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2021年06月18日

中国ビジネスの第一歩
「中国リスティング広告、成功の秘訣」

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「中華民族の偉大なる復興」。

これは、2012年に中国政府が発表した長期目標「中國夢(中国の夢)」です。「2049年までに中国を完全に発展した繫栄国にしよう」とする国家が掲げるビジョンです。イギリス歴史家のアンガス・マディソンは「1850年~1900年代、中国は世界のGDPの30%、世界人口の10%以上が中国人だった」と述べており、そうした繁栄を再び国策として追い求めようというのです。

2020年に世界中がコロナで大混乱をしていた時、主要経済国で唯一成長を遂げた中国。IMFは、2021年4月に中国の経済成長を8.4%と上方修正。JPモルガンも、2030年頃には中国の経済規模は米国と同等になると予測しており、今後ますます世界を牽引する国へと経済成長が見込まれています。

IMF- china GDP Growth
<International Monetary Fund: Real GDP growth >

中国は、数十年前には「広大な土地に眠っている資源」や「安価な人件費」が魅力の国とされましたが、昨今は急激な経済成長とともにテクノロジーが大きく進歩し「世界を代表するIT大国」といわれるまでに成長しました。また、中国政府が実施している「グレートファイアウォール」というネット検閲システムのため、中国では独自のデジタルメディアが発達がしている事実も有名な話です。

日本企業が中国という巨大市場に進出するためには、中国のデジタルメディア状況を理解したうえでのマーケティング戦略がとても重要です。

そこで今回は、国内で唯一6年連続でBaidu優秀代理店に認定されたインフォキュービック・ジャパンが、中国ならではのデジタル事情を踏まえた「中国向けリスティング広告」成功のコツを解説! 中国市場への足がかりを一緒に築いていきましょう。

 

中国で有力な検索エンジン3選

中国の検索エンジン市場において、最も普及しているのは「Baidu/バイドゥ」です。しかし、ここ数年「Sogou」や「360捜索」もじわじわと勢力を増してきています。業界によっては「Baidu」が劣勢になっていく可能性は十分にあると言えるでしょう。

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

Baidu

「Baidu/百度」は2000年に設立され、現在月間ユーザーは8億人以上、1日の平均検索回数は100億回(2017年調べ)にのぼる中国最大の検索エンジンです。百度のアプリ「手机百度」は8億ダウンロードを記録するなど、中国の検索エンジンで約7割のシェアを誇るといわれています。

マーケターの皆さんなら、中国の検索シェアはBaiduが圧倒的なシェアを誇ることはご存じでしょう。ちなみに「Baidu」検索エンジンに関しては、詳細をこちらのブログで解説しているので是非ご覧ください。

Sogou(捜狗)

Sogou.com logo

Sogouのシェアは10%ほどに落ち込んでいた時期もありましたが、最近では20%ほどにシェアを伸ばしてきています。2020年5月発表の財務報告書によると、1日あたりのアクティブユーザーは4億8000万人にのぼります。月間アクティブユーザー(MAU)をみれば、中国で4番目に大きなインターネット企業です。

「Sogou」に関しては、こちらのブログでより詳細に説明しています。

360捜索(Haosou)

「360捜索」は、さまざまなインターネットサービスを提供しており、中でも「検索サービスと中国最大のインターネットセキュリティ企業」として有名です。もともとPC向けのアンチウィルスソフト会社であり、中国のアンチウィルスソフト領域では「知らない人はいない」と言っても過言ではありません。QiHoo360セキュリティブラウザは、中国のほとんどのコンピューターにインストールされており、中国の多くの企業はこのブラウザの使用を推奨しています。
そのため、特に中国向けBtoBマーケティングにおいては推奨される検索エンジンと言えるでしょう。

 

中国市場向け「リスティング広告」成功のヒント

中国リスティング広告のコツ (1)

check 大前提「中国現地の事情」を考慮した制作・配信

中国国内では、まだネット環境が整っていないエリアも多く、リスティング広告の表示も日本国内とは段違いに遅いことがあります。コストをかけて凝った内容のリスティング広告を出しても、例えば「クリックしてから表示されるまでに30秒かかる」など、閲覧する際にユーザーがストレスを感じてしまうと広告費用ばかりがかさむことになってしまうので注意が必要です。

クリエイティブ面においては、基本的に日本国内で出す場合と訴求点の違いはないものの、“刺さる内容”は違ってきます。例えば、日本国内にあるビジネススクールが海外から集客する際、「MBA」などの訴求がよく使用されますが、海外では費用面などが大きな課題になっている人が検索することが多いので、「Scholarship」 (スカラーシップ、奨学金) についての内容を含めた方が、クリック率が高くなるでしょう。 

 

check 広告文に「安心感」を盛り込む

中国のネットユーザーが、中国国内のECサイトでも買える商品を ‟わざわざ”日本のECサイトで買おうとする最大の理由は「日本のECサイトなら正規品を扱っている」という安心感にあります。そこで、中国向けリスティング広告のテキストには、国境を越えて買い物をする際の不安を払しょくする内容を盛り込むのがポイントです。

例えば「配送に時間がかかるかも?」「配送料金が高いのでは?」といった不安を取り除くなら「配送3日」「送料500円」などの具体的な文言を入れると効果的です。

 

check 価格より「サイトの信頼度」を重要視する

中国でビジネス展開するなら、事前にマーケット調査するのは必須条件です。その際、日本のユーザーと中国のユーザーの動きに違いがあることを念頭に置いておくと良いでしょう。
例えばECサイトで「掃除機」を購入する際に、日本のユーザーは最初から検索エンジンで「掃除機 価格」と検索するか、または「ブランド名と商品名」を直接打ち込んで安く購入できるサイトを探すことが多いです。

ところが、中国のユーザーは、まず「楽天」や「アマゾン」のような総合的なECサイトを最初に検索し、そのサイトの中で商品を検索します。日本のユーザーと比較すると、1ステップ多いのです。

その理由として、中国のユーザーは価格よりも「信頼できるECサイトかどうか」を重要視するということが挙げられます。商品の情報を知りたい場合は商品名を直接検索するけれど、商品を買いたい場合はまず「信頼できるサイト」を探してから、というわけです。

中国人自身が自国のウェブサイトをあまり信用していないという現実があるようですね。

 

check まずは「Google」で、広告の手ごたえを探ろう

中国にいるユーザーが国内の情報を探す場合の検索シェアは「Baidu」がもっとも高く、リスティング広告のシェアも「Baidu」が約7割を占めると推測されています。そのため中国向けリスティング広告は、まず「Baiduで出すべき!」と考えている人が多いのではないでしょうか?

しかし、実は「Baiduのリスティング広告だけ出せば良い」というわけでもないのです。

この円グラフは、中国のユーザーが日本から物を買った際の流入元について、売り上げシェアの観点で調べたものです。結果は、以下の通りになりました。

  • 「Baidu」55%
  • 「360捜索」25%
  • 「Google」20%

そう、第3位は「Google」なのです。

日本の企業なら「Google」でリスティング広告を出稿しているところも多いはず。

使い慣れた「Google」で、中国向けのデジタル広告を出してみる。効果がありそうだったら、「Baidu」や「360捜索」でも配信を検討する

こうした方法を取ることでより無駄のないデジタル広告戦術が可能になります。

「でも、Googleからの流入はたかが20%でしょ?」と侮るなかれ。中国の人口は13億人。そのうちのネットユーザーは9億4000万人(2020年6月)。これは日本の総人口の約8倍(!)という巨大なマーケットであることを忘れてはいけません。中国政府がインターネット普及に注力していることを見れば、今後もパイが増えていくことは明らかです。しかも、彼らは日本の商品を買いたいと思っているのですから後回しにする理由はありません。

また、中国におけるリスティング広告をGoogleから始めた方が良いもうひとつの理由が、「出稿費用」です。

Baiduのリスティング広告は月々の広告費が決まっていて、3カ月間は必ずその費用がかかるため、もし商品がひとつも売れなくても停止することが出来ません。しかし、「Google」なら1日の予算が100円からでも始められる上、いつでも広告を停止することが可能です。もちろん、「最初からBaiduで中国市場向けにリスティング広告を配信したい!」という場合にはBaiduから開始することも可能です。ここは、自社の中国戦略に基づいた配信戦略を採ることがベストですね。

 

まとめ

リスティング広告は、「ユーザーが検索するキーワード(ニーズ・需要)」と「自社商品の魅力(広告文・LP)」が出会う交差点のような存在です。日本企業が中国市場進出・拡大をめざすとき、リスクヘッジの観点からも、着実な効果を出すためにも、まず最初に検討すべき施策であるといえます。

中国に向けたリスティング広告配信の際には、今回ご紹介した「検索エンジンによる違い」や「Google配信を活用する」など戦略的なアプローチを実施しましょう。その際、社内にリソース・知見がなくお困りの場合は、インフォキュービック・ジャパンにお声掛けください!

中国バナー

 

宇佐美 海太

宇佐美 海太 マーケティング部マネージャー

弊社の「デジタル x アナログマーケティング、コーポレートブランディング」を統括しています。東京生まれ、南欧育ち。ヨーロッパの生活で人生が劇的に変わりました。自分を育ててくれた"日本と世界"への感謝を胸に、「日本と世界をつなげること」が生涯のテーマです。趣味はプロレス鑑賞・料理です。