CASE STUDIES

お客様事例
海外リサーチ

マイクロソフト ディベロップメント株式会社 様

事例概要

経緯

同社で運営するポータルサイト「MSN」のインターフェイスに世界共通のガイドラインを適用することに決定。
しかし統一ガイドラインをアジア圏のサイトにそのまま適用すると文化的もしくは伝統的な慣習に背いてしまう危険性があり、適切なローカライズを施す必要があった。

対策

そこで多言語圏のウェブサイト構築のノウハウを持ち、多くのネイティブスタッフを擁するインフォキュービック・ジャパンに調査ならびに提案を依頼。同社では各国の文化的ならびに伝統的な慣習を反映したモックアップを制作したほか、各国における競合サイト調査も併せて実施した。

成果

ネイティブのデザイナーの手による各国版のモックアップ、ならびに競合サイト調査で導き出された各国事情を参考に、社内の意見を円滑に集約することができ、アジア圏向けのガイドラインの策定に無事成功。今後はこのガイドラインをもとに運用を行っていく予定。

お客様の声

今回のMSNのリニューアルの目的を教えてください。

MSNは、北米、南米、ヨーロッパ、アジアの各国にサイトがあり、ニュースやコンテンツをそれぞれ発信しています。
これらのサイトを共通のプラットフォームへ移行し、ブランド統一を図るとともに、開発プロセスを合理化することを目的としてスタートしました。

たとえば、日本のホームページ用に開発した機能を、後からイギリスのホームページでも使いたくなるというような場合があります。

このような場合に対応するため、あらかじめ各国の各言語で展開することを念頭において作っておくのです。また、今回のリニューアルに伴い、ロゴやUIも一新しています。

MSN研究開発統括部
ユーザーエクスペリエンスリード 小川布美子様

「グローバルサイト ガイドライン作成」が必要だった理由を教えてください。

ルールの統一はたしかに重要ですが、ユーザーインターフェイスを手掛ける私達としては、各国の文化的な違いや、伝統的にこうした色は違った意味を持つといった習慣も尊重する必要があります。インフラ事情の違いも含め、国ごとにまったく同じインターフェイスにはできない事情があるわけです。

実際、最初に作ったグローバルサイト ガイドラインのプロトタイプを各国の担当者にレビューしてもらったところ、このままでは使えないという反応が多く寄せられました。とくにダブルバイトキャラクターの言語を使っているアジアの各国は、行や文字の間隔、一行あたりの文字といった仕様がまるで異なります。

それならば、ダブルバイトキャラクターの言語に特化した、アジア圏向けのガイドラインをプロジェクトとして立ち上げようということになりました。

インフォキュービックをパートナーに選んだ理由は。

すでに取引のある制作会社さん2〜3社に相談したところ、サイトのローカリゼーションやガイドラインの翻訳ならまだしも、各国の文化的背景や競合事情を考慮した提案や、オリジナルのアイデアを考えるのは難しくて手に負えないとの回答でした。

しかも一言語ならともかく、中国語が簡体と繁体の2言語、さらに韓国語とタイ語の4つの言語すべてということもあり、大手の制作会社さんでも外部に発注しないと無理という話でした。

そこでさらに数社の制作会社さんと新規にお話をさせていただいた中で、いちばんしっかりと対応いただけそうなインフォキュービックさんにお願いすることにしました。

インフォキュービックに依頼された具体的な作業内容とは。

モックアップを複数、各国言語ごとに作っていただく作業をインフォキュービックさんにお願いしました。

【MSN(日本サイト)】 http://jp.msn.com/

ガイドラインに乗せる項目のサンプルを具体的なビジュアルで見せないと各国の意見がまとまらない状況だったので、複数のパターンを実際の現場の方に選んでもらい、その理由を聞いてさらに細部の修正を繰り返すという作業です。

ガイドラインの仕様書を発注して1冊ポンと納品してもらうのではなく、ポイントで各国の意見をまとめるお手伝いをしてもらった形ですね。

このほか、各国の競合サイトの表現を調査する作業についてもお願いしました。

インフォキュービックからの成果物の中で、具体的にこれは役に立ったというものを教えてください。

本社からの依頼で、各国の競合サイトの表現を急遽調べていただいたのですが、ネイティブユーザでないと見つけられないポイントをデザイナーの立場から調べていただいたのがすごく助かりました。

例えば中国のポータルによくあるページ上部の2行のナビゲーションなど、他のマーケットと比べユニークな作りですが、競合も同じようなインターフェイスになっていて、中国のユーザにとってはそれが普通であることが分かりました。

それまで根拠があいまいだった現地の担当者の意見が、インフォキュービックさんからいただいた競合調査できちんと裏付けが取れ、本社との話し合いもスムーズに進むようになりました。

インフォキュービックにして良かったという点を教えてください。

最初にご相談させていただいた段階で、どこまでやるのか、なにをやるのかといった細かいことをきちんと聞いてくださったんですね。ただ単に中国語の翻訳をするだけとか、デザインをすればいいとか、そうではないことを最初の段階で理解してくださって。ほかの制作会社さんはよく分からずに何ページで一式みたいなお見積もりがすぐに出てきて、逆に不安でしたね(笑)。

また作業が始まってからも、たいへん丁寧に対応いただけました。一方的にやり方を押しつけるのではなく、私達の事情に合わせた提案をいただき、すごくやりやすかったです。

プロジェクトのスコープが二転三転したにもかかわらず、その都度柔軟に対応いただけたことも感謝しています。

今後インフォキュービックに対して何を期待しますか?

私達は日本語のよいデザインはできるのですが、タイ語や中国語や韓国語で同じような基準を作る場合にどうすればよいのかが分かりません。

アジアの4言語をわかってこの仕様がベストだよという提案をいただけるのは、おそらく他社にはお願いできない内容ですので、たいへん心強く思っています。

一個のフィーチャーを作るのにすべての言語で対応することを最初から想定しておかなくてはいけないケースは今後もあると考えられますので、その際はまた助けていただきたいと思っています。