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2021年05月14日

ビジュアルで心を掴む「ビジュアルマーケティング」とは?
~人の視覚や感情に訴えかける11のテクニック~

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ビジュアルマーケティングテクニック

「自分で決めた決断なのに、なぜそれを行ったか自分でもわからない。」
皆さんは、そんな経験はありませんか?

1977年に発売された山本七平の『空気の研究』。「世の中には、誰にも見えないが誰よりも強い空気というものが存在し、人々を動かしている。それは一種の『超能力』なのかもしれない。この『空気』を意識しておかないと、皆知らぬ間に決断・行動させられてしまう。」と日本社会が持つ見えない空気を説いた一冊です。

そして、ハーバード大学ビジネススクールで教鞭を執るジェラルド・ザルトマン教授の著書「How Customers Think : Essential Insights into the Mind of the Market」では、「人間の行動の95%以上は無意識のうちに行われている。」と述べられています。

そう考えてみると、この空気なるものが人間の無意識であり行動を司るものといえるかもしれません。

「人々の心に訴えかけて、行動を起こさせる」私たちマーケターにとって、「人間の無意識」にアプローチすることは大切です。しかし、この情報溢れる現代社会において、ユーザーはダイレクトに「広告」と感じるものを感じ取り、拒絶するようになってきました。Statistaの調査によると2019年第4四半期、世界のアドブロックユーザーは7億6350万人に上るというレポートを発表。そう、現代社会においてただ闇雲に情報を発信するだけでは、人々の心を捉えることは難しくなってきているのです。

そんななか出てきた手法が「ビジュアルマーケティング」です。

今回は人々の感情や心に訴えかける「ビジュアルマーケティング」とそのテクニックをご紹介します。

「ビジュアルマーケティング」とは?

「ビジュアルマーケティング」とは、サービスや商品について視覚的に訴求する方法のことです。人間の脳は視覚から入った情報を処理し、感情が刺激され、そして行動を起こします。また、テキストと比較すると、人間は画像の方が6万倍も早く処理することができます。脳に送られる情報の90%は視覚的なものであることも研究で明らかになっています。

「a picture is worth a thousand words./百閒は一見にしかず」

という言葉が表すように、視覚的なアプローチと感情に訴えることで、ユーザーの「心を惹きつける」可能性が飛躍的に拡大すると言われています。

では、「人々の心に訴えかけ、行動を起こさせること」を本職とするマーケッター皆様に、ビジュアルマーケティングのテクニックをご紹介します!

 

ビジュアルマーケティングテクニック11選!

check 色彩心理学

色の持つ意味を意識的に活用する手法は、一般的なテクニックとしてあらゆるところで活用されています。色は人間の脳に影響を及ぼし、意思決定などの行動や感情などに作用することは「色彩心理学」の視点からも実証されています。

色彩心理学

クリエイティブな広告では、言葉ではなく、興味深く大胆な「色」の活用を行います。色を通じてユーザーの感情に訴えかけ、次のアクションに繋げるのです。大手企業の広告施策には、明確な意図を持って「色」を活用している例をみてとることができます。

「色彩心理と企業ブランドの関係」
~色がもたらす感情をマーケに活用しよう~

 

check 3分割法

バランスの取れた魅力的な広告を作成するためには、「3分割法」と「黄金比」という手法があります。3分割法は縦横3分割した線や、線の交差するポイントに重要なポイント・コピーを配置する手法です。視覚的なバランスを保つことができます。(写真撮影でもこの3分割法を意識して撮影すると、素敵な写真が取れますよ)

3分割法

要素を視覚的に魅力的な個所に配置する法則では、黄金比も忘れてはいけません。黄金比とは、フィボナッチ数列の比率から生み出される視覚的効果です。私たちの脳は無意識にこの黄金比で表現されるイメージに魅力を感じるのです。

 

check黄金比

黄金比とよばれる比率は、数学的比率でありバランスの取れた比率を表す計算から導き出されています。「1:1.618」という数値で人間が無意識に美しいと感じる比率です。

黄金比

西暦1200年、あの有名な数学者のレオナルド・ディ・ピザはこの比率の逆「フィボナッチ数列」を読解しました。フィボナッチ数列とは、0,1,1,2,3,5,8,13,21…..

フィボナッチ数列の数字は具体的には…と永遠に書いてしまいそうなので今回は書きませんが、この黄金比は自然界にも多く存在します。オウムガイや宇宙からみた台風の渦、シダ植物などがほぼ同率で存在し、視覚的にバランスのとれた魅力的なスパイラルを作り出しています。

そうそう、Apple・Twitter・Googleのロゴや葛飾北斎の絵画やピラミッドの高さと底辺なんかにも黄金比が活用されています。この比率、人間の脳にはなぜか心地いいのです。

 

check タイポグラフィ

タイポグラフィは有効な視覚効果の手法であり、視覚に訴える広告に多く用いられています。文字の配置によって、文章自体を読みやすくしたり、文字自体をデザインとして活用する方法などがあります。

typography-chupachaps ad
<Chupa Chups >

タイポグラフィは視覚的な訴求効果を持ち合わせ、かつ言葉によってメッセージを伝える役割を果たします。背景とのバランスを取るのもコツです。

 

check フォーカスポイントをつくる

「ユーザーの焦点をどこに持っていくか」は色・フォントの選択と同様に大切なポイントです。反射・光線・対照的な色・形状などを活用してユーザーの視点を集めるポイントを作ることで、注意を引くことができます。

フォーカスポイント
< IBM.com>

この広告を見て、アナタはどこに視線を誘導されましたか? IBMのクリエイティブはキャッチコピーも含め秀逸です。

 

check 直視する

目をそらさずにじっとこちらを直視されると、人間はそれだけで自然と引き込まれます。実はこの手法は「催眠術」に取り入れられていることからも分かるように、非常に効果的な広告手法として多くの広告が採用しているアプローチです。


<KelOptics「印象派」キャンペーン>

なんだか「ドキっ」としませんか? 見られていますよ…

 

check ビジュアルパス

このビジュアルパスは視聴者の視線を見せたい方へ自然と向けさせる方法で、戦略的にこの手法を活用することで、ユーザーの視線を誘導することができます。

一般的に人間の視覚的パターンとして左から右、上から下へと目を動かします。広告や雑誌のページなどでもこの手法を用いているケースは非常に多く、無意識に視線を誘導します。

「多言語ウェブサイト制作」14の鉄則 ~海外ウェブサイト事例と企業担当者、必見のポイント~_Z layout
<LifeLock>

戦略的にZ字型で視線を動かすことも有効的ですし、F字型で動かすというパターンもあります。ウェブサイト制作でよく活用されている手法です。

 

check 繰り返す

ブランド名・スローガン・商品などを繰り返し登場させることで、ブランドを潜在顧客の無意識に刷り込んでいきます。この繰り返し見せるテクニックは昔から様々な業界で活用されています。テレビコマーシャルや看板・デジタル広告を通して、手を変え品を変え、何度も目に触れさせることで、ブランドの認知力を向上させるのです。

赤色の壁紙にハンバーガーとポテト
<赤色の背景にハンバーガーとポテトがあれば、あの企業を連想しませんか?>

特に新製品など未だ消費者の見慣れない製品の広告では、この「繰り返す」という手法がおすすめです。一定期間プラスの効果をもたらし、その後はマイナスの効果を持ち始めるのでタイミングの見極めが重要となります。

 

check 連想させる

心理学のテクニックである「アソシエーションテクニック(連想心理学)」を活用することで、一見無関係に見える画像・キャッチコピーであっても、人間の脳に強力に印象付けることができるのです。

この手法を成功させるためには、事前にしっかりと調査・ターゲット分析を行い、ユーザーが誰か・そのユーザーがブランドに対してどのように捉えているかなどを深く理解したうえで実施します。

暴力防止キャンペーン

<若者に対して、アルコールや薬物によって引き起こされる過剰行動を防止する意識を高めるためのキャンペーン広告:Galicia, Spain

アソシエーションテクニックは、効果的に活用することで、SNSの発達した現代において絶大な効果を生み出すことが出来る技法の1つでしょう。

 

check 感情に訴えかける

情報量が多く常に様々な情報に晒されているユーザーは、ダイレクトに「広告」と感じるものは無意識に避ける傾向にあります。そんな障壁を乗り越える手法が「情緒的な内容で感動を与えたり、驚きによってユーザーの心を動かすコンテンツ」です。この手法はテレビ広告で良く使用されていますが、様々な媒体で活用することが出来ます。


<WWF : このまま環境破壊が進めば、海抜が上昇して私たち人間も…>

伝えるメッセージを感情で強く結びつれられれば、低予算であってもシンプルなバナー広告や動画などで、視聴者に大きな影響を与えることができるでしょう。

 

check バンドワゴン効果

人の心に訴えかける手法の一つに、「バンドワゴン効果」というものもあります。

説得力ある文章と上手な言い回しで、「既に誰もがその製品を持っている」「あなたはたくさんの人が使う良い製品を見逃しているんだ」という気持ちにさせる技術です。心理的にその製品を使わないといけないような気持ちにさせる手法で、見ている人の感情に訴えかけます。

FOMO(Fear of missing out)と呼ばれるこの心理的なテクニックは、「何か大切な情報を逃しているのではないか? 」という感情を呼び起こし、人々が行動を起こす強力な動機になる可能性があるのです。


<Yield Branding:クラフトビールのイベントを見逃すな! >

過度にバドンワゴン効果を使いすぎると悪影響はありますが、人々の行動を刺激するための素晴らしいテクニックの1つです。

 

まとめ

人間の脳は視覚的な情報を記憶することを得意としています。Brain rulesによると、人は情報を聞いた場合、3日後に覚えている確率は10%、同じ情報を見た場合は65%の人が記憶に残っており、視覚情報は他の感覚よりも最優先されるそうです。

ビジュアルマーケティングには様々なテクニックが存在し、伝えたいメッセージによって手法は大きく異なります。情報が溢れる現代において、海外ユーザーの心を惹きつけるデジタル広告をお考えでしたら、ぜひお気軽にご相談下さい。

多言語リスティング広告_バナー

 

吉田 真帆

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー

弊社の「コンテンツマーケティング(企画・記事執筆)、メールマーケティング」を担当しています。オーストラリアの永住権取得後、思いもよらず日本に帰国。「愛のあるコンテンツ作成」がモットーの一児の母です。趣味はランニング・ヨガ・料理・読書。