日本人があまり知らない
タイで注目の「スタートアップ企業6選」
親日国家として知られるタイ王国。その経済は、2015年以降は右肩上がりの成長を遂げており、日本を含めた他国の注目を集めています。近年ではタイからの留学生はもちろんのこと、インバウンド(訪日外国人旅行 / 訪日旅行)も増加の一途をたどり、インバウンド対策などのタイ向け海外マーケティングを急務で実施している企業も多いのではないでしょうか。
タイ政府は4年前、プラユット政権下において、今後20年でデジタル立国を果たし、2036年までにGDPを13,000ドル/1人にまで引き上げて、高所得国の仲間入りを目指す「タイランド4.0」と呼ばれる経済発展計画を発表しています。その追い風のおかげか、近年はベンチャーキャピタルによる王国内スタートアップへの出資額が増加し、スタートアップ企業数が2年間で10倍近くも増加しており、国内的にも国際的にも注目される企業が現れてきています。
そこで今回は、スタートアップ企業の中でも特に注目されているタイ企業をご紹介していきたいと思います。
QueQ
Image Source:https://www.queq.me/
「QueQ」は2015年に設立されたタイのスタートアップ企業です。同企業のキャッチコピー「No More Queue Line(列待ちいらず)」からも分るように、QueQは気が遠くなるような行列に並ぶ手間を省いてくれるアプリです。
アプリの利用者は、来店前にアプリ経由で整理番号を発行し、自分の順番が近くなった時に来店すればよいため、その間に買い物を済ませるなど、待ち時間を有効活用することが可能になります。注意点として、目的のお店の周辺にいないと整理番号が発行できないため、2km以上離れたホテルや自宅にて”事前に発行しておく”ことはできません。
QueQはタイ国内に点在する80超の大規模レストランチェーンや2,000店舗の個人飲食店、800のショッピングモール、銀行などで利用が可能です。同社はまた、アジア太平洋地域のその他5カ国への事業拡大も計画しており、今後の活躍が大いに期待されます。
Omise
Image Source:https://www.omise.co/
日本人事業家がタイ王国内で設立した「Omise」は、「全ての人々に本当に使いやすいオンライン決済を提供する」をビジョンとした、誰でも簡単にオンライン決済を導入できるサービス『Omise Payment』を提供している企業です。
同社のサービスであるOmise Paymentの特徴は何といっても『手軽に導入できる』点であり、Eコマース事業者はOmise PaymentのAPIをそれぞれのシステムに組み込むだけで利用が可能になるほか、独自のAI技術でクレジットカード不正利用を検知・防止するなど、高い不正防止機能も備わっています。
また、グローバルでの活用にも対応しており、日本や東南アジア、どこの国においても、同システムおよびオペレーションでの決済ができ、よりスピーディな海外展開が可能となります。
インターネットでの事業成功に必要不可欠なオンライン決済を通じて、Omiseは事業者と無数の潜在顧客を結びつける決済プラットフォームの開発・提供を目指しています。
Bellugg
Image Source:https://www.bellugg.com/
「Bellugg」は、タイ最大の空港荷物宅配サービス会社Belluggグループが提供しているサービスです。
Belluggの最大の魅力は、スーツケースからゴルフバッグ、自転車に至るまで、様々な荷物を空港と市内ホテル間で確実に宅配してくれる点であり、利用者は到着後に直接市内観光に出かけたり、大きな荷物を持って空港まで行く必要がなくなります。
さらにBelluggの宅配料金には最高5万バーツまでの荷物遺失保険が含まれていることも特徴的で、万が一の場合の保険が付いているので安心です。そのほか、ホテルより宅配された荷物の空港預かりも行っています。なお、英語および簡単な中国語でのカスタマーサービスにも対応しています。
こうした宅配サービスの需要が高まっているのも、昨今タイのインバウンド/アウトバウンドが増えたことが理由のひとつと言えるでしょう。
Eko
Image Source:https://www.ekoapp.com/en/
バンコクを拠点とするスタートアップの「Eko」は、ビジネスに最適なコミュニケーションアプリを開発・運営しています。
本アプリは職場でのコミュニケーション向上を目的とした、内部コミュニケーションおよび運用プラットフォームとなっており、モバイルメッセージングのようにシンプルかつ迅速に機能するよう設計されています。さらにセキュリティ面においても、最新のEU一般データ保護規則(GDPR)に完全準拠しているので、安心して利用することが可能です。
同社はタイ、ロンドン、ベルリン、ニューヨークにも拠点を置いており、地元の4つ星ホテルのUサトーン バンコクや、マレーシアの大手通信会社のテレコム・マレーシアをはじめとした企業にも利用されています。
いかがでしたでしょうか?スタートアップへの環境が整いつつあるタイでは今後、特に注目されている電子商取引を始め、デジタルやインターネットを活用した社会問題解決型のビジネスモデルなど、多方面に期待が持たれています。また、既に5,400社を超える日系企業が拠点を置いていることからも、日本人にとってビジネスのしやすい環境と言え、「Omise」に続く日本人によるスタートアップにも期待したいところです。
好調なデジタル分野での成長するタイ、ビザ緩和によって大きな影響を受けたアジアの中でも特に昨今タイからの訪日観光客数は昨今右肩上がりで上昇しており、街でタイ語を聞く機会も増えてきました。タイ向けにビジネス展開をご検討されている企業はもちろんのこと、ビザ緩和により到来したインバウンド増加の波に乗り遅れないよう国内の観光業をはじめとしたさまざまな産業の活性化が重要となります。
ASEANのなかでも成長著しい市場「タイ」。タイ市場に向けてデジタルマーケティングを進める際には、タイ現地ユーザーに刺さる多言語サイトが必要になります。インフォキュービック・ジャパンは多言語サイト制作に特化しておりますので、お困りごとがございましたら遠慮なくお申し付けください!

吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。