韓国インフルエンサーマーケティング
~韓国人マーケターが解説!2025年最新動向~
日本から韓国市場に向けてインフルエンサーマーケティングに取り組もうとする際、「そもそも韓国でインフルエンサー施策は本当に効果があるのだろうか?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
また、いざ実施に踏み切ろうとしても、「目まぐるしく変化する韓国のトレンド」や「韓国の消費者に合った媒体やコンテンツの選定」といった点に頭を悩ませるご担当者様も少なくないと思います。
そこで本記事では、韓国でインフルエンサーマーケティングが注目されている理由を解説するとともに、最新の市場トレンドや人気の媒体、韓国市場に最適化された戦略を構築するためのヒントをご紹介します。
韓国でインフルエンサーマーケティングが人気の理由
ソーシャルメディアの利用率が高い!
2025年1月時点で韓国には4,890万人のアクティブユーザーがおり、韓国の総人口の94.7%に相当します。
日常生活にソーシャルメディアが浸透している韓国では、インフルエンサーが非常に強い影響力を持っています。特に若年層を中心に、「信頼できる情報源」としてインフルエンサーの存在が根付いており、企業にとってはブランドの認知拡大やファン形成に最適な環境が整っています。
また、DataReportal の「2025年のソーシャルメディアにおけるフォローしているアカウント」を見てみると、ユーザーの多くがインフルエンサーや専門家をフォローしており、俳優やコメディアンよりも注目されていることが伺えます。インフルエンサーの影響力を活用することで、広告以上の共感と拡散力を得られるのが、韓国におけるインフルエンサーマーケティングの魅力の一つです。
購買行動における高い影響力を持っている
インフルエンサーの情報発信は、フォロワーと信頼関係に基づいた発信のため「共感」を得やすく、属性の明確なインフルエンサーは、自社のターゲット層に直接アプローチできるため、強い影響力を持っています。また、実際の使用感や口コミといった体験型コンテンツは、消費者の購買行動を大きく左右します。口コミ文化が根強く残る韓国市場では、特に第三者の評価が重要視されています。
韓国の消費者、特に10〜30代はインフルエンサーの推薦を非常に信頼する傾向があります。CJメジョメディアが発表した『2025ターゲットレポート』によると、10〜30代はインフルエンサーのレビューやさらに、ミレニアル、Z世代のうち72.3%が「インフルエンサーのレビューをきっかけに実際に商品を購入した経験がある」と回答しています。
こうした背景から、日本企業が韓国市場に参入する際には、現地インフルエンサーとの連携ができているかどうかが、売上拡大に直結する重要な要素になるといえるでしょう。
韓国企業の高い満足度と積極的な取り組み意欲
消費者からの好意的な反応に加え、韓国企業もインフルエンサーマーケティングに対して積極的です。
文化体育観光部傘下の「韓国インフルエンサー産業協会」が、インフルエンサープラットフォーム「REVU」を利用する企業を対象に実施した調査によると、インフルエンサーマーケティングに対する満足度について、68%の企業が「満足している」と回答しました。
また、「売上拡大のためにインフルエンサーマーケティングが必要」と考える企業は全体の64%にのぼり、そのうち38%は「非常に必要」と回答しています。さらに、57%の企業が「月に一回以上インフルエンサー広告を実施する必要がある」と回答しており、インフルエンサーマーケティングは効果的で積極的に取り組むべきマーケティング施策として広く認識されていることがわかります。
韓国インフルエンサーマーケティング3つの最新トレンド
1.ショート動画の急成長
ショート動画(短尺動画)コンテンツの急成長は、現在の韓国インフルエンサーマーケティングにおいて最も顕著なトレンドです。
韓国のインフルエンサー・マッチングプラットフォームを運営する「CLA Corp.」が発表した『2025インフルエンサーマーケティングトレンドレポート』によると、ショートフォームに関するマーケティング相談件数は前年比で7倍に増加。さらに、長尺動画に比べて、平均で5倍高いCPM(インプレッション単価)効率を示しており、視聴者とブランドの双方に強い効果をもたらしています。
韓国市場で成果を出すには、Instagramリール、TikTok、YouTubeショートといったショート動画を中心としたキャンペーン設計が不可欠であり、「短くてもインパクトのある動画の企画」が求められています。
2.“コンバージョン重視”戦略へのシフト
インフルエンサーマーケティングの目的は、単なる認知拡大から「購買、クリック」など具体的なKPI(重要業績評価指標)達成へとシフトしています。多くのブランドが、認知獲得よりも“検討”や“購入決定”の段階に寄与する戦略を重視しはじめているのが現在の傾向です。
そのため、フォロワー数が比較的少ないが、ジャンルに特化しているマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーが注目を集めています。大手インフルエンサーに比べ、高いエンゲージメント率と信頼性を持ち、広告予算の効率性やコンテンツのリアルさ、起用のしやすさといった点で優位性があるため、2025年においても企業の主要なマーケティング戦略の柱となると見られています。
有名インフルエンサーだけに注目するのではなく、自社ブランドとの親和性が高いマイクロ・ナノインフルエンサーを発掘し、購買などの実質的なコンバージョン獲得を目指すことが重要となりつつあると考えられます。
3.データを重視したマルチメディア戦略の拡大
韓国では、インフルエンサーマーケティングの効果測定がますます高度化しており、コンバージョンの追跡やROI(投資対効果)の分析によるデータドリブンなマルチチャネル戦略が行われています。
「韓国インフルエンサー産業協会」の調査によると、広告主の64%がNAVERブログやInstagramなど複数のメディアを併用しており、単一プラットフォームに依存しない「マルチチャネル戦略」が一般化していることが分かります。
韓国市場に進出する際は、自社の商品特性やターゲットに合わせて複数のデジタル媒体を積極的に活用し、それぞれのキャンペーン成果を可視化・分析する体制を構築することの重要性が増して行くと考えられます。
韓国で人気のインフルエンサーマーケティング媒体4選
1. Instagram(インスタグラム) 
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- 韓国での利用者層
韓国の20代の約8割、30代の約7割が利用しており、韓国では代表的なインフルエンサーマーケティング媒体です。
・主なインフルエンサーコンテンツ
リール(ショート動画)、フィード・ストーリーでのレビュー、ファッション・ビューティの撮影投稿、製品使用レビュー、PR投稿などがあります。
- 企業での活用例
コスメや日用品を扱う企業では、スキンケア、リップメイク、香水などカテゴリ別にターゲティングし、インフルエンサーコンテンツを制作。セール時期や新商品発売時には、フィードやリールを活用して集中的にプロモーション展開を図っています。
2. YouTube(ユーチューブ) 
- 利用者層
10代から50代まで幅広い年齢層が利用する動画プラットフォームで、10代のユーザーからはショート動画が高い人気を獲得しています。
- 主なインフルエンサーコンテンツ
商品レビュー、商品開封動画(アンボクシング)、使い方チュートリアル、Vlog(ブイログ)、PPL(間接広告)、シリーズ型の長期動画キャンペーンなどがあります。
- 企業での活用例
電子機器製造企業や観光地などは、YouTuberとのコラボレーションを通じて、新製品の体験動画や日常Vlog内での自然な商品露出を行い、ブランドの世界観やストーリーを強化しています。
3. TikTok(ティックトック) 
- 利用者層
主なユーザーはMZ世代ではありますが、「WISEAPP・Retail(ワイズアプリ・リテール)」が発表した年代別SNS利用時間調査によると、60代以上の間でもTikTokがInstagramの利用時間を上回るなど、今後は比較的高年齢層への利用拡大も見込まれています。
- 主なインフルエンサーコンテンツ
チャレンジ企画、ダンス、ビューティ、ファッション、日常Vlog、商品アンボクシング、トレンド紹介などがあります。
- 企業での活用例
ビューティ・ファッションブランドは、新商品のローンチ時にTikTokチャレンジやハッシュタグキャンペーンを活用し、話題作りと拡散を促進。さらに、ナノ・マイクロインフルエンサーと連携することで、ナチュラルな形で商品露出や消費者の参加を図っています。
4. NAVERブログ(ネイバーブログ)
- 利用者層
NAVERブログは、韓国国内で情報収集チャネルとして圧倒的なシェアを誇るNAVERが提供しているブログ記事投稿サービスで、特に30〜50代によく利用されています。
- 主なインフルエンサーコンテンツ
商品レビュー、商品モニター体験談、使用方法の説明、他商品との比較分析など、写真とテキストを組み合わせた記事型コンテンツの投稿などがあります。
- 企業での活用例
記事はNAVER検索結果に表示されることから、検索ニーズを起点とした情報探索に強みがあるため、旅行・食品・日用品・教育といったカテゴリでのレビューや商品モニター施策が数多く展開されています。NAVER検索で記事が上位表示されやすいことにより、信頼性の向上と購買行動の促進につながっています。
最終的な考察
韓国ではインフルエンサー・マッチングプラットフォームを通じて、インフルエンサーとの連絡は比較的容易に行えます。しかし実際には、
「現地消費者の特性に合ったコンテンツ戦略をどう設計すべきか?」
「自社に最適な媒体やインフルエンサーは誰なのか?」
「どのようにマネジメントすべきか?」
など、日本企業である自社内だけでは「ハードルが高い…」と悩むご担当者様も多いのではないでしょうか。
インフォキュービック・ジャパンでは、韓国市場の最新デジタルトレンドや各プラットフォームの特性を深く理解した上で、日本企業が韓国市場で成果を出すためのインフルエンサーマーケティング戦略を、企画から実行まで一貫してサポートしています。
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よくあるご質問
Q. 韓国ではどのSNSプラットフォームが効果的ですか? |
Instagram、YouTube、TikTok、NAVERブログが主流ですが、商材やターゲットにより使い分けが必要です。 |
Q. 韓国人インフルエンサーはどうやって探せばよいですか? |
代理店のネットワークを活用するか、専用のキャスティングツールを使うのが一般的です。 |
Q. 韓国人インフルエンサーの信頼性はどう見極めれば良いですか? |
フォロワーの質・エンゲージメント率・過去案件の実績・ステマ履歴などをチェックしましょう。 |
Q. 韓国のインフルエンサーマーケティングにおける最新トレンドを教えてください |
ショート動画を中心とした施策が主流です。マイクロインフルエンサーやコンバージョン重視の傾向が強まっています。 |
Q. 現地代理店と日本の代理店、どちらに依頼すべきでしょうか? |
韓国ではマッチングツールなども多く存在するため、容易にマッチングは可能です。しかし、韓国語での深いコミュニケーションが難しい場合やトレンド理解などに不安がある場合は代理店を通すことをお勧めします。 |


ヨンス チェ マーケティング部
大学では日本語の通訳・翻訳を専攻し、韓国から日本への移住を決意。 「日本と世界をデジタルで繋ぐ」マーケターとして活躍したいとを思い、インフォキュービック・ジャパンへ入社。 淡水エビ・タランチュラ・大型オウム・希少クワガタなどの飼育・繁殖経験もあるほど生き物が大好きです。現在、ヤモリを飼育して10年以上、ヤモリ愛に溢れた韓国人です。