のみならず、価格も大きく変更しました。元々、同じ製品でも国内と海外では小売価格に大きな差がありました。「同じ製品なのに購入する国で大きな価格差があってはならない」という思いから、国内の小売価格を海外の価格帯に合わせて値上げしました。もちろん、国内市場からの反発や買い控えが起きました。

しかしながら、想定以上に国内外からのインターネットを通した個人注文が一時的に大幅に減ってしまったのです。「これからは海外に特化していくのだから」と、しばらくは様子を見ていたものの、やはり注文がすごく少ない日が続くと不安が募るものです。
ホームページとECサイトの内容を海外仕様にしたからといっても、すぐに海外からの注文が殺到するわけではありませんから、売り上げが低迷したまま不安な日々が過ぎていき焦っていたのを覚えています。

黒木碁石店株式会社

そんななか、海外デジタルマーケティングに関する会社をインターネット検索したところ、インフォキュービックさんのホームページを見つけまして。拝見したところ、「グローバルサイト」や「海外向けECサイト」といった実績も多く、お取引先も有名企業がたくさん紹介されていたので、「これは信頼できるな」と感じてお問い合わせをすることに。
またちょうどそのころ、海外発送でお世話になっていた「日本郵便」さんから「インフォキュービックさんが、福岡で開催する海外デジタルマーケティングのセミナーに参加するので、受講してみませんか?」と誘っていただき、そこでも、インフォキュービックさんとの接点ができたのです。

想像をはるかに上回るクオリティの「海外LP制作」。そして、大胆かつ親身なアドバイスをともなった「リスティング広告運用」。

黒木碁石店株式会社

インフォキュービックさんと出合う以前は、海外からのネット注文は90%以上が中国からのものでした。一方で、アメリカやEUにも囲碁愛好者がいることは把握していたものの、そこにどうやってアプローチすればよいかが分からなかったのです。
実は海外デジタルマーケティングを推進していこうとなったとき、インフォキュービックさん以外にも何社か問い合わせをしたのですが、その中でインフォキュービックさんをパートナーに選んだ決め手は、提案力でした。

印象的だったのは、初めてSkypeで打ち合わせをさせていただいたとき、「『黒木碁石店』さんの英語サイトは、日本人目線で作ったものをそのまま英語に直したミラーサイトのようなもので、海外の人から見たときの分かりやすさは考慮されていませんね。ですから、製品を売ることを急がずに、まずは『御社と御社の製品の良いところ』をしっかりと世界に向けて伝えるLPを作り、そのブランディング機能をもったLPに対してリスティング広告を打つという戦略はいかがですか?」と、具体的かつ攻めのご提案を頂いたことが、私たちにはとても刺さったと記憶しています。

そうしたご提案を元に完成した海外向けLPは、想像をはるかに上回るクオリティで、とても驚きました。毎日のように碁盤を見たり触ったりしている私たちでは到底気付かない魅力をデジタル空間に丁寧に描き出すことで、それを海外の人たちに、伝わりやすく、そして力強く表現していただけました。英語テキストも、インフォキュービックさんの社内に在籍するネイティブの方が自然な言い回しで作成してくださり、こんな表現方法があるのかと感銘を受けました。

黒木碁石店株式会社

LP完成後、リスティング広告運用もお願いしたのですが、出稿するキーワードを決める際には、私たちは「碁石」とか「基盤」などを考えていたのですが、思ってもみないキーワードを提案してくださって、それが「碁石」の1,000倍近い想定検索ボリュームを見込めるなど、データに基づく海外マーケット需要を把握するうえで貴重な気づきをいただきました。

また、リスティング広告と並行して、「あまりコストをかけずにFacebookの『いいね!』を獲得したいなら、こんな方法がありますよ」、「YouTubeに『黒木碁石店』さんで買った囲碁セットを紹介している動画が上がっているので、活用したほうがいいですよ」など、とにかくご担当いただいた広告運用コンサルタントさんが親身になってアドバイスをしていただけるので、私たちはそのご意見を元に着実に施策を実行するというか。毎回、本当に丁寧なフィードバックをいただけるのも、とても助かっています。

2016年のグローバルプロジェクト開始以降、海外からの売上比率が急速に高まるとともに、毎日のように世界中からお問い合わせが届いています。

黒木碁石店株式会社

海外向けリスティング広告をやってみて、中国以外の海外の反応が徐々に高まり、特に北米とEUの反応がものすごく上がってきましたね。
2016年のグローバルプロジェクト開始から、国内と海外の売り上げの比率が大きく変化してきて、元々は半々くらいだったのですが、海外の比率が右肩上がりで、4年経った今では国内2:海外8くらいになっています。
また、海外の方たちの日本の文化に対する注目度もアップしてきているのかもしれませんが、アメリカを中心にイギリスやドバイなど、世界中から毎日のように問い合わせをいただいております。現物が手元に届いた方たちから喜びの声が届くたび、より気を引き締めて良い製品を作っていかなければならないと感じています。

インフォキュービックさんにお願いする前までは、「海外の方はどんな情報や商品が欲しいのか」ということは想像するしかなかったのですが、今ではデータとして蓄積されてきたキーワードやクリック数などのデータを活用して、実態に即したデジタルマーケティングが出来るようになりました。日本にいながらにして海外マーケットに対峙することはなかなか難しいと思うのですが、こうした明確なデータこそ、海外進出を進めるうえではとても大きな収穫です。

「囲碁」を含む日本の伝統工芸について深く理解した上で、「日本のモノづくり」をインフォキュービックさんと共に守っていきたい

黒木碁石店株式会社

今はまだ、長期のプロジェクトを進行している途中の段階だと思っています。そんな中でもインフォキュービックさんには、弊社が扱っている「碁石」をはじめとした「棋具」という“ちょっと特殊な製品”についてとても深く理解していただけていることが、とてもありがたいです。
というのも、外部の業者さんと一緒に何かをやろうとすると、まず弊社が扱う特殊な商材について理解していただくための説明にものすごくパワーが必要で時間も掛かるのですが、インフォキュービックさんはしっかり弊社のこと、弊社のビジネスのことを熱心に勉強下さり、製品まわりの説明が最小限で済んだのです。
そこに加えて、海外のユーザーの気持ち・心理を踏まえたご提案やご意見をいただけるので、とても助かっています。もちろん、私たちメーカー側の想いや気持ちもしっかり汲み取っていただけるので、非常に頼もしく感じています。

黒木碁石店株式会社

世界のマーケットを見渡しますと、「碁石」や「棋具」のような日本の伝統工芸品に対して、海外の人の中には日本人よりも造詣が深い方がいたり、日本の文化を「かっこいい」、「素晴らしい」と言ってくださったりする方もたくさんいます。
これからは、日本だけに目を向けるのではなく、海外にいる「日本のモノづくり文化を認めてくれる方たち」にどんどんアプローチしていかないと、やがて日本のモノ作りというのは、我々を含めて厳しくなるでしょう。そこで弊社としても、「囲碁業界全体」を守ることで、ひいては「日本のモノづくり」を守っていく責任や使命があるのではないかと考えているところです。そして、インフォキュービックさんには、その志さえも共有頂いていると思っています。

「日本から世界へ!」という挑戦を続けることで、日本の伝統工芸産業の未来にも貢献したい

黒木碁石店株式会社

日本の伝統工芸や囲碁という文化が、世界の中で生き残っていくことが難しい時代を迎えていると思っています。
例えば、外国語で受注をして、決済をして、それを海外へ国際郵便で送るということ自体が、弊社にとってはもう当たり前のことなのですが、それが出来ないという会社さんも多い。国内市場はますます厳しさを増していますので、「海外に販路を見出したい」という同業者や伝統工芸品を扱っている方々も多いのではないでしょうか。そうした状況のなかで、弊社は海外へ挑戦を始めた者として、「日本の伝統工芸」を世界へ売り出していくこと自体に貢献したいと考えています。

弊社にはこれまで長年にわたり「囲碁」という日本の伝統工芸品を製造・販売してきた実績があり、「モノを作る」ことに関しては経験値もあって得意な分野なのですが、「モノを売る」ことは得意だとは言えません。特に世界へ向けた販売となると、現地の言語や文化、そして商習慣といった壁を乗り越える必要がありますから、非常に難しい。

ですから、そうした「海外にモノを売る」という部分では、海外デジタルマーケティングの専門家集団であるインフォキュービックさんにご協力いただきながら、海外の販路を獲得していく、さらには、「碁石・碁盤といえば、黒木碁石店」というブランド認知が世界中に浸透していくことをめざしていきたい。

私たち「黒木碁石店」がインフォキュービックさんと取り組んでいるこの挑戦が、どこまで他の伝統工芸を担う方たちの参考になるかは分かりませんが、少しでも「日本から世界に進出する」という裾野が業界に広がっていけば、将来的な伝統工芸産業の未来が少しでも明るくなるのではと信じています。

インフォキュービックさんは、私たちにとって「無くてはならないビジネスパートナー」。これからも、世界に向けて一緒に戦っていきたい。

黒木碁石店株式会社

最近ではD2C(ダイレクト トゥー コマース)という言葉も出てきて、私たちのようなメーカーにとって「B2Cが終わってD2Cへ」……というような話もある中で、例えば碁石のセットを購入していただいた海外の方から、「Amazing!」「Beautiful!」「Marvelous!」といったメッセージを日々頂いています。そうした世界のお客様のお言葉は、本当に嬉しいものです。
また、わざわざ香港や中国、アメリカ、ロシアといった海外から弊社を目指して日向市までお越しいただくお客様もいまして、「ぜひ1度、ここに来たかったんです」と言われることもあります。福岡空港から弊社まで4時間位かかるのに、わざわざ時間を掛けて来店されて「ここで製品を買うのが夢でした」というお言葉を頂いたときには感激しました。

2016年、最初に海外向けLPを制作頂いた年は、黒木碁石店が創業100周年に向けて、さまざまな新しいことにチャレンジしている時でした。
それから今日(2020年現在)まで4年の月日を経て、海外に限るともちろん売り上げは伸びています。インフォキュービックさんの力強いご支援のおかげもあり、弊社の世界的な認知度・ブランドが高まっていることを確信しています。

インフォキュービックさんを一言で表現するならば、弊社にとって本当に頼れるビジネスパートナーであり、無くてはならない存在です。これからも一緒に、世界に向けて一緒に戦ってください。頼りにしてます!

黒木碁石店株式会社様